【2752】フジオフードグループ本社(東証一部) NT
現在値 1,422円/100株 P/E 177.5 P/B 17.2 12月配当優待 6月優待
大阪地盤に大衆セルフ食堂『まいどおおきに食堂』、セルフ串揚げ店『串屋物語』を全国展開。
配当(実績ベース)は12月末一括の2円50銭のため、配当利回りは約0.17%となります。
フジオフードシステムは株主優待制度を導入しており、6月末・12月末に100株以上を保有する株主に対して、3,000円分の金券・自社製品を進呈しておりますので、配当優待利回りは約4.39%となります。
業績を確認していきます。
■2017年12月期 売上高 359億円、営業利益 26.0億円、EPS 33.6円
■2018年12月期 売上高 361億円、営業利益 22.5億円、EPS 21.3円
■2019年12月期 売上高 383億円、営業利益 14.5億円、EPS 10.7円
■2020年12月期 売上高 268億円、営業利益▲29.7億円、EPS▲115.8円
■2021年12月期 売上高 349億円、営業利益 1.0億円、EPS 7.7円 ce
□2021年6月中 売上高 155億円、営業利益▲7.0億円、EPS 0.9円 ce
2020年12月期の売上高は前期比30.2%減の268億円、営業利益は同赤転の▲29.7億円となり、中間時点で開示した通期見通しを下回って着地しました。前提となる既存店売上高については、3Q期間を70%、4Q期間を85%でセットし直していましたが、新型肺炎の再拡大にともない年末12月にかけて尻すぼみとなったことが未達要因です(12月単月は64.5%)。また直営出退店については、当初出店40店を見込んでいたものの結局29店を出店し、一方で「かっぽうぎ」や「つるまる」といいった展開数の少ない業態の不採算店閉鎖を推進したことにより、純減21店(前期は純増35店)となりました。
進行期である2021年12月期の予算については、売上高が30.3%増の349億円、営業利益は同黒転の1.0億円を予想しています。上期までは新型肺炎禍の影響を織り込んでおり、下期から改善する想定していく下、予算前提の既存店売上高については、通期で90%水準(2019年12月期との比較)でセットしています。出退店については、「デリス」を中心に出店50店計画ながら純増ベースでは30店見込みのため、「まいど(おおきに食堂)」の店舗数を維持する一方、新型肺炎禍の影響を受けやすいビュッフェ型の「串屋物語」については退店を進めるものとみられます。なお、既に開示されている2ヵ月分の月次によれば、2020年との比較で64%水準に留まっていることから、1Q計画の65%(2019年比較)に対して大きくビハインドしているものと判断されます。
終わった2020年12月期は、途中で大幅に下方ローリングした上で作り直した5年中計である「FUJIO2020」の最終年度の位置付けであり、売上高482億円(CAGR10%)、営業利益46億円(CAGR19%)を目指していましたが、新型肺炎禍の影響があってもなくても未達成となりました。トップラインから未達だったものの、本中計期間には2018年に関西を中心にサバ節ラーメン業態を25店舗展開する「サバ6製麺所」を買収したほか、2019年に沖縄でステーキハウス「SAM’S」を運営するグレートイースタン社と、手打ち蕎麦の「土山人」を運営する暮布土屋社を相次いで買収しています。昨今のステーキブームを背景に、「SAM’S」については派生業態となる「まーさん!!ステーキ」という「いきなり!ステーキの」インスパイア系業態の開発まで済ませています。
今後の中長期的な成長戦略については、基本は従来通りのマルチ化戦略(業態・立地・価格帯)を踏襲し、ロードサイドやSC、都心部繁華街など立地に最適化した出店を進めます。特に新型肺炎禍を意識して、テイクアウト適性の高い「デリス」の出店を進めるほか、「まいど」の持ち帰り弁当の強化や朝食営業の開始、「さち福や」における遊休時間帯のスイーツ強化を掲げています。新店については、改めてFC方式を強化するほか、フィリピンやカナダ、上海といった海外の未進出エリアについてもFC方式による負担の軽い形で進出を図る方針です。
財務状況については、1年前との比較で2,000bps.程低い14.6%まで落ち込んでいますが、実績期では無配転落せずに19円50銭の減配となる年2.5円配の有配に踏みとどまりました。ただ財務余力がかなりタイト化しており、会社側は当面は不要不急のMAは見送ることとしていることから、いよいよ無配転落が避けられない状況かと思われます(現状では配当未定)。
*参考記事① 2020-11-14 1,447円 OP
【2752】フジオフードグループ本社/ 中計大幅未達も、財務余力なお厚く“残存者利益”確保へ。
*参考記事② 2018-04-18 970円 *分割修正済 OP
中計下方も、“次のステージ”への移行に期待・フジオフードシステム(2752)。
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