【9778】ブックオフグループHD/中計は前倒しで達成、足許コスト増だが順調な拡大が続こう。 | なちゅの市川綜合研究所

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【9778】ブックオフグループホールディングス (東証プライム) OP

現在値 1,037円/100株  P/E 12.8  P/B 1.09  5月配当優待 

中古本首位のブックオフの持株会社。総合化志向、ECの連携強化。大型出店加速は要検討。
配当金は5月末一括の25円配当のため、配当利回りは2.41%となります。

ブックオフグループHDは株主優待を導入しており、5月末の単元株主に対して2千円分の自社商品券を進呈しておりますので、配当優待利回りは約4.33%となります。なお3年以上の長期保有により進呈額が2.5千円分にグレードアップし、その場合の配当優待利回りは約4.82%となります(※別途アンケートの回答により3百円分の付与あり)。

業績を確認していきます。変則決算となります。

■2021年5月期 売上高 935億円、経常利益 25.0億円 EPS 9.0円 14m変則

■2022年5月期 売上高 915億円、経常利益 23.0億円 EPS 82.0円 

■2023年5月期 売上高 1,018億円、経常利益 25.7億円 EPS 140.1円 

■2024年5月期 売上高 1,060億円、経常利益 30.0億円 EPS 80.9円 ce
□2023年8月1Q 売上高 261億円、経常利益 5.2億円 EPS 15.6円(10/12)

□2022年11月2Q 売上高 530億円、経常利益 13.0億円 EPS 35.4円 四e

2023年5月期は売上高はYoY+11.3%の1,018億円、経常利益は+31.8%の30.4億円となり、対前・対予算で増収増益となりました。予算前提SSSは101%と横ばい前提だったものの、により、全月で対前クリアして110.9%となりました。商材別では、“巣ごもり”一巡で書籍が続落となったものの、注力中のトレカ・ホビーが144.8%と大きく続伸したほか、アパレル・ブランドも続伸しました。他方で利益面については、社員の待遇改善や最低時給上昇による人件費増、営業外で助成金剥落があったものの、増収でカバーしました。


進行期である2024年5月期の予算は、売上高がYoY+4.1%の1,060億円、経常利益はYoY▲1.3%の30.0億円を予想しています。予算前提SSSは前年ハードルが低い上期107%&下期は101%で通期104%見当としています。商材別では引き続きトレカ・ホビーが好調を維持するほか、アパレルや富裕層向けの高額品買取(ブランド品)も底堅い推移が見込まれます。他方で売上比での商品ミックスの悪化や、IT投資増、人件費増といったコスト増により、経常利益は微減想定となります。


当社の属するリユース市場はFY2022の3.0兆円から、FY2025には3.5兆円に想定超のペースで拡大しており、2025年5月期を最終年度とする4箇年中計で(平準化想定の)経常利益が倍増の24.0億円を目指していたものの、早期に達成しています。そのため、今回ロールした中計を策定しており、計画終期である5年後のFY2028迄に経常利益を1.5倍の45.0億円にまで引き上げる計画を公表しています。

 

取組事項として、①国内BOF事業は当社における集客と好採算の“書籍”を改めて中核商材として定義付けし、適正値付けや検索性能強化、在庫の可視化といった商品性の強化を図ります。従前中計では300万人規模だったアプリ会員も、終わった期で643万人と計画超のペースで増加しており、本年5月からのロイヤリティプログラムのローンチにより、来店増と高単価化を図っています。

 

②プレミアムサービス事業については、これまで当社が対応しきれてきなかったアッパーマス層~富裕層に焦点を当て、百貨店内買取店舗の“ハグオール”や、高年収エリアでの“総合買取窓口”、駅チカ等の高トラフィックエリアでの“aidect”の出店を強化する方針であり、FY2028までに41店舗→100店舗に増店します。③海外事業については、日本国内では選好されないリユース品を、マレーシアやカザフスタンで再販する事業を拡大させており、高い採算性が見込まれることから、FY2028に50店/FY2033に100店と大量出店を計画しています。

他方、財務面については剰余金の積み上げが進んだため、自己資本比率は37.6%まで改善しています。配当予想は横ばいとなる年25円配(配当性向30.9%)を見込んでいますが、公表は配当性向を30~35%としていることから、財務改善と好業績を背景に引き続き増配余地があるものと考えています。

 

*参考記事① 2022-11-04  1,140円 OP

【9778】ブックオフグループHD/アプリ誘因施策奏功で、中計は前倒し達成へ。早くも増配含みか。

 

*参考記事② 2021-10-06 979円 NT

【9778】ブックオフグループHD/“巣ごもり需要”満喫も、正常化なら営業効率の低下懸念も。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。

 

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