【3221】ヨシックスホールディングス(東証プライム) OP
現在値 2,232円 P/E --.- P/B 2.98 3月配当優待 9月配当優待
名古屋地盤の居酒屋チェーン。すし居酒屋、低価格均一居酒屋展開。
配当基準日は3月末・9月末の年2回であり、計24円配のため配当利回りは1.08%となります。
ヨシックスホールディングスは株主優待制度を実施しており、100株以上を保有する3月末・9月末の株主に対して、3,000円相当の食事券(および食事2割引券10枚)を進呈しており、配当優待利回りは約3.76%となります。
業績を確認していきます。
■2020年3月期 売上高 187億円、経常利益 23.5億円 EPS 121.8円
■2021年3月期 売上高 96.9億円、経常利益▲12.9億円 EPS▲122.9円
■2022年3月期 売上高 85.8億円、経常利益 30.6億円 EPS 179.8円
■2023年3月期 売上高 160.9億円、経常利益 20.5億円 EPS 129.1円 ce
□2022年6月1Q 売上高 38.8億円、経常利益 7.2億円 EPS 49.4円(8/12)
□2022年9月2Q 売上高 72.0億円、経常利益 9.4億円 EPS 57.0円 四e
2022年3月期の売上高はYoY▲11.5%の85.8億円、経常利益はYoY+43億円の30.6億円となり、予算比は無いものの大幅な経常黒字転換となりました。既存店売上高(SSS)は前年ハードルが非常に低かったものの、当期においても緊急事態宣言等による休業と短縮営業を強いられたため、前年割れとなる月が複数出るなど苦戦を強いられました。他方で利益面については、地代家賃の減額が一巡したものの、営業外の助成金収入が37億円あったため、経常黒字を確保しています。出退店は「や台ずし」が出店7・閉店8となった結果、総店舗数は327店となりました。
進行期である2023年3月期の予算については、売上高がYoY+87.5%の160.9億円、経常利益はYoY▲33.0%の20.5億円を予想しています。SSSは8月(5ヵ月分)までが既に開示されており、軒並み100%を大きく超過しているものの、前年ハードルが極めて低いことから、実態は平時水準に大きく届いていない模様です。他方、未入金だった過年度助成金が1Qで5.8億円計上されていることもあり、原価増や光熱費増をこなして、通期での黒字確保が見込まれます。出店については、金沢、鹿児島、静岡、千葉、東大阪など10店が出店名有りとなっており、通期では30店以上の出店を計画しています。
当社は年限の無い中期目標として店舗数500店・売上高300億円・経常利益30億円(経常利益率10%)を掲げています。“田舎戦略”と称する郊外戦略を変更することなく維持しており、「1.5~2等立地」かつ「30~40坪の広さ」かつ「新幹線隣接市町村で乗降客6千人超の駅前」の物件を賃料負担率7%以内で賃借し、内製化した建装事業で低原価・早期完工による高速出店を実現しています。また、昨年10月には大手外食チェーンの店舗内装を数多く手掛ける小田原の芝産業(年商10億円)を買収し、業容拡大しています。
昨年8月には傘下のCVCがAI開発や建設現場施工管理ロボット、クラウド現場管理を手掛ける藤沢のベンチャー企業に出資するといった先行投資などもしているものの、本業の飲食事業の量的拡大策が基本戦略となります。会社側では“田舎戦略”のTAMを2,777億円と見込み、日本国内で条件を満たす立地条件は既存店の10倍以上の4,314店あるものと推計しています。そのため、まだまだ単純増が効くフェーズであることから、本決算公表時点では実に30店舗もの新規物件の賃借申込を入れていることを明らかにしています。
財務面については、借入金は僅か2億円程に留まる一方、現預金は50億円を優に超える水準を保有しており、自己資本比率は72%まで上昇しています。そのため、配当金については平時並みの年24円配当に完全復元させる予定となっています。
*参考記事① 2022-03-25 2,170円 OP
【3221】ヨシックスHD/ 助成金収入一段と膨らみ、巡行の年12円配当にはや復帰。
*参考記事② 2021-01-13 1,844円 OP
【3221】ヨシックス/好財務をテコに、物件と飲食事業者の“ファイヤーセール”狙い。
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