【8960】ユナイテッド・アーバン投資法人/ホテル回復進み、実力ベースEPU3,400円が射程。 | なちゅの市川綜合研究所

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【8960】ユナイテッド・アーバン投資法人(東証REIT) OP

 

現在値 149,800円/1株 P/E 22.5  P/NAV0.91  5月分配 11月分配 


丸紅をスポンサーとする総合型。2010年にNCIを吸収合併、用途・地域分散を強調。
予想分配金は年2回の合計6,700円配で、分配金利回りは約4.47%となります。


業績を確認していきます。

■2021年11月期_第36期 営業収益 228億円、経常利益 73.2億円 DPU 3,100円

■2022年05月期_第37期 営業収益 241億円、経常利益 96.2億円 DPU 3,112円

■2022年11月期_第38期 営業収益 244億円、経常利益 96.6億円 DPU 3,144円

■2023年05月期_第39期 営業収益 250億円、経常利益 99.3億円 DPU 3,204円

□2023年11月期_第40期 営業収益 253億円、経常利益 101.4億円 DPU 3,300円ce修正

□2024年05月期_第41期 営業収益 252億円、経常利益 104.5億円 DPU 3,400円ce

 

2023年5月期_第39期の落着については、営業収益は第38期比+2.5%の250億円、経常利益は同+2.7%の99.3億円、DPUは同+101円の3,204円上振れ着地しました。オフィス期末稼働率の前提は97.5%に対し97.0%と低調も、巡行時8割水準の回復を見込んでいたホテルはRevPARの回復が想定超となったほか、第38期取得物件の巡行化や期初取得のグランルージュ城東、札幌米里物流(計26.4億円/NOI4.7%)も寄与し、あすと長町・札幌篠路壱番館の譲渡益剥落を補って増配となりました。

 

進行中である2023年11月期_第40期の見通しも修正しており、営業収益は第39期比+1.0%の253億円(従予:246億円)、経常利益は同+2.2%の101.4億円(従予:93.1億円)、DPUは同+96円の3,300円(従予:3,164円)に増額しています。オフィス期末稼働率は97.0%→96.9%と微減前提ながら、好調なホテルはRevPAR前提は横引きます。また、第39期末取得の大阪ベイタワー10%(26.3億円/NOI4.0%)、グランダ宮の森(14.2億円/NOI5.8%)が巡行化するほか、グランルージュ栄の譲渡益310百万円を計上します。


今回公表の2024年5月期_第41期の予想については、営業収益が第40期比▲0.1%の252億円、経常利益が同+3.1%の104億円、DPUが同+100円の3,400億円を予想しています。第40期取得物件の巡行化にくわえ、ホテルの回復基調継続のほか、川崎の一棟貸しビルも解約前のためオフィス稼働率も一定水準に留まります。栄の譲渡益が剥落する一方、旧KDDI府中ビル底地売却を予定していますが、此方の譲渡益はゼロの前提です。

 

当法人の投資論点は日本コマーシャル投資法人(NCI)を合併した際に生じた内部留保(100億円弱)の活用で安定分配する一方、ハイピッチで物件売却も進めており、含み益顕在化との合わせ技(NCI合併起因のRTA同様に、配当準備積立金方式で自由度のある内部留保が可能)で、出来上がりの分配金を仕上げています。

 

DPUはフロア3,100円としていたものの、ホテル市況の回復により、内部留保や譲渡益を除いた実力ベースEPUの切り上がりが鋭角的になっており、2024年5月期には目標の1年前倒しで3,400円に達する見通しです。他方、その次の2024年11月期に組入上位物件(5位)である川崎東芝ビルの東芝デバイス&ストレージへの一棟貸しが解約となるため、再営業なのか売却なのかが次の焦点となります。

 

*参考記事① 2022-10-26  145,700円 OP

【8960】ユナイテッド・アーバン投資法人/自社株買い合わせ技で、巡行3,100円の奪回が視野。

 

*参考記事② 2022-04-13  139,600円 OP

【8960】ユナイテッド・アーバン投資法人/KDDI府中を減損、EPU3,100円の回復待ち。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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