【3221】ヨシックスホールディングス/回復途上だが、好財務を活かした安定成長が続こう。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3221】ヨシックスホールディングス(東証プライム)  OP

現在値 2,169円 P/E 16.5  P/B 2.62  3月配当優待 9月配当優待

名古屋地盤の居酒屋チェーン。すし居酒屋、低価格均一居酒屋展開。
配当基準日は3月末・9月末の年2回であり、計24円配のため配当利回りは1.11%となります。

ヨシックスホールディングスは株主優待制度を実施しており、100株以上を保有する3月末・9月末の株主に対して、3,000円相当の食事券(および食事2割引券10枚)を進呈しており、配当優待利回りは約3.87%となります。

業績を確認していきます。

■2020年3月期 売上高 187億円、経常利益 23.5億円 EPS 121.8円 

■2021年3月期 売上高 96.9億円、経常利益▲12.9億円 EPS▲122.9円

■2022年3月期 売上高 85.8億円、経常利益 30.6億円 EPS 179.8円 

■2023年3月期 売上高 160.9億円、経常利益 20.5億円 EPS 129.1円ce

□2022年9月2Q 売上高 77.5億円、経常利益 11.1億円 EPS 75.1円(11/11)


2022年9月中間期の売上高はYoY*3.3倍の77.5億円、経常利益はYoY+11億円の11.1億円となり、予算比は無いものの大幅な増収増益となりました。半分程度の店舗が休業していた前年のハードルが低くかったことから、既存店売上高(SSS)は軒並み100%を大きく超過しているものの、平時比では70~80%程度に留まっている状況です。他方、営業外の助成金収入が9億円程あったことから大幅な経常増益を確保し、出退店については「や台ずし」が出店8・閉店5となった結果、総店舗数は329店となりました。

 

2023年3月期の通期見通しは期初のものを据え置いており、売上高がYoY+87.5%の160.9億円、経常利益はYoY▲33.0%の20.5億円を予想しています。SSSは12月(9ヵ月分)まで既開示となっており、繁忙期である12月は平時比で8割程の戻りが確認されるものの、利益面は高水準の受取助成金が減少するため、減益想定となります。出店については、名古屋、福岡、小松、保土ヶ谷、佐倉など8店が出店名有りとなっており、通期では37店以上の出店を計画していますが、3Q時点では「16店+α」と低進捗の状況です。

当社は年限の無い中期目標として店舗数500店・売上高300億円・経常利益30億円(経常利益率10%)を掲げています。“田舎戦略”と称する郊外戦略で「1.5~2等立地」かつ「30~40坪の広さ」かつ「新幹線隣接市町村で乗降客6千人超の駅前」の物件を賃料負担率7%以内で賃借し、内製化した建装事業で低原価・早期完工による高速出店を実現しています。また、2021年には大手外食チェーンの店舗内装を数多く手掛ける小田原の芝産業(年商10億円)を買収し、業容拡大しています。

 

会社側では“田舎戦略”のTAMを2,777億円、好適立地条件店舗は既存店の10倍以上の4,314店あるものと推計しているため、基本戦略は出店による外部成長施策となります。出店に当たって必要となる寿司職人は、60万円もの入社時祝い金支給で確保する一方、昨年10月には売れ筋のまぐろ、サーモン、はまちの値上げを実施しており、採算確保を図っています。また、年末に“玉鋼”という高級新業態を開発しており、1号店を千種(コメダ本社の目と鼻の先)に出店しています。

 

財務面については、借入金は僅か2億円程に留まる一方、現預金は70億円を優に超える水準を保有しており、自己資本比率は73%まで上昇しています。そのため、配当金については平時並みの年24円配当に完全復元させる予定となっています。

 

*参考記事① 2022-09-26  2,232円 OP

【3221】ヨシックスホールディングス/好財務原資に年24円の完全復元配当を見込む。

 

*参考記事② 2022-03-25 2,170円 OP

【3221】ヨシックスHD/ 助成金収入一段と膨らみ、巡行の年12円配当にはや復帰。

 

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