【3199】綿半ホールディングス/小売反動減厳しいが、積極的な大規模MAで業容は急拡大。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3199】綿半ホールディングス(東証一部)  NT

現在値 1,238円  P/E 11.6  P/B 1.42  3月配当 9月株主優待

長野県地盤のホームセンター(HC)と建設事業がニ本柱。
配当金は3月一括の21円配当のため、配当利回りは1.70%となります。

綿半ホールディングスは株主優待制度を実施しており、100株以上を保有する9月末株主に対して、2,000円相当の長野県特産品を進呈しておりますので、配当優待利回りは約3.31%となります(※権利確定半年前までに株主名簿確認あり)。

業績を確認していきます。

■2018年3月期 売上高 1,023億円、経常利益 25.0億円 EPS 75.2円

■2019年3月期 売上高 1,064億円、経常利益 25.0億円 EPS 81.8円
■2020年3月期 売上高 1,201億円、経常利益 28.1億円 EPS 76.9円
■2021年3月期 売上高 1,147億円、経常利益 35.2億円 EPS 96.5円 

■2022年3月期 売上高 1,200億円、経常利益 35.5億円 EPS 105.9円 ce

□2021年6月1Q 売上高 260億円、経常利益 4.2億円 EPS 12.0円(7/30)
□2021年9月2Q 売上高 565億円、経常利益 13.3億円 EPS 38.8円 ce

2021年3月期の売上高は前期比0.1%増の1,147億円、経常利益は同25.4%増の35.2億円となり、売上高は予算を若干下回ったものの、利益は2度の期中の増額修正水準を更に上回って着地しました。主力の小売事業については、前年同期の消費増税前仮需の反動があったものの、改装店舗が好調だったため、既存店売上高(SSS)は99%と堅調に推移しました。また、新型肺炎禍でDIY用品や園芸品等の好採算品が想定超に推移したほか、チラシ等の経費抑制も効いて、利益は一段増となりました。一方、建築事業についてはららぽーと愛知東郷町駐車場等の好採算案件の引渡しがあったものの、新型肺炎禍で新規受注が滞ったため減収減益となりました。


2022年3月期通期の予算については、売上高は4.5%増の1,200億円、経常利益は同0.6%増となる35.5億円を予想しています。既に7月分まで4ヵ月分が開示されている月次によれば、小売事業におけるSSSは95.8%と低調に推移しており、1年前の新型肺炎禍の“巣ごもり特需”の剥落が早くも顕在化しているような状況です。他方、建設事業についても、期初の受注残高は1年前比で23億円減の154億円でスタートしたものの、前4Q期間での受注が集中したことから、この2Q以降に引き渡しが増加する見通しであり、概ね順調とみられます。そのため、建設事業の反発が見込まれる一方、小売事業が低調なため、予算比ビハインドの状況とみられます。


進行期は3年中計の最終年度であり、計画上は売上高1,200億円(CAGR4%)、経常利益32.0億円(CAGR8%)を目標に掲げていますが、利益目標については既に1年前倒しで達成しています。会社側では、足許で経常利益率をKPIとしている旨アナウンスしており、新型肺炎特需による一過性の採算良化を無視すれば、表記中計目標から逆算される経常利益率である2.7%を巡航目標としているものと考えられます(中計開始前は2.4%、進行期の予算達成なら3.0%だが上述のとおり不透明)。


足許では小売事業の特需が剥落しているほか、建設事業が低調に推移していることもあり、トップライン成長のため業容を問わないMAによる業容拡大を推進しています。2019年に静岡県で木造戸建て住宅事業を展開するサイエンスホームを買収しており、同社は年商23億円&経常利益2億円程の業績が上乗せされています(※のれん償却考慮すると実際の利益寄与は1億円程度)。また、製茶卸売・菓子製販の三原商店を完全子会社化したほか、昨年にはオンライン家具通販のリグナ、佐久市を中心に調剤薬局を中心に調剤薬局を展開するほしまんを買収したほか、本年は島田市の組立家具屋の大洋(年商10億円)、新潟県のハウスメーカーである夢ハウス(年商80億円、経常利益3億円程度)を相次いで買収しています。

 

一方、株主還元については概ね配当性向20%を基準に配当しており、1円増配となる21円を予想しています。目下の自己資本比率は29.8%で推移しており、当社はMAに積極的な企業であることから財務を温存させる必要もあることから(先述の夢ハウスの買収には27億円を投じている)、当面は現行程度の還元水準が維持されるものと考えています。

 

*参考記事① 2021-01-29 1,408円 

【3199】綿半ホールディングス/建設部門軟調だが、中計は1年前倒しでの達成が濃厚。

 

*参考記事② 2018-01-30 2,145円*分割遡及修正済 UP

今期上振れ濃厚&中計前倒し圏も、株価は割高圏に突入・綿半HD(3199)。

 

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