【3221】ヨシックスHD/既存店好調で再増額、いまさら感漂う餃子新業態も想定超の推移。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3221】ヨシックスホールディングス(東証プライム)  OP

現在値 2,929円  P/E 20.8  P/B 3.08  3月配当優待 9月配当優待

名古屋地盤の居酒屋チェーン。すし居酒屋、低価格均一居酒屋展開。
配当基準日は3月末・9月末の年2回であり、計24円配のため配当利回りは0.82%となります。

ヨシックスホールディングスは株主優待制度を実施しており、100株以上を保有する3月末・9月末の株主に対して、3,000円相当の食事券(および食事2割引券10枚)を進呈しており、配当優待利回りは約2.86%となります。

業績を確認していきます。

■2021年3月期 売上高 96.9億円、経常利益▲12.9億円 EPS▲122.9円

■2022年3月期 売上高 85.8億円、経常利益 30.6億円 EPS 179.8円 

■2023年3月期 売上高 170.8億円、経常利益 13.8億円 EPS 94.0円

■2024年3月期 売上高 209.1億円、経常利益 22.3億円 EPS 140.6円ce修正(2/9)

□2023年9月2Q 売上高 102.6億円、経常利益 12.2億円 EPS 77.8円

□2023年12月3Q 売上高 158.2億円、経常利益 19.4億円 EPS 122.6円(2/9)


2023年9月中間期の売上高はYoY+32.3%の102.6億円、経常利益はYoY+9.0%の12.2億円となり、予算比は無いものの大幅な増収増益となりました。3月から実質値上げを伴うメニュー刷新を行ったほか、ハーフサイズの拡充等により注文点数が増加したことで、既存店売上高(SSS)は120%を超える水準で推移しました。出退店については「や台ずし」を中心に出店10・閉店4となった結果、総店舗数は338店となりました。

 

2024年3月期の通期見通しは3Qで再増額しており、売上高がYoY+22.4%の209.1億円(期予:200億円)、経常利益はYoY+21.7%の22.3億円(期予:12.5億円)に修正しています。例年に比べて天候不順等も少なく、書き入れ時の年末年始も順調に集客できたことから、1月(10ヵ月分)まで既開示のSSSは120%を挟む水準をキープしています。出店については、高知・宮崎・尼崎・など8店が出店名有りとなっており、通期計画25店に対して順調な進捗が確認されます。2月9日開示済の3Qは売上高158.2億円&経常益19.4億円で推移しており、なお上振れ圏で推移しています。

当社は年限の無い中期目標として店舗数500店・売上高300億円・経常利益30億円(経常利益率10%)を掲げています。“田舎戦略”と称する郊外戦略で「1.5~2等立地」かつ「30~40坪の広さ」かつ「新幹線隣接市町村で乗降客6千人超の駅前」の物件を賃料負担率7%以内で賃借し、内製化した建装事業で低原価・早期完工による高速出店を実現しています。また、2021年には大手外食チェーンの店舗内装を数多く手掛ける小田原の芝産業(年商10億円)を買収し、業容拡大しています。

 

会社側では“田舎戦略”のTAMを2,777億円、好適立地条件店舗は既存店の10倍以上の4,300店と推計し、出店による外部成長を基本戦略としています。また、出店にあたって必要となる寿司職人の給料が高騰していることから、寿司を握らない天ぷらと刺身の業態「海鮮大衆魚酒場 あいよ!」を開発して所沢に出店したほか、「や台ずし」の既存店と業態被りを防ぐべく開発した「ひとくち餃子の頂」を新大宮・高知に相次いで出店しています。後述の餃子業態はいまさら感があるものの好調に推移しており、会社側としては二番手ブランドに育てる考えです。

 

財務面については、借入金殆どない一方、現預金は90億円を優に超える水準を保有しており、自己資本比率は70%と好財務状態が続いています。そのため、配当金については平時並みの年24円配当に完全復元させる予定としているほか、9月末期限とした5億円(1.93%)の自社株買いも別途実施しています。

 

*参考記事① 2023-02-04 2,169円 OP

【3221】ヨシックスホールディングス/回復途上だが、好財務を活かした安定成長が続こう。

 

*参考記事② 2022-09-26  2,232円 OP

【3221】ヨシックスホールディングス/好財務原資に年24円の完全復元配当を見込む。

 

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