【7127】一家ホールディングス/「にのや」の増店に期待、足許では通常営業の店舗も。 | なちゅの市川綜合研究所

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【7127】一家ホールディングス(東証一部) NT

現在値 524円/100株 P/E--.-  P/B 4.60  3月無配株主優待 9月株主優待

首都圏で和食居酒屋『こだわりもん一家』『屋台屋博多劇場』等を展開。
配当基準日は3月ですが、配当実績はなく、今期も無配予想となっています。

一家ホールディングスは株主優待を導入しており、3月末・9月末に単元株を保有する株主に対し、各2,500円の食事券を進呈しておりますので、配当優待利回りは約9.54%となります。

業績を確認していきます。

■2018年3月期 売上高 61.4億円、経常利益 2.4億円 EPS 55.4円

■2019年3月期 売上高 70.7億円、経常利益 2.8億円 EPS 39.6円 

■2020年3月期 売上高 79.9億円、経常利益 1.2億円 EPS▲19.8円 

■2021年3月期 売上高 34.2億円、経常利益▲11.3億円 EPS▲153.9円

■2022年3月期 売上高 (未定)億円、経常利益(未定)億円 EPS(未定)円

□2021年9月2Q  売上高 10.9億円、経常利益▲6.2億円 EPS 0.7円

□2021年12月3Q  売上高 29.4億円、経常利益▲5.9億円 EPS 54.6円(2/14)

2021年9月中間期の売上高はYoY▲23.8%の10.9億円、経常利益は同横ばいの▲6.1億円となり、期初予想との比較はないものの大幅な減収減益となりました。飲食事業は、4月25日の三度目の緊急事態宣言発出に伴い時短営業・臨時休業に踏み切ったほか、その後も上期末まで断続的な営業制限に迫られたことから、上期SSSは21.2%に留まりました。他方、婚礼事業は前期にを2ヶ月弱臨時休業した「The Place of Tokyo」の再開で、売上は3倍強まで反動増を確保しています。

尚、展開店舗数は「にのや」、「ハンサム」の出店や業態転換等により、純増1店となる上期末70店体制となっています。

 

2022年3月期の通期見通しは未定としています。飲食事業については、10-12月の3Q期間が既に開示済となっており、緊急事態宣言解除にともない10月から顕著な客数増加がみられ、最繁忙期である12月まで取り込んだ通期SSS(9ヵ月累計)は61.1%水準まで回復しています。また婚礼事業についても、“小康状態”入りによる挙式施行増で既受注の消化が進み、3Qにかけて損益が一段と回復しています。他方、4Q期間では新型肺炎禍の感染状況が再び悪化しているものの、ボトムラインで計上している時短協力等助成金が3Q迄で延べ17億円に上ることから、最終利益では黒字圏を確保するとみられます。

 

当社はこれまで「こだわりもん一家」や「博多劇場」といった従来型居酒屋の割合が多かったものの、足許ではジンギスカン業態の「ラムちゃん」や韓国料理の「ハンサム」などアルコールにフォーカスしない食事型業態に傾斜させています。この出店戦略変化により、出店エリアも従来のターミナル駅前等の繁華性の高い立地ではなく、ファミリー層を狙える郊外立地が多くなっています。実際に「ハンサム」については、1号店を柏、2号店を海浜幕張に出店していますが、何れも好調に推移していることから、有力な郊外フォーマットとして育つことが期待されます。

 

他方、「Remo Cafe」といった満喫とコワーキングスペースの融合業態を開発していますが、此方は競合が激しいので、ありとあらゆる業種から参入のあるレッドオーシャンのため、差別化も出店も非常に難しいとみられますが、立ち飲み酒場の「にのや(二の家)」は多くの増店余地があると考えます。本業態はアッパー業態であった「こだわりもん一家」の品質のままで価格を下げ、立ち飲み方式で採算を合わせるとみられ、狭い坪数での出店が可能であるため、今後は駅前飲食店(商店街)の廃業跡地等に入り込める可能性があります。

 

財務状況については、昨年主力行の千葉銀から更に3億円の融資を受けるなどしているものの、今期は途中段階で17億円もの助成金収入があったことから、自己資本比率は15.2%に回復し、純資産も7.6億円に増加しています。依然として予断を許さない状況ですが、足許では時短営業の回避により現金収入があるとみられ、キャッシュ自体は十分回っている印象はあります。

 

*参考記事① 2021-01-21 542円 NT

【9266】一家ダイニングプロジェクト/純資産は4億円台に減少、経営側の覚悟を再確認したい。 

 

*参考記事② 2020-07-24 567円 NT

【9266】一家ダイニングプロジェクト/「博多劇場」に絞った成長ストーリーの再提示が望まれる。

 

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