【3172】ティーライフ/主力ダイエット茶の景表法違反が痛いが、不動産事業は順調増。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3172】ティーライフ(東証プライム)  NT

現在値 1,390円/100株  P/E 8.36  P/B 1.05 7月配当優待 1月配当

PB健康茶、化粧品をカタログ、ネットで販売。製品製造など外部委託。
配当金は年2回・合計52円配当のため、配当利回りは3.74%となります。

ティーライフは株主優待制度を導入しており、7月末の単元株主に対して1,000円分の株主優待券を進呈していますので、配当と合算した配当優待利回りは約4.46%となります。

業績を確認していきます。新収益認識基準に移行しています。

■2018年7月期 売上高 72.8億円、経常利益 4.7億円 EPS 99.6円 

■2019年7月期 売上高 92.8億円、経常利益 3.5億円 EPS 57.0円 

■2020年7月期 売上高 105億円、経常利益 5.2億円 EPS 99.0円 

■2021年7月期 売上高 117億円、経常利益 9.2億円 EPS 165.8円 

■2022年7月期 売上高 119億円、経常利益 9.6億円 EPS 166.5円 ce新収益

□2022年1月2Q 売上高 64.2億円、経常利益 4.9億円 EPS 84.1円  

□2022年4月3Q 売上高 92.6億円、経常利益 5.9億円 EPS 100.5円(6/3)  

 

2022年1月中間期の売上高はYoY+14.4%の64.2億円、経常利益はYoY+6.7%の4.9億円となり、予算比は無いものの順調な進捗をマークしました。本業の小売事業については新型肺炎禍の巣ごもり需要の一服で減収し、それに伴って広宣費採算も悪化したため、セグメント赤字に転落しました。他方、卸売事業についてはTV通販で「J’s kami高麗」が依然バカ売れ状態にあるため、大幅な増収増益となりました。また、不動産事業についても新規取得満床稼働に達した袋井・掛川で賃貸区画の拡張を行ったほか、稼働率も改善したため、此方も増収増益を確保しています。


2022年7月期の通期見通しについては、期初予想を据え置いており、売上高がYoY+1.6%増の119億円(新収益基準▲2億円反映)、経常利益は同4.8%増の9.6億円と微増益を予想しています。小売事業については、下期投入の機能性食品「トリプルメタガード」が好始動をみせていることから、巻き返しが期待される一方、主力商品の一角である「メタボメ茶」が景表法違反で3月に排除措置を受けたため、暗い影を落としています。他方、卸売業については、TV通販と「J’s kami高麗」が依然健闘しており、不動産事業も袋井・掛川ともに高稼働を維持しているため、これら2セグが小売事業の穴を埋める公算です。


当社は直前中計で2023年7月期に売上高112億円、経常利益7.6億円を目指していたものの、新型肺炎禍の“巣ごもり”特需で2年前倒しで表記業績をクリアしています。そのため、ローリングした今次中計により、2024年7月期に売上高を117億円→153億円、経常利益を9.2億円→14.5億円まで数字を引き上げることとしています。実際のところ、直前中計も前倒達成した経緯があることから、再増額という形となりますが、今回は置きの数字がかなり強いため、可視性が高くない印象です。特に本年発生した景表法違反で、本業の機能性茶類販売でアグレッシブな広告戦略を採りずらくなり、足元がグラついている印象です。

 

中計戦略としては、①新商品開発による差別化、②MAの活用と海外(特に上海)開拓による外部成長、③DX推進による生産性強化の3点が掲げられています。①については、当社主要顧客層の40代以降のミドル~シニア女性客に親和性が高いヘアケア事業において、つけまつ毛の「natuwig」、闘病患者向けの医療用ウイッグ、専用アプリ「NatuFit」を開発しており、ブランド育成と派生商品の拡大を図ります。③のDXについては、既に取り組んでいて効率化されている部分も大きいものの、伊勢丹への出店等に代表される所謂“OMO戦略”により裾野拡大を狙います。

 

他方、不動産事業については、2019年に約15億円を投じて取得した掛川センター(9千坪)が、既存の袋井(19千坪)とともに満床状態が続いていることから、本年5月よりGLP名古屋守山(6千坪)を開業しています。GLPによる最新鋭の先進型物流施設のため、高額な賃借料負担が重しとはなるものの、機能性に優れた施設のため、外部委託のECや3PLの受託拡大が見込まれるほか、何といっても掛川・袋井の既存顧客の西側への分散させることにより、これら2施設の空床が確保できるなどメリットが少なくありません。


財務面については、掛川センター取得の際の借金で若干悪化したものの、好調な足許業績を鑑み、追加的な株主還元に舵を切っています。上場来、大局的に増配基調を継続してきたものの、前期は年21円の増配となる年51円まで一気に引き上げています。配当性向基準は30%としており、現状では31.2%の年52円配当を予想しています。

 

*参考記事① 2021-11-30  1,341円 OP

【3172】ティーライフ/ロール後の中計は野心的な印象だが、配当性向については実質引き上げか。

 

*参考記事② 2021-05-27 1,428円 OP

【3172】ティーライフ/“巣ごもりデブ”対策でダイエット茶好調、不動産事業も増勢。大増配。

 

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