【3172】ティーライフ(東証プライム) NT
現在値 1,304円/100株 P/E 9.95 P/B 0.96 7月配当優待 1月配当
PB健康茶、化粧品をカタログ、ネットで販売。製品製造など外部委託。
配当金は年2回・合計52円配当のため、配当利回りは3.99%となります。
ティーライフは株主優待制度を導入しており、7月末の単元株主に対して1,000円分の株主優待券を進呈していますので、配当と合算した配当優待利回りは約4.75%となります。
業績を確認していきます。新収益認識基準に移行しています。
■2020年7月期 売上高 105億円、経常利益 5.2億円 EPS 99.0円
■2021年7月期 売上高 117億円、経常利益 9.2億円 EPS 165.8円
■2022年7月期 売上高 127億円、経常利益 8.0億円 EPS 133.4円 新収益
■2023年7月期 売上高 127億円、経常利益 8.5億円 EPS 131.1円 ce新収益
□2022年10月1Q 売上高 31.5億円、経常利益 1.4億円 EPS 22.6円(12/2)
□2022年1月2Q 売上高 67.0億円、経常利益 5.0億円 EPS 94.0円 四e
2022年7月期の売上高はYoY+8.7%の127億円、経常利益は同▲13.4%の8.0億円となり、対前・対予算ともに増収減益となりました。主力の小売事業については、主力商品の一角である「メタボメ茶」が景表法違反で3月に排除措置を受けた影響もあり、セグメント赤字に転落しました。他方、卸売事業についてはTV通販で「J’s kami高麗」が好調にしていることから、大幅な増収増益となりました。また、不動産事業は袋井・掛川ともに高稼働となったものの、GLP名古屋守山に新センターを開設したため、その初期コストが嵩みました。
2023年7月期の予算については、売上高がYoY微減の127億円、経常利益は同+7.8%の8.5億円を予想しています。小売事業については、景表法違反があった「メタボメ茶」の排除措置は一時停止となったものの、“優良誤認”となる可能性を孕むアグレッシブな広告展開が難しくなったことから、顧客離れが懸念されます。他方、卸売業については、「J’s kami高麗」の好調持続と家具・雑貨系商材の伸長、不動産事業は新設した名古屋センターの本格化が見込まれます。
当社は3年ローリング方式で中計を開示しており、最終年度の2025年7月期までに売上高を127→151億円、経常利益を8.0億円→14.5億円まで引き上げる計画としていますが、目標業績自体は1年前の公表水準とあまり変わっていないため、事実上の下方修正(1年後ろ倒し)という形となります。これは先述の景表法違反の影響だけでなく、原材料高や光熱費増加による利幅圧迫など、売上と利益の両面でダメージを受けていることが原因です。
中計戦略としては、①差別化戦略、②長期成長投資、③経営基盤の強固化の3点が掲げられています。①については、主要顧客であるミドル~シニアの女性層への販売親和性の高い医療用ウイッグに、意匠性を高めた新商材の「natuwig+」の投入するほか、RIKACO氏コラボ商品の開発を進めます。また、ダイエット効果等の機能性面では過度な訴求が出来なくなったことから、SNSを活用したインフルエンサーマーケティングなど広告方法を変えて対応する方針です。
他方、不動産事業については、2019年に約15億円を投じて取得した掛川センター(9千坪)が、既存の袋井(19千坪)とともに満床状態が続いていることから、本年5月よりGLP名古屋守山(6千坪)を開業しています。名古屋の直接賃貸のほか、掛川・袋井の(西側の)既存顧客を名古屋に移動させることで、既存賃貸床が空床化されるため、残るテナントの増床ニーズにも対応できるようになります。
財務面については、掛川センター取得の際の借金で若干悪化したものの、好調な足許業績を鑑み、追加的な株主還元に舵を切っています。上場来、大局的には増配基調を継続しており、進行期は1円の増配の年52円配当(配当性向39.7%)を見込んでいます。足許業績動向にはやや暗雲が漂うものの、ネット無借金状態であることから、配当余力は十分にあるものと考えています。
*参考記事① 2022-06-28 1,390円 NT
【3172】ティーライフ/主力ダイエット茶の景表法違反が痛いが、不動産事業は順調増。
*参考記事② 2021-11-30 1,341円 OP
【3172】ティーライフ/ロール後の中計は野心的な印象だが、配当性向については実質引き上げか。
*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。
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