【3172】ティーライフ/中計は大幅な減額ローリング、新規不動産案件の獲得が待たれる。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3172】ティーライフ(東証プライム)  NT

現在値  1,382円/100株  P/E 10.6  P/B 0.97 7月配当優待 1月配当

PB健康茶、化粧品をカタログ、ネットで販売。製品製造など外部委託。
配当金は年2回・合計52円配当のため、配当利回りは3.76%となります。

ティーライフは株主優待制度を導入しており、7月末の単元株主に対して1,000円分の株主優待券を進呈していますので、配当と合算した配当優待利回りは約4.48%となります。

業績を確認していきます。新収益認識基準に移行しています。

■2021年7月期 売上高 117億円、経常利益 9.2億円 EPS 165.8円 

■2022年7月期 売上高 127億円、経常利益 8.0億円 EPS 133.4円

■2023年7月期 売上高 134億円、経常利益 8.4億円 EPS 140.8円 

■2024年7月期 売上高 136億円、経常利益 8.4億円 EPS 130.5円 ce

□2023年10月1Q 売上高 30.3億円、経常利益 0.5億円 EPS 5.1円(12/4)

□2024年1月2Q 売上高 69.5億円、経常利益 4.5億円 EPS 70.4円 四e  

 

2023年7月期の売上高はYoY+5.7%の134億円、経常利益は同+5.4%の8.4億円となり、ほぼ計画線の着地となりました。小売事業は景表法違反の「メタボメ茶」の趨勢減のほか、EC内の競合激化で減収となったものの、卸売事業は高単価商品の「J’s kami高麗」に代表されるTV通販向けが堅調に推移しました。他方、不動産事業は袋井・掛川の稼働率向上にくわえ、新設のGLP名古屋守山の転貸・3PLが順調に拡大して大幅増収となりました。


進行期である2024年7月期の予算については、売上高がYoY+1.2%の136億円、経常利益は同+0.4%の8.5億円を予想しています。小売事業は40周年記念商品の投入や好調な干し芋の牽引で反発が見込まれるほか、卸売事業もTV通販枠の拡大と北欧家具の拡充に取り組みます。他方、好調だった不動産事業は稼働率が満床で上がり目がなく横ばい圏となります。12月4日開示済の1Qは売上高30.3億円&経常利益0.5億円と低進捗であり、早くも未達公算が高まっています。


当社は3年ローリング方式で中計を開示しており、最終年度の2025年7月期までに売上高を134→151億円、経常利益を8.4億円→12.0億円(経常利益率8%)まで引き上げる計画としていますが、1年先送りしたほか計数目標も減額しているため、大幅な下方ローリングとなります。特に主力商品の「メタボメ茶」の景表法違反により、健康訴求に関するアグレッシブな広告戦略が採れなくなり、翻って商品MDの抜本的な見直しに迫られています。

 

中計戦略としては、①差別化戦略、②将来成長投資、③経営基盤の強固化の3点が掲げられています。①は地元・静岡での上顧客育成、ルイボス茶強化、特定市場特化型商品の開発のほか、海外向けブランドの「SENN JAPAN」を国内高級スーパーや飲食店に拡販します。なお➁、③についてはDX投資やグループ資源の再配分と最適化、M&Aに取り組みます。

 

不動産事業については、2019年取得の掛川(15億円/9千坪)と袋井(19千坪)が満床状態のため、GLP名古屋守山(6千坪)を賃借して既存顧客を名古屋に移動させて空床を創出したものの、再度満床状態となっており、これ以上の収益改善が難しい状況です。そのため、追加的な不動産取得を検討しているような状況です。


財務面については、掛川取得時の借入で若干悪化したものの、それでも自己資本比率は70.9%と盤石の状況です。上場以来、大局的には増配基調を維持しているものの、進行期に関しては横ばいの年52円配当(配当性向39.8%)を見込んでいます。


*参考記事①  2023-06-23  1,449円 NT

【3172】ティーライフ/高訴求型広告の見直しや光熱費等の原価増影響大きく、未達公算が高い状況。

 

*参考記事② 2022-12-19  1,304円 NT

【3172】ティーライフ/「メタボメ茶」の顧客離れが懸念されるが、株主還元が下支えとなろう。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。

 

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