【3172】ティーライフ(東証プライム) NT
現在値 1,449円/100株 P/E 11.0 P/B 1.04 7月配当優待 1月配当
PB健康茶、化粧品をカタログ、ネットで販売。製品製造など外部委託。
配当金は年2回・合計52円配当のため、配当利回りは3.59%となります。
ティーライフは株主優待制度を導入しており、7月末の単元株主に対して1,000円分の株主優待券を進呈していますので、配当と合算した配当優待利回りは約4.27%となります。
業績を確認していきます。新収益認識基準に移行しています。
■2020年7月期 売上高 105億円、経常利益 5.2億円 EPS 99.0円
■2021年7月期 売上高 117億円、経常利益 9.2億円 EPS 165.8円
■2022年7月期 売上高 127億円、経常利益 8.0億円 EPS 133.4円 新収益
■2023年7月期 売上高 127億円、経常利益 8.5億円 EPS 131.1円 ce新収益
□2023年1月2Q 売上高 68.5億円、経常利益 4.0億円 EPS 64.8円
□2023年4月3Q 売上高 98.9億円、経常利益 5.1億円 EPS 82.2円(6/2)
2023年1月中間期の売上高はYoY+6.7%の68.5億円、経常利益は同▲18.9%の4.0億円となり、計画比は無いものの増収減益となりました。小売事業については「メタボメ茶」の景表法違反で訴求効果の高い広告が打ち辛くなった影響等の減収となったものの、卸売事業はTV通販の「J’s kami高麗」の好調持続で増収を確保したほか、不動産事業も袋井・掛川の高稼働とGLP名古屋守山の稼働率向上で増収となりました。他方で利益面は、全社的に水道光熱費が上昇したほか、為替による原価増も影響して大幅減益となりました。
なお2023年7月期の通期見通しは期初予想を据え置いており、売上高はYoY微減の127億円、経常利益は同+7.1%の8.5億円を予想しています。苦戦中の小売事業は限定プロテインの投入やカタログの刷新で梃入れを図る一方、好調な卸売事業は高単価商品の「J’s kami高麗」をはじめとする各種サプリやザクロ酢など好調品が多くみられることから、卸売が小売りを支えるような格好となります。他方、不動産事業は新設のGLP名古屋守山の転貸・3PL稼働率が上昇しているものの、初期コストや光熱費負担が重くなっています。6月2日開示済の3Qは売上高98.8億円&経常利益5.1億円で進捗しており、未達の公算が高い状況です。
当社は3年ローリング方式で中計を開示しており、最終年度の2025年7月期までに売上高を127→151億円、経常利益を8.0億円→14.5億円まで引き上げる計画としていますが、事実上の下方修正(1年後ろ倒し)という形となります。販売面では景表法違反の影響で従来のように“飲むだけで痩せます”的な訴求型広告戦略の見直しを迫られているほか、利益面では原材料高や光熱費増加による利幅圧迫など、売上と利益両面でダメージを受けている状況です。
中計戦略としては、①差別化戦略、②長期成長投資、③経営基盤の強固化の3点が掲げられています。①については、主要顧客であるミドル~シニアの女性層への販売親和性の高いウイッグの投入にくわえ、50万人程のフォロワーを有するRIKACO氏とのコラボ商品である「NATURE TEA LAB」をリリースしています。➁については、海外市場の本格開拓を企図した緑茶の新ブランド「SENN JAPAN」を立ち上げ、健康志向の高いアメリカ市場を中心に販売していく目論見です。
不動産事業については、2019年に取得した掛川センター(15億円/9千坪)と既袋井(19千坪)が満床状態のため、昨年からGLP名古屋守山(6千坪)を開業しています。名古屋での直接賃貸のほか、掛川・袋井の(西側の)既存顧客を名古屋に移動させるほか、マテハンによる3PL業務の効率化や、転貸先・受託先への水道光熱費転嫁をすすめ、採算性改善を図っています。
財務面については、掛川センター取得の際の借金で若干悪化したものの、好調な足許業績を鑑み、追加的な株主還元に舵を切っています。上場以来、大局的には増配基調を継続しており、進行期は1円の増配の年52円配当(配当性向39.7%)を見込んでいます。進行期業績は未達公算が高いものの、引き続きネット無借金状態であることから、予想配当が維持されるものとみています。
*参考記事① 2022-12-19 1,304円 NT
【3172】ティーライフ/「メタボメ茶」の顧客離れが懸念されるが、株主還元が下支えとなろう。
*参考記事② 2022-06-28 1,390円 NT
【3172】ティーライフ/主力ダイエット茶の景表法違反が痛いが、不動産事業は順調増。
*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。
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