【8167】リテールパートナーズ/既存店回復で中計走破圏レベルに復帰、低還元が惜しい。 | なちゅの市川綜合研究所

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【8167】リテールパートナーズ (東証プライム) NT

現在値 1,756円/100株  P/E 16.3  P/B 0.95  2月配当優待 8月配当優待

食品スーパー中堅。山口の丸久と大分のマルミヤ、福岡のマルキョウが統合。
配当金は2月末・8月末の合計24円配当のため、配当利回りは1.37%となります。

リテールパートナーズは株主優待制度を実施しており、2月末・8月末時点で単元株を保有する株主に対して千円分の商品券(JCBギフトカード)を年2回進呈しておりますので、配当優待利回りは約2.50%となります。

業績をチェックしていきます。2023年2月期より新収益基準に移行します。

■2021年2月期 売上高 2,418億円、営業利益 83.8億円、EPS 112.5円 

■2022年2月期 売上高 2,395億円、営業利益 53.7億円、EPS 76.8円 

■2023年2月期 売上高 2,347億円、営業利益 52.8億円、EPS 66.7円 新収益

■2024年2月期 売上高 2,520億円、営業利益 67.0億円、EPS 107.1円ce修正

□2023年8月2Q 売上高 1,248億円、営業利益 33.7億円、EPS 58.6円 

□2023年11月3Q 売上高 1,877億円、営業利益 48.1億円、EPS 83.5円(1/11)

2023年8月中間期の売上高はYoYは+6.4%の1,248億円)、営業利益はYoY+50.8%の33.7億円となり、対前・対計画で増収増益となりました。新型肺炎禍一巡による人流回復により、主力の丸久の既存店売上高(SSS)は103.1%、マルミヤストアは同105.7%、マルキョウは同103.1%と軒並み前年クリアとなったほか、利益面についても水光熱費回りの経費削減効果発現で一段増となりました。出退店については、新規連結6店・閉鎖1店の273店(純増5店)となりました。


なお2024年2月期の通期見通しは3Qで増額しており、売上高はYoY+7.3%の2,520億円(期予:2,410億円)、営業利益がYoY+26.8%の67.0億円(期予:55.0億円)に増額しています。前述の人流回復だけでなく、大型改装を実施したマルミヤストア(大在店/約5.7億円、判田店/約5.9億円)の通期貢献効果や、3月末に買収したハツトリー(※後述)が寄与します。出退店は当初純増1店を見込んでいたものの、この買収効果で純増5~6店まで上振れする公算です。

 

当社はこの2024年3月期を最終年度とする3年中計で、売上高2,480億円(CAGR1%)、経常利益76億円(▲17億円)とマイナス成長計画ながら未達公算が高い状況でしたが、修正見通しで過達が射程圏に入りました。取組事項は、①既存店改装と出店、②共同仕入、③グループ連携、④DX、を柱に挙げています。①で50店の改装&20店の出店を予定し、総額150億円を投じます。70億円を投じて丸久の大規模プロセスセンターを2020年に防府市に開設し、生鮮・デリカ・弁当製造能力を大幅強化したことから、周辺の丸久店舗に一斉改装投資を実施し、回収を図ります。

 

②・③はアークス、バローとの“3社同盟”の結成から4年程が経過し、食材共同仕入で▲12.3億円/3y、資材共通仕入で▲7.3億円/3yの経済効果(注:3社合計)を実現したものの、水道光熱費や仕入原価・人件費の上昇ペースがあまりに早く、“砂漠に水を撒く”ような効果しかありませんでした。然しながら目下で水光費の上昇が一巡したほか、価格転嫁の受容が進んでいることから、計画水準に復帰したものと解されます。なお昨年3月末に宮崎県で高品位スーパーを展開するハツトリー(6店舗/年商77億円、営業益0.5億円)を買収し、当社としては久々の有意な店舗数増となりました。

 

財務状況は低還元施策による自己資本の積み上がりにより、自己資本比率は64.1%と依然高水準を維持しています。配当は2円増配の年22円(配当性向22.4%)を予想しているものの、会社側は安定配当ポリシーを謳っているほか、M&A待機資金の温存意向もあるとみられるため、一層の還元増は見込みにくい状況です。


*参考記事①  2023-07-27 1,518円 NT

【8167】リテールパートナーズ/コスト高騰想定超で中計は未達の公算、M&Aに活路。


*参考記事⓶ 2023-01-11   1,197円 NT

【8167】 リテールパートナーズ/物価高による生活防衛意識や、光熱費高騰で事業環境は良くない。

 

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