【7621】うかい/訪日客と会食需要回復にコース値上げが寄与、業績は上振れ公算が高い。 | なちゅの市川綜合研究所

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【7621】うかい (東証スタンダード) OP

現在値  3,775円/100株  P/E 40.0  P/B 4.67  3月配当 9月株主優待

東京・神奈川で「うかい烏山」など高級和洋食レストランを直営。
配当金は3月一括の15円配のため、配当利回りは約0.40%となります。

うかいは株主優待制度を実施しており、100株保有の9月末株主に対して、3,000円分の当社利用券と箱根ガラスの森の入場券&優待券(15,000円相当)を進呈しておりますので、配当優待利回りを算出した場合は約5.16%となります。

業績を確認していきます。

■2021年3月期 売上高 85.7億円、営業利益▲11.9億円 EPS▲320.4円

■2022年3月期 売上高 98.1億円、営業利益▲4.7億円 EPS▲165.8円 

■2023年3月期 売上高 126.5億円、営業利益 8.5億円 EPS 163.8円 

■2024年3月期 売上高 132.5億円、営業利益 6.0億円 EPS 94.3円 ce
□2023年9月2Q 売上高 65.2億円、営業利益 4.3億円 EPS 60.4円

□2023年12月3Q 売上高 101.1億円、営業利益 8.3億円 EPS 126.0円(2/9)


2023年9月中間期の売上高はYoY+10.3%の65.2億円、営業利益はYoY*3.8倍の4.3億となり、予算比は無いものの大幅な増収増益となりました。飲食事業については週休2日店舗を大幅に拡大したものの、新型肺炎禍の一巡による客数増やコース内容見直しと値上げによる単価増が奏功し、採算性が改善しました。また、ガラスの森を運営する文化事業でも観光客・訪日客の回復がみられたほか、製菓を中心とする物販事業も横ばい圏を確保しました。

 

2024年3月期通期の見通しは期初予想を据え置いており、売上高はYoY+4.8%の132.5億円、営業利益はYoY▲20.6%の6.0億円を予想しています。柱の飲食事業は、年末の忘年会需要回復による客数増と上述のコース値上げが寄与し、出退店ゼロ計画ながら既存店だけで大増勢となります。同様に文化事業も入客増が続いているものの、物販事業は京都・大阪の髙島屋の製菓店舗が開業景気一巡で横ばい止まりとなっています。なお2月9日に開示済の3Qは売上高101億円&営業益8.3億円で進捗しており、超過ペースと解されます。


当社は2025年3月期までの3年中計を掲げているものの、業績の定量目標は無く、“事業基盤の構築”期間として定めています。取組事項としては①人材力強化、②収益基盤強化、③財務基盤強化の3軸を挙げており、①の人材は新卒定期採用だけでなく、中途のリファラルやリターン採用にくわえ、店休日増による定着率向上(年間休日数増、シフト制から全員出社体制への移行)を図ります。

 

➁の収益基盤強化は、ガラスの森のレストラン刷新(うかい特選牛導入による高単価化)や芝とうふ屋うかいでのガラス作品販売といったクロスセルで、文化事業とのシナジー創出を図ります。また物販事業の製菓“アトリエうかい”についても、百貨店催事等への出店を進めるほか、“うかいグルメデリ”と称するECの商品を拡充します。③の財務施策については、急激な資金需要に対する手当や、調達手段の多様化等を掲げていますが、特に具体策は挙げられていません。


財務の状況については、新型肺炎禍の2022年に創業家のうかい商事と京王電鉄に5億円ずつの三者割当増資を引き受けさせたこともあり、自己資本比率は40%程まで急回復しています。なお株主還元については、配当は据置の年15円(配当性向15.8%)を見込んでおり、目下の急速な業績回復を鑑みれば、やや還元不足の印象を受けます。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。

 

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