【3199】綿半ホールディングス(東証プライム) NT
現在値 1,383円 P/E 12.2 P/B 1.34 3月配当 9月株主優待
長野県地盤のホームセンター(HC)と建設事業がニ本柱。
配当金は3月一括の22円配当のため、配当利回りは1.59%となります。
綿半ホールディングスは株主優待制度を実施しており、100株以上を保有する9月末株主に対して、2,000円相当の長野県特産品を進呈しておりますので、配当優待利回りは約3.03%となります(※権利確定半年前までに株主名簿確認あり)。
業績を確認していきます。
■2020年3月期 売上高 1,201億円、経常利益 28.1億円 EPS 76.9円
■2021年3月期 売上高 1,147億円、経常利益 35.2億円 EPS 96.5円
■2022年3月期 売上高 1,145億円、経常利益 29.3億円 EPS 111.0円
■2023年3月期 売上高 1,250億円、経常利益 33.5億円 EPS 113.3円ce
□2022年6月2Q 売上高 642億円、経常利益 14.2億円 EPS 35.4円
□2022年9月3Q 売上高 1,005億円、経常利益 25.7億円 EPS 69.9円(1/31)
2022年6月中間期の売上高はYoY+19.4%の642億円、経常利益はYoY+48.5%の14.2億円となり、対前・対予算で増収増益となりました。小売事業については、正常化反動で食品・DIY・園芸が低調で既存店売上高(SSS)は99.7%に留まったほか、ミックス悪化や電気代の高騰により利益は大幅減となりました。他方、建築事業については、期初受注残を289億円と非常に豊富に確保していたほか、工場向け鉄骨加工が好調に推移し、大幅な増収増益となりました。
進行期である2023年3月期通期見通しは期初予想を据え置いており、売上高がYoY+9.2%の1,250億円、経常利益YoY+14.1%の33.5億円を見込んでいます。開示済の9ヵ月累計の小売事業SSSは100.4%と横ばい推移も、商品ミックス悪化と電気代高騰で大幅減益となる見通しです。建設事業については、4月に稼働開始した新飯田工場の寄与により鉄骨分野が伸長しており、2Q時点の受注残もYoY+50%の246億円と高水準で推移しています。そのため、全社では小売下振れ&建設上振れで予算を確保する見通しであり、開示済の3Qの売上高は1,005億円&経常利益25.7億円で進捗しています。
進行期は新中計初年度であり、2025年3月期までの3箇年で売上高を1,145億円→1,350億円に、経常利益を29.3億円→40.0億円(CAGR8%)を目指す計画としており、会社側が重要KPIとする経常利益率については、“巣ごもり特需”を除いた巡行ベースの経常利益率を2.7%→3.0%まで引き上げる目標です。今次中計期間における取組事項としては、①暖簾(商品力向上他)、②地域(地産品取扱拡大他)、③環境(6次産業化)の3点を掲げています。
①暖簾は、高品質・低価格製品の開発が主な取組事項となり、自主回収騒ぎのあった“社長に内緒で”シリーズに代表される独自性のあるPB品の開発や、医薬品売り場の拡充を推進します。また昨年8月には最大級となる上田店を開業したほか、9月には初の都心型店舗となる権堂店を開業し、新フォーマットへの挑戦も進めています。②地域は、海産仕入拠点の新設(新潟、香川)と、コールドチェーンの拡充により高鮮度品の輸送体制強化を図っています。
他方でM&Aについては、2019年に木造戸建事業のサイエンスホーム(静岡、年商23億円&経常利益2億円程)と製茶卸売・菓子製販の三原商店を、2020年にはネット家具通販のリグナ、佐久市の調剤薬局ほしまんを、2021年には組立家具屋の大洋(島田市、年商10億円)、夢ハウス(新潟、年商80億円、経常利益3億円程度)を相次いで買収しています。また、2022年には不動産のAIC(新宿、年商20億円)を買収しており、綿半リアルエステートに改組しています。
現状、B/S計上ののれんは11億円程であり、年間4億円程度のハイペースで償却していることから、3~4年後には年4億円程度の営業利益上乗せが目されます。他方、株主還元は概ね配当性向20%をめやすに、1円増配の年22円配を予想しています。足許の自己資本比率は24.2%と再度低下しているため、次なるM&Aのために配当を絞った財務温存策が採られる見通しです。
*参考記事① 2022-02-04 1,304円 NT
【3199】綿半ホールディングス/小売反動減と建設低調だが、M&Aののれん償却は高水準で進捗。
*参考記事② 2021-08-31 1,238円 NT
【3199】綿半ホールディングス/小売反動減厳しいが、積極的な大規模MAで業容は急拡大。
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