【2404】鉄人化計画/人流正常化もまだ収支均衡圏止まり、3年中計は過大な印象。 | なちゅの市川綜合研究所

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【2404】鉄人化計画(東証スタンダード) NT

現在値 366円/100株 P/E 178.5  P/B 47.7  8月 無配 株主優待あり

首都圏でカラオケの鉄人を運営。外食もラーメンなど進出。エクステも本格化。
配当基準日は2月/8月の年2回ですが、無配を予想しています。

鉄人化計画は株主優待制度を導入しており、単元保有の8月末株主に対し、3,000円分の自社優待券を進呈しておりますので、配当優待利回りは約8.19%となります。なお別途、カラオケ店舗でのスパークリングワイン進呈or直久ラーメンギフトセットの進呈もあります。

業績を確認していきます。  

■2021年8月期 売上高 52.4億円、経常利益▲1.8億円 EPS▲21.4円   

■2022年8月期 売上高 58.7億円、経常利益▲2.1億円 EPS 2.5円  

■2023年8月期 売上高 65.9億円、経常利益 0.0億円 EPS 0.4円  

■2024年8月期 売上高 68.8億円、経常利益 0.7億円 EPS 2.1円 ce   
□2023年11月1Q 売上高 15.9億円、経常利益 0.9億円 EPS▲7.8円(1/15)    

□2024年2月2Q 売上高 38.0億円、経常利益 0.3億円 EPS 1.1円 ce    

2023年8月期の売上高はYoY+12.1%の65.9億円、経常利益は同+2.0億円の0.0億円となり、計画比はないものの増収増益となりました。主力のカラオケ事業は人流回復や自粛していたアニメ・ゲームとのコラボ企画による集客が奏功し、SSSは110.5%と微増となったほか、飲食事業も主力のラーメン店「直久」を中心にSSSは119.5%まで回復しました。他方、美容事業の「Rich to」のSSSは94.8%に留まりました。利益面については、トップライン回復も水光熱費増や人件費増が響き、均衡圏止まりとなりました。

 

進行期である2024年8月期の予算については、売上高がYoY+4.4%の68.8億円、営業利益は同+0.7億円の0.7億円と増収増益を見込みます。カラオケ事業は年末年始を跨ぐ2Qと3Qに売上が季節偏重するものの、1Q時点で人流が正常化しているほか、期初から積極的にコラボ企画を投入することで平常化を見込みます。他方で飲食事業、美容事業は出店による外部成長を図る方針です。なお1月15日に開示済の1Qは売上高15.9億円&経常利益▲0.9億円と赤字進捗も、季節性考慮で計画線と解されます。

 

当社は2026年8月期を最終年度とする3年中計で、売上高を66億円→100億円、経常利益0億円→7億円まで引き上げる計画としていますが、数字が野心的で達成可視性は乏しい印象です。主力のカラオケ事業は、売上高目標を57.0億円(実績34.7億円)に定め、飲食・アミューズメント・物販とカラオケを融合した「+K」と呼ぶ複合店への改装を進めるほか、巣ごもり需要で人気化したアニメ需要に対応すべく、アニメコラボに限定した専門店の展開を推進します。

 

注力中の美容事業については、向こう3年の売上高CAGR10%&最終年度に23億円を目標とします。2021年に買収したまつ毛エクステ・ネイルサロンのビアンカグループ(32店/年商11億円・利益僅少)を核に、出店を加速させる方針です。人材確保・育成のために美容スクールを開設した上で、地盤の関東・東海だけでなく地方都市にも展開します。他方、ラーメンの直久は様子を見ながらの出店とし、新規領域として銀座の“TZ Games Labs”でeスポーツ事業を育成します。


財務状況については、新型肺炎禍の2020年に創業者である日野洋一氏のファースト・パシフィック・キャピタルを相手先とした第三者割当増資で15億円(@277円)を調達しており、債務超過状態を脱しています。それでも依然として自己資本比率は4.8%と低位であり、有利子負債もグロスで30億円程を抱えているため、余裕のない状況が継続しています。

 

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