【7127】一家ホールディングス(東証プライム) NT
現在値 734円/100株 P/E 28.8 P/B 5.47 3月無配株主優待 9月株主優待
首都圏で和食居酒屋『こだわりもん一家』『屋台屋博多劇場』等を展開。
配当基準日は3月ですが、配当実績はなく、今期も無配予想となっています。
一家ホールディングスは株主優待を導入しており、3月末・9月末に単元株を保有する株主に対し、各2,500円の食事券を進呈しておりますので、配当優待利回りは約6.81%となります。
業績を確認していきます。
■2021年3月期 売上高 34.2億円、経常利益 ▲11.3億円 EPS ▲153.9円
■2022年3月期 売上高 44.2億円、経常利益 ▲7.5億円 EPS ▲28.5円
■2023年3月期 売上高 83.7億円、経常利益 1.3億円 EPS 11.9円
■2024年3月期 売上高 94.0億円、経常利益 2.8億円 EPS 25.4円 ce
□2023年6月1Q 売上高 21.8億円、経常利益 0.4億円 EPS 3.7円(8/14)
□2023年9月2Q 売上高 44.0億円、経常利益 0.8億円 EPS 7.1円 四e
2023年3月期の売上高はYoY+89.3%の83.7億円、経常利益はYoY+8.8億円の1.3億円となり、増収増益ながらも予算未達となりました。飲食事業は全店通常営業へ復帰し、前年ハードルの低さからSSSは2倍強を確保したものの、夏場の一時的な感染拡大影響で平時比では依然8割程度となりました。婚礼事業「The Place of Tokyo(芝)」は期末にかけて挙式の催行が進んだほか、成約率・単価ともに順調に推移し、セグで1億円程度の営業益を確保しました。なお出退店については、純増2店の74店となりました。
進行期である2024年3月期の予算については、売上高がYoY+12.3%の94.0億円、経常利益はYoY*2.1倍の2.8億円を予想しています。4ヶ月分が既開示の飲食店のSSSは、正常化の進展でYoY120%(平時比100%弱)で推移しているほか、単体7店・ウエキ2店の計9店の積極出店計画により、増収を見込みます。他方、芝の婚礼事業は6月~8月に大型の施設リニューアル(改装及び多バンケット化)を実施するため、ダウンタイム減収を織り込みます。尚、8月14日開示済の1Qは売上高21.8億円&経常益0.4億円で推移しています。
当面の方針については、飲食事業・婚礼事業を核に、レジャーやインバウンド向けのホテルなど周辺領域への拡大を志向することとしています。中核の飲食事業は、アッパー路線ながらも従来型フォーマットの「こだわりもん一家」を、少人数・回転率重視の「にのや」に転換しているほか、少人数の20代女性顧客を見込める韓国屋台「ハンサム」の出店も進めており、既存の「博多劇場」も含めて“詰め込み方式”の屋台型業態にシフトしています。
芝の婚礼事業は、大家であるUUR(8960)との間で賃料14.3%アップで10年間の再契約を締結し、増賃対価として内外装改装・1バンケット増設(3+1=4場体制)・機能性改善などのCAPEX/修繕投資を引き出しています。レジャー事業は、ゼットン(3057)のような屋外BBQ/ビアガーデンを中心に受託しており、お台場アクアシティ・新宿Flags・京王百貨店で展開しているものの、実態としては飲食事業の域を出ないものとなっています。
財務状況については、新型肺炎禍の助成金(17.7億円)収入があったほか、2021年2月のマイルストーン・キャピタルを相手先とするMSワラント発行もあり、自己資本比率は21.3%まで回復しています。然しながら、目下の出店転換や新卒の大量採用により、一定レベルの資金需要を要することから、配当については引き続き無配継続を見込んでいます。
*参考記事① 2022-08-27 628円 NT
【7127】一家ホールディングス/東京タワー式場はREIT側と再契約成就も、継続前提に重要事象。
*参考記事② 2022-02-26 524円 NT
【7127】一家ホールディングス/「にのや」の増店に期待、足許では通常営業の店舗も。
*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。