【7127】一家ホールディングス(東証プライム) OP
現在値 702円/100株 P/E 27.6 P/B 4.60 3月無配株主優待 9月株主優待
首都圏で和食居酒屋『こだわりもん一家』『屋台屋博多劇場』等を展開。
配当基準日は3月ですが、配当実績はなく、今期も無配予想となっています。
一家ホールディングスは株主優待を導入しており、3月末・9月末に単元株を保有する株主に対し、各2,500円の食事券を進呈しておりますので、配当優待利回りは約7.12%となります。
業績を確認していきます。
■2021年3月期 売上高 34.2億円、経常利益 ▲11.3億円 EPS ▲153.9円
■2022年3月期 売上高 44.2億円、経常利益 ▲7.5億円 EPS ▲28.5円
■2023年3月期 売上高 83.7億円、経常利益 1.3億円 EPS 11.9円
■2024年3月期 売上高 94.0億円、経常利益 2.8億円 EPS 25.4円 ce
□2023年9月2Q 売上高 42.0億円、経常利益▲0.1億円 EPS▲1.35円
□2023年12月3Q 売上高 69.4億円、経常利益 2.2億円 EPS 19.9円(2/14)
2023年9月中間期の売上高はYoY+11.2%の42.0億円、経常利益はYoY+1.0億円の▲0.1億円となり、予算比は無いものの増収増益となりました。飲食事業は「ハンサム」が低調に推移したものの、アプリ会員の下支えが寄与した博多劇場が好調に推移し、全店SSSは125%となりました。他方、婚礼事業の「The Place of Tokyo(芝)」は6月~8月で大型の施設改修によるダウンタイムで計画通りの減収減益となりました。なお出退店については、純増4店の78店となりました。
なお2024年3月期通期見通しは期初予想を据え置いており、売上高はYoY+12.3%の94.0億円、経常利益はYoY*2.1倍の2.8億円を予想しています。繁忙期である年末年始は忘年会需要や中規模宴会の回復がみられ、10ヶ月分が既開示の飲食事業SSSはYoY120%と引き続き好調に推移しています。芝の婚礼事業も下期から通常営業に復帰しているほか、通期の出店についても純増10を計画しています。なお、2月14日開示済の3Qは売上高69.4億円&経常益2.2億円と計画線で推移しています。
当社は中計等を開示していないものの、飲食事業・婚礼事業を核に、レジャーやインバウンド向けのホテルなど周辺領域への拡大を志向します。中核の飲食事業は、既存店の集客が特に好調に推移している少人数・回転率重視の「にのや」の出店を進めており、足許では横浜・浦安・本八幡など東京以外の首都圏にも出店しています。他方、20代回りの女性顧客韓国屋台「ハンサム」は昨今の韓国ブームの一巡と競合激化で苦戦が鮮明となっており、早くも縮小含みとみられます。
芝の婚礼事業は、ビルオーナーのUUR(8960)と10年間の再契約を締結して中長期の事業継続が確定的となったほか、増賃再契約の対価として内外装改装・1バンケット増設(3+1=4場体制)・機能性改善などのCAPEX/修繕投資のオーナー投資を引き出しています。本件投資により飲食専用の「TANGO」がバンケット併用となり、平常化後の婚礼受注拡大が見込まれます。このほか昨年8月に市川の本社ビルも建替を機に統合移転しており、人材難の飲食業界ではあるものの、新卒採用への訴求向上を図っています。
財務状況については、新型肺炎禍で助成金(17.7億円)収入があったほか、2021年のマイルストーン・キャピタルへのMSワラント発行もあり、自己資本比率は20.3%まで回復しています。然しながら、目下の出店加速や新卒大量採用により、一定レベルの資金需要があることから、配当は引き続き無配継続を見込んでいます。
*参考記事① 2023-09-12 734円 NT
【7127】一家ホールディングス/飲食既存店は回復傾向だが、芝式場の改装休業で足踏み。
*参考記事② 2022-08-27 628円 NT
【7127】一家ホールディングス/東京タワー式場はREIT側と再契約成就も、継続前提に重要事象。
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