【2752】フジオフードグループ本社(東証プライム) NT
現在値 1,332円/100株 P/E 71.7 P/B 11.4 12月配当優待 6月優待
大阪地盤に大衆セルフ食堂『まいどおおきに食堂』、セルフ串揚げ店『串屋物語』を全国展開。
配当(実績ベース)は12月末一括の2円50銭のため、配当利回りは約0.18%となります。
フジオフードシステムは株主優待制度を導入しており、6月末・12月末に100株以上を保有する株主に対して、3,000円分の金券・自社製品を進呈しておりますので、配当優待利回りは約4.69%となります。
業績を確認していきます。2022年12月より新収益基準(企業会計基準29号)を適用します。
■2018年12月期 売上高 361億円、営業利益 22.5億円、EPS 21.3円
■2019年12月期 売上高 383億円、営業利益 14.5億円、EPS 10.7円
■2020年12月期 売上高 268億円、営業利益▲29.7億円、EPS▲115.8円
■2021年12月期 売上高 254億円、営業利益▲33.4億円、EPS 16.2円
■2022年12月期 売上高 322億円、営業利益 11.3億円、EPS 18.2円 ce新収益
□2022年6月中 売上高 143億円、営業利益▲1.6億円、EPS 5.2円 ce
2021年12月期の売上高はYoY▲5.0%の254億円、営業利益はYoY▲3.3億円の▲33.4億円となり、対計画・対予算とも大きく悪化しました。予算前提SSSはFY2019比でおよそ90%で組んでいたものの、実績SSSは66.8%となり、時短営業影響を大きく受ける格好となりました。なお、営業外で助成金収入を65億円計上したため、最終黒字を確保しています。直営出退店については、計画の純増30店に対し、「まいど(おおきに食堂)」の縮小を進めたため実績は純増3店、FCは純減3店となったため、総店舗数は変わらずの807店となりました。
進行期である2022年12月期の予算については、売上高がYoY+26.8%の322億円、営業利益はYoY+13億円の11.3億円と黒字転換を見込んでいますが、新収益基準移行により一部業務委託店舗の代理人売上が純額計上となるため、▲6~7%の減収を織り込んでいます。予算前提SSSはFY2019 比で90.0%で組むとともに、Q毎では【70→90→100→100%】と尻上がりに復調する想定です。出退店については、直営は「ピノキオ」「まいど」を中心に出店45店・純増35店を見込むほか、FC出店20店、海外出店7店を計画しています。なお、既開示の3ヵ月分の月次によれば、FY2021並みの水準(100%強)で進捗しているため、早くも予算ビハインドとみられます。
当社の直近の中計は2020年12月期を最終年度としていた5年中計「FUJIO2020」であり、計数的には売上高482億円(CAGR10%)、営業利益46億円(CAGR19%)を目指していましたが、新型肺炎なくとも大幅未達となっており、現状で走らせている中計はありません。
今後の中長期的な成長戦略については、基本は従来通りのマルチ化戦略(業態・立地・価格帯)を踏襲し、ロードサイドやSC、都心部繁華街など立地に最適化した出店を進めます。直営事業については、「まいど」でライブ感を演出する焼魚を注力商品に据えたフォーマットや、出来立て感を重視した定食型フォーマットを投入するほか、コメダライクな滞在型喫茶型業態「ピノキオ」を直営・FC問わず展開し、早期の100店体制構築を図ります。
展開方式については、改めてFCを強化する方針であり、新規加盟店獲得だけでなく、既存フランチャイジーに対する改装やテイクアウト・デリバリー、ポイント導入提案にくわえ、新業態出店提案を進め、積極的な増店を図ります。また、海外展開も加速させる方針であり、足許ではフィリピンや上海への出店を果たしたほか、カナダ等の未進出エリアについても出店を進める計画です。
財務状況については、昨年5月にDBJ、りそな銀行、東銀リースを相手先に37億円の資本性の劣後ローンを引いたほか、LCAO、MAP246、豊田産業を相手先とした自己株式の処分8.5億円、および新株予約権19億円分を発行しています。そのため、自己資本比率は17%程度まで回復しているものの、うち新株予約権分はMSワラントと異なり行使価格が1,399円で固定のため、全く行使が進んでおらず、財務増強は“片手落ち”のような状況となっています。
*参考記事① 2021-04-06 1,422円 OP
【2752】フジオフードグループ本社/当面の出店は「デリス」が中心、得意のMAも当面凍結。
*参考記事② 2020-11-14 1,447円 OP
【2752】フジオフードグループ本社/ 中計大幅未達も、財務余力なお厚く“残存者利益”確保へ。
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