【2752】フジオフードグループ本社/黒字転換濃厚だが回復にモタつく、不採算店を整理中。 | なちゅの市川綜合研究所

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【2752】フジオフードグループ本社(東証プライム) NT

現在値 1,408円/100株  P/E --.- P/B 30.1  12月無配優待 6月優待

大阪地盤に大衆セルフ食堂『まいどおおきに食堂』、セルフ串揚げ店『串屋物語』を全国展開。
配当は既に無配に転落しており、予想も未定となっています。


フジオフードシステムは株主優待制度を導入しており、6月末・12月末に100株以上を保有する株主に対して、3,000円分の金券・自社製品を進呈しておりますので、(配当)優待利回りは約4.26%となります。

業績を確認していきます。2022年12月期より新収益基準に移行しています。

■2020年12月期 売上高 268億円、営業利益▲29.7億円、EPS▲115.8円  

■2021年12月期 売上高 254億円、営業利益▲33.4億円、EPS 16.2円 

■2022年12月期 売上高 265億円、営業利益▲18.8億円、EPS▲77.2円 新収益

■2023年12月期 売上高 308億円、営業利益 5.5億円、EPS▲1.3円 ce修正

□2023年6月2Q 売上高 148億円、営業利益 0.2億円、EPS▲4.3円  

□2023年9月3Q 売上高 222億円、営業利益 3.1億円、EPS▲0.4円(11/14)  

 

2023年6月中間期の売上高はYoY+18.1%の148億円、営業利益はYoY+12.6億円の0.2億円となり、増収増益ながら計画線の進捗となりました。上期の予算前提SSSはFY2019比89%で見込んでいたものの、新型肺炎禍の第5類移行による平常化の進展で、実績SSSはFY2022比で116.3%となり、「まいど(おおきに)」「串家物語」ともに順調な売上回復が確認されました。なお出店は内外で12店を出店しているものの、閉店ペースの方が早く、店舗数は引き続き純減しています。


なお2023年12月期の通期見通しは2Qで微修正しており、売上高がYoY+15.9%の307億円(従予:308億円)、営業利益はYoY+24.3億円の5.5億円(従予:6.4億円)と黒字転換を見込みます。下期の予算前提SSSはFY2019比91%と更に回復する想定ながら、既開示11ヵ月分のSSSはFY2022比で110%強で推移しており、足許はややビハインドにみえます。出店は「ピノキオ」を中心に通期35店の出店を計画しているものの、11月現在で17店と大幅な未達となる公算です。


当社は最終年度を2020年12月期とする5年中計で売上高482億円(CAGR10%)、営業利益46億円(CAGR19%)を計数目標としていたものの取り下げており、以降は中期的な定量目標を公表していません。なお定性面における当面の取組方針として、①既存店舗底上げ、②新業態開発、③人材育成、④FC再拡大の4軸を掲げています。

 

①は苦戦続く既存店の“止血”であり、不採算店撤退を中心としながらも、値上げとメニューミックスの変更、冷凍食材の活用や本部経費削減等で利益率改善を図ります。主力の「まいど」は流行の焼魚注力&品数を絞り込んだ新フォーマットに置き換えるほか、「串屋物語」は価格改定とシフト管理の厳格化で人件費削減に取り組むほか、他社で実績のある配膳ロボットの導入も推進しています。

 

②の新業態開発は、従来通りのマルチ化戦略(業態・立地・価格帯)で蓄積した業種別ノウハウを活用し、ロードサイドやSC、都心部繁華街など立地に最適化した出店を進めます。また、④のFC再拡大は、コメダ風の滞在型喫茶型業態「ピノキオ」を増店する方針ですが、自社(他社)失敗業態からの居抜き転換店が多いため完成度が低く、FCへの訴求度が低い印象です。そのため、当面は既存店の自然回復に頼る構図であり、中長期的な成長可視性は見通しずらい状況が続きます。

 

財務状況については、2021年にDBJ、りそな銀行、東銀リースを相手先に資本性劣後ローンで37億円を調達したほか、LCAO、MAP246、豊田産業を相手先とした自己株処分で8.5億円を調達しています。また、本年2月にはダスキン・藤尾政弘氏・LCAO・MAP246を相手先とする新株予約権と自己株処分で最大40億円を調達する旨を公表しています。このうち大部分を占める新株予約権の行使価格は@1,341円であるものの、行使は然程進捗していない状況です。


*参考記事① 2023-05-26 1,481円 NT

【2752】フジオフードグループ本社/ピノキオの業態力は懐疑的、まずは財務増強を確認したい。

 

*参考記事② 2022-05-11 1,332円 OP

【2752】フジオフードグループ本社/滞在型喫茶ピノキオを急展開も、財務増強は進まず。

 

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