【2418】ツカダ・グローバルホールディング/ホテル回復想定超だが、婚礼受注は回復鈍い。 | なちゅの市川綜合研究所

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【2418】ツカダ・グローバルホールディング(東証スタンダード)  NT

現在値 379円/100株   P/E 4.58  P/B 0.72 6月優待 12月無配優待

欧米風邸宅での挙式・披露宴を行う婚礼が主力。ハワイ等でも展開。
配当は6月末・12月末の年2回であり、年10円配当を予想しています。


ツカダ・グローバルホールディングは株主優待制度を導入しており、6月末・12月末現在の単元株主に対して、自社施設利用割引券(30%引き)を進呈しています。

業績を確認していきます。

■2020年12月期 売上高 271億円、経常利益▲112.2億円 EPS▲222.8円 

■2021年12月期 売上高 334億円、経常利益▲54.5億円 EPS▲126.8円 

■2022年12月期 売上高 516億円、経常利益 47.5億円 EPS 31.4円 

■2023年12月期 売上高 583億円、経常利益 47.1億円 EPS 82.8円 ce修正

□2023年6月2Q 売上高 268億円、経常利益 21.6億円 EPS 42.7円 

□2023年9月3Q 売上高 396億円、経常利益 25.6億円 EPS 48.6円(11/9) 

2023年6月中間期の売上高はYoY+19.1%の268億円、経常利益はYoY+61.8%の21.6億円となり、対前・対計画で増収増益となりました。主力の婚礼事業は、ペントアップ正常化で期初の受注残高はYoY▲15.7%の7,100件だったものの、受注消化自体は順調に進んだため、催行件数はYoY+1.3%の4,899件となりました。またホテル事業についても、空港客需要が多い品川周りに物件が多いことからインバウンド回復の恩恵を受けたものの、W&R事業はQueensway不採算店閉鎖影響で横ばい止まりとなりました。

 

なお2023年12月期の通期予想は2Qで増額しており、売上高がYoY+12.8%の583億円(期予:579億円)、経常利益はYoY+0.3%の47.7億円(期予:41.7億円)に修正しています。婚礼事業の上期受注高は前年並みを確保しているものの、単価の戻りが鈍く収益性が低下している一方、ホテル事業のインバウンドの回復が強く、OCC・ADRともに想定超で推移していることから、“入り繰り”での増額となります。またQueenswayは店舗数減、フィットネスが低位となるW&R事業は横ばい圏となります。

 

当社は中長期的な業績目標を公表していないものの、期初公表の「今後の事業戦略」によれば、①本部機能集約、②全方位型婚礼戦略、③リエンジニアリング、④人的資本投資の4点を掲げています。①は全国各拠点に点在していたマーケティング、経営企画、管理機能を全て統合し、全社横断で効率化とブランディング強化を図ります。②は挙式それ自体に重きを置かない客層が増えたため、非日常感をテーマとした大型写真館を開設し、写真挙式や前撮り需要を囲い込みます。

 

③のリエンジニアリングはエネルギーコストや人件費等の各種コストの増加で収益性低下が著しいため、不採算店の閉鎖を進めます。例えば大型チャペルを有する旗艦物件である青山セントグレース大聖堂の隣地に1バンケットを増設し、チャペルのフル稼働化と1物件あたり収益の最大化を図るほか、バンケット意匠性や個室を活かした婚礼外需要(七五三、顔合わせ、誕生日、季節性イベント)の獲得を目指します。

 

財務面については、新型肺炎禍前から配当をかなり絞っていたほか、各種助成金の受領もあり、自己資本比率は28.7%と十分な水準を維持しています。そのため、進行期より配当金を巡行水準の年10円(配当性向12%)に復元させる予定となっています。なお、塚田一族の保有割合が減らないことから流動性基準を満たせず、上場市場部をプライムからスタンダードに指定替えしています。


*参考記事① 2022-06-11  355円 OP

【2418】ツカダ・グローバルHD/婚礼受注残の売上顕在化進むが、会社予算は過大な印象。

 

*参考記事② 2021-11-20 320円 OP

【2418】ツカダ・グローバルホールディング/見通し再減額も大底圏か、財務的には持ち堪える。

 

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