【9778】ブックオフグループHD/アプリ誘因施策奏功で、中計は前倒し達成へ。早くも増配含みか。 | なちゅの市川綜合研究所

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【9778】ブックオフグループホールディングス (東証プライム) OP

現在値 1,140円/100株  P/E 15.5  P/B 1.35  5月配当優待 

中古本首位のブックオフの持株会社。総合化志向、ECの連携強化。大型出店加速は要検討。
配当金は5月末一括の20円配当のため、配当利回りは1.75%となります。

ブックオフグループHDは株主優待を導入しており、5月末の単元株主に対して2千円分の自社商品券を進呈しておりますので、配当優待利回りは約3.50%となります。なお3年以上の長期保有により進呈額が2.5千円分にグレードアップし、その場合の配当優待利回りは約3.94%となります(※別途アンケートの回答により3百円分の付与あり)。

業績を確認していきます。変則決算となります。

■2020年3月期 売上高 843億円、経常利益 18.9億円 EPS 13.8円 

■2021年5月期 売上高 935億円、経常利益 25.0億円 EPS 9.0円 14m変則

■2022年5月期 売上高 915億円、経常利益 23.0億円 EPS 82.0円 

■2023年5月期 売上高 950億円、経常利益 23.0億円 EPS 73.3円 ce

□2022年8月1Q 売上高 237億円、経常利益 6.6億円 EPS 32.9円(10/13)
□2022年11月2Q 売上高 455億円、経常利益 9.8億円 EPS 31.4円 四e

2022年5月期は売上高はYoY▲2.1%の915億円、経常利益は▲8.0%増の23.0億円となり、12ヶ月決算に復帰するため単純比較出来ないものの、実質ベースでは対前・対予算で増収増益となりました。予算前提SSSは横ばい前提も、既存店改装効果等の発現により、全月で対前クリアして107.4%となりました。商材別では、“巣ごもり”一巡で書籍が反落も、注力中のトレカ・ホビーが161%と大きく伸長したほか、アパレルも回復しました。他方で利益面については、通常営業化により人件費・水道光熱費等のコストが復元したものの、トップラインで飲み込んだ形となります。


進行期である2023年5月期の予算は、売上高がYoY+3.8%の950億円、経常利益はYoY▲0.3%減の23.0億円を予想しています。前年ハードルが低い上期は好調&下期横ばいの前提で通期SSSは101%と微増を見込んでいます。商材別では引き続きトレカ・ホビーの好調継続や回復の続くアパレルが牽引するほか、富裕層向けの高額品買取(ブランド品)も拠点増加効果により大幅増を見込みます。他方、社員の待遇改善や最低時給上昇による人件費増、IT投資の推進、営業外での助成金剥落により、経常利益は微減想定となります。


当社の属するリユース市場はFY2018の2.1兆円から、FY2025には3.2兆円まで順調に拡大していくことが見込まれることから、2025年5月期までの4ヵ年中計において(平準化想定の)経常利益を12.0億円→24.0億円まで引き上げる方針です。取組事項としては、中計前半の2~3ヵ年はP/Lを凹ませて、IT・マーケティングに大規模投資をすることとしており、ECサイト刷新・POS刷新・庫内システム強化・アプリ強化を進めます。

 

当初300万人を擁するアプリ会員も、2023年5月期に600万人まで伸長させる計画ですが、クーポン配信等による会員獲得施策の足許519万人まで順調に拡大しています。アプリ会員は、従来型のカード会員比で年間買上額&年内リピート率が其々3倍超と顕著なアップセルが確認されることから、本年からはロイヤリティプログラムを実装し、上顧客化を推進します。

 

なお実店舗については、大型店SUPER BAZZERを1~2店/年、エンタメ店への改装を3~4店/年、高額品含む買取窓口を7~9店/年出店するほか、全米展開を志向するBOOKOFF USAも1~2店/年の出店を継続します。これらの取組から、今次中計に掲げる経常利益24.0億円は十分に走破圏にあるものと考えており、前倒しでの超過達成も視野に入ります。

他方、財務面については剰余金の積み上げが進んだため、自己資本比率は35.1%まで改善しています。配当は終わった期で一気に14円増配したこともあり、配当予想は横ばいの年20円配(配当性向27.3%)を見込んでいますが、公表は配当性向を30~35%としていることから、財務改善と好業績を背景に増配余地があるものと考えています。

 

*参考記事① 2021-10-06 979円 NT

【9778】ブックオフグループHD/“巣ごもり需要”満喫も、正常化なら営業効率の低下懸念も。

 

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