【2752】フジオフードグループ本社/ピノキオの業態力は懐疑的、まずは財務増強を確認したい。 | なちゅの市川綜合研究所

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【2752】フジオフードグループ本社(東証プライム) NT

現在値 1,481円/100株 P/E 6,439.13 P/B 42.9  12月無配優待 6月優待

大阪地盤に大衆セルフ食堂『まいどおおきに食堂』、セルフ串揚げ店『串屋物語』を全国展開。
配当は既に無配に転落しており、予想も未定となっています。


フジオフードシステムは株主優待制度を導入しており、6月末・12月末に100株以上を保有する株主に対して、3,000円分の金券・自社製品を進呈しておりますので、(配当)優待利回りは約4.05%となります。

業績を確認していきます。2022年12月期より新収益基準に移行しています。

■2020年12月期 売上高 268億円、営業利益▲29.7億円、EPS▲115.8円  

■2021年12月期 売上高 254億円、営業利益▲33.4億円、EPS 16.2円 

■2022年12月期 売上高 265億円、営業利益▲18.8億円、EPS▲77.2円 新収益

■2023年12月期 売上高 308億円、営業利益 6.4億円、EPS▲0.25円 ce
□2023年3月1Q 売上高 74.4億円、営業利益▲0.2億円、EPS▲2.1円(5/15)  

□2023年6月2Q 売上高 149億円、営業利益 1.1億円、EPS▲2.7円 ce  

 

2022年12月期の売上高はYoY+4.2%の265億円、営業利益はYoY+14.5億円の▲18.8億円となり、増収増益ながら対計画は大幅未達となりました。予算前提SSSは平時の9割程度で見込んでいたものの、上期の時短営業や酒類提供制限が響き、実績SSSは2021年比で110.7%と想定以下となったほか、原価面の食材や水光熱費の上昇で利益は均衡圏まで届きませんでした。出退店については、計画の純増35店に対して、純減14店の793店となりました。


進行期である2023年12月期の予算については、売上高がYoY+16.2%の308億円、営業利益はYoY+25.2億円の6.4億円と黒字転換を見込みます。予算前提SSSはFY2019比で90.0%(1H89%、2H91%)組んでいるほか、出退店は直営はフードコートの「ピノキオ」を中心に出店35店を見込んでいます。既開示4ヵ月分のSSSはFY2022比120%弱で推移しているほか、5月15日の1Q決算は売上高74.4億円&営業益▲0.2億円のため、概ね計画線と進捗と解されます。


当社は最終年度を2020年12月期とする5年中計で売上高482億円(CAGR10%)、営業利益46億円(CAGR19%)を計数目標としておりましたが、途中で取り下げています。それ以来中期的な目標を公表していないものの、定性面における当面の取組方針としては、①既存店舗底上げ、②新業態開発、③人材育成、④FC再拡大の4軸を掲げています。

 

①の既存店は、不採算店撤退を中心としながらも、値上げやメニューミックスの変更、冷凍麺等活用や本部経費削減等により利益率の改善を図ります。主力の「まいど」では、流行の焼魚定食にフォーカスして品数を絞り込んだ新モデル業態の出店に置き換えます。また、全業態において、新型肺炎禍以降の昼・夜間人口動態の変化(所謂ピークタイムの平準化)に適合すべく、最適なシフト構成と人件費の最適化を図ります。

 

②の新業態開発は、従来通りのマルチ化戦略(業態・立地・価格帯)で蓄積した業種別ノウハウを活用し、ロードサイドやSC、都心部繁華街など立地に最適化した出店を進めます。また、④のFC再拡大については、コメダライクな滞在型喫茶型業態である「ピノキオ」を中心に増店する方針ですが、既存業態で失敗した離脱FC店舗の“受け皿”としての活用例も間々みられるほか、業態の完成度が低く、FC訴求力も弱い印象です。そのため、当面は①の直営既存店の自助回復に頼る構図であり、現状では中長期の成長が見通せない状況にあります。

 

財務状況については、2021年にDBJ、りそな銀行、東銀リースを相手先に37億円の資本性の劣後ローンを引いたほか、LCAO、MAP246、豊田産業を相手先とした自己株式の処分で8.5億円を調達しています。また、本年2月にはダスキン・藤尾政弘氏・LCAO・MAP246を相手先とする新株予約権と自己株処分で最大40億円を調達する旨を公表しており、大部分を占める新株予約権の行使価格は@1,341円のため、目下の株価水準から行使進捗が期待されます(※足許の自己資本比率は7.2%)。


*参考記事① 2022-05-11 1,332円 OP

【2752】フジオフードグループ本社/滞在型喫茶ピノキオを急展開も、財務増強は進まず。

 

*参考記事② 2021-04-06 1,422円 OP

【2752】フジオフードグループ本社/当面の出店は「デリス」が中心、得意のMAも当面凍結。 

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。

 

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