【8354】ふくおかフィナンシャルグループ(東証プライム) OP
現在値 3,735円/100株 P/E 11.4 P/B 0.73 3月配当株主優待 9月配当
傘下に福岡銀行、熊本銀行、十八親和銀行。総資産で地銀首位。
配当は年2回・合計115円のため、配当利回りは約3.08%となります。
ふくおかフィナンシャルグループは株主優待制度を導入しており、200株以上保有の1年以上株主に対して、預金金利上乗せやポイント進呈等の各種サービスクーポン、ご当地ギフトを進呈しており、3,000円換算した場合の配当優待利回りは約3.48%となります。
業績を確認していきます。
■2021年3月期 経常収益 2,747億円、最終利益 446億円 EPS 234.9円
■2022年3月期 経常収益 2,804億円、最終利益 541億円 EPS 284.6円
■2023年3月期 経常収益 3,313億円、最終利益 315億円 EPS 165.5円
■2024年3月期 経常収益 (未定)億円、最終利益 615億円 EPS 326.4円ce修正(11/13)
□2023年9月2Q 経常収益 1,944億円、最終利益 302億円 EPS 161.3円
□2023年12月3Q 経常収益 2,959億円、最終利益 620億円 EPS 330.0円(2/9)
2023年9月中間期の経常収益はYoY+26.2%の1,944億円、最終利益はYoY▲1.5%の302億円で着地し、ほぼ計画線で推移しました。大口融資先の再生支援による与信費用が響いたものの好調な中小企業向けが下支えし、末残はYoY+3.2%の15兆940億円に漸増しました(貸出金利回りはYoY▲2bp.の0.98%)。利益面については、みんなの銀行の赤字計上(▲45億円)、本業の与信費用をYoY▲55億円となる▲60億円を計上したこともあり、最終減益となりました。
なお2024年3月期の通期見通しは2Qで微修正しており、最終利益はYoY+97.4%の615億円(期予:610億円)を見込んでいます。予算上の計数諸元は、末残YoY+4.7%の15兆5,352億円、貸出金利回りYoY変わらずの1.00%、与信費用は▲107億円(4bp)で組んでいます。国債含み損が半期で▲300億円弱拡大しているものの、福岡中央銀行との統合(※後述)による負ののれん計上+215億円をネットして織り込み、期初予想をほぼ据え置いています。2月9日公表済の3Qの最終利益はYoY+90.2%の620億円と既に計画超となっています。
当社は翌2025年3月期を最終年度とする3年中計で、最終利益を541億円→650億円に引き上げのほか、ROE6%維持、OHR64.6%→60%への改善を目標としています。期初公表の“中計出来上がりイメージ”では、みんなの銀行の収益化遅れ・外債含み損・与信費用増といった下振れ要素が全て顕在化したとしても、九州エリアの好調な貸出状況や国内利ザヤ改善によるプラス影響で相殺し、650億円到達の蓋然性は高いとしています。
取組事項は、①第二次業務改革、②営業改革、③戦略子会社強化、④新事業挑戦を挙げています。①と②はDX施策であり、アプリや店頭タブレット導入、法人ポータルサイトの提供開始のほか、十八親和銀行との統合・合理化が進展しています。③は傘下のCVCを活用した創業・協業(ベンチャー支援、人材紹介、事業承継・ビジネスマッチング)を強化するほか、旧十八総合リースを東京センチュリーとの合弁会社に改組し、リース機能を強化しています。
④の主軸はアクセンチュアと開発したみんなの銀行”であり、本来であれば開業3ヵ年が経過するこの3月末に190万口座&預金残高1,800億円を達成する目標感でしたが、昨年末時点で87万口座&預金残高252億円と想定以下で推移しており、▲180億円を減損計上済です。他方で昨年10月には福岡の第二地銀である福岡中央銀行(福証;8540)との経営統合を済ませており、福銀との合併はしないものの、200億円超の負ののれんを計上しています。
株主還元については、配当性向を35%基準に既に引き上げており、進行期は10円の増配となる年115円配を予定しています。上述のとおり、負ののれん特益がある一方で国債含み損が膨らんでいるため、自社株買いや更なる増配は示されておらず、追加的な還元は期末の出来上がり次第となりそうです。
*参考記事① 2023-09-01 3,392円 OP
【8354】ふくおかFG/外債含み損ほぼ一掃、福岡中央銀行の負ののれん益計上が見込まれる。
*参考記事② 2023-02-11 3,015円 OP
【8354】ふくおかフィナンシャルグループ/外債含み損を一掃で下方修正、福岡中央銀行と経営統合。
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