【8960】ユナイテッド・アーバン投資法人/自社株買い合わせ技で、巡行3,100円の奪回が視野。 | なちゅの市川綜合研究所

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【8960】ユナイテッド・アーバン投資法人(東証REIT) OP

 

現在値 145,700円/1株 P/E 24.9  P/NAV0.90  5月分配 11月分配 


丸紅をスポンサーとする総合型。2010年にNCIを吸収合併、用途・地域分散を強調。
予想分配金は年2回の合計6,200円配で、分配金利回りは約4.26%となります。


業績を確認していきます。

■2020年11月期_第34期 営業収益 239億円、経常利益 96.5億円 DPU 3,119円 

■2021年05月期_第35期 営業収益 242億円、経常利益 98.4億円 DPU 3,182円

■2021年11月期_第36期 営業収益 228億円、経常利益 73.2億円 DPU 3,100円

■2022年05月期_第37期 営業収益 241億円、経常利益 96.2億円 DPU 3,112円

□2022年11月期_第38期 営業収益 240億円、経常利益 91.3億円 DPU 3,100円ce修正

□2023年05月期_第39期 営業収益 238億円、経常利益 91.0億円 DPU 3,100円ce

 

2022年5月期_第37期の着地については、営業収益が第36期比+6.0%の241億円、経常利益が同+31.4%の96.2億円、DPUが同+12円の3,112円と若干上振れました。新大阪や新横浜の大口テナント解約影響があったものの、オフィスの期末稼働率想定95.3%に対して96.7%で着地したほか、KDDI府中ビルの一部譲渡・六番町Kビルの譲渡・飯田橋プラーノの期中取得は何れも計画外だったことから上振れました。他方、大幅増益となるものの、内部留保取崩額を第36期比で22億円程減額したほか、上記物件の売却益を内部留保したため、出来上がりの分配金は横ばい圏となっています。

 

進行中である2022年11月期_第38期の見通しも増額しており、営業収益は第37期比▲0.5%の240億円(従予:233億円)、経常利益は同▲0.4%の91.3億円(従予:86.2億円)、DPUは同▲12円の3,100円を見込んでいます。オフィス期末稼働率は96.7%と横ばい前提も、第37期取得物件のフル寄与と、一定のホテルRevPARの回復を織り込みます。また、6月にあすと長町デンタルクリニックを売却(譲渡益4.5億円)するとともに、KIC狭山日高DCとガリバー八王子を取得したため、これらが一部寄与します。

 

今回公表の2023年5月期_第39期の予想については、営業収益は第38期比▲0.8%の238億円、経常利益は同▲0.4%の91.0億円、DPUは横ばいの3,100円を見込んでいます。新型肺炎禍の一巡により、ホテルRevPARは巡行時の7割程度、オフィス稼働率も98.3%まで回復する前提とするものの、解約含みの商業稼働率は98.8%→97.5%に低下する見込みです。なお、直近10月にアムール横浜(15.7億円/NOI4.1%)を取得しており、此方は計画未織込となっています。

 

当法人の投資論点は日本コマーシャル投資法人(NCI)を合併した際に生じた内部留保(100億円)活用による安定分配であり、翌2023年5月期_第39期までは機動的な吐き出しで3,100円を分配金のフロアとし、運用上振れ時は+αで増配する方針としています。併せてハイピッチで物件売却も進めており、含み益顕在化との合わせ技(NCI合併起因のRTA同様に、配当準備積立金方式で自由度のある内部留保が可能)で、出来上がりの分配金を仕上げることが可能となっています。

 

実力ベースであるEPUは、この6ヵ月で100円程切り上がって2,900円強とみられ、内部留保吐き出し無しでEPU3,100円を達成(EPU=DPU)となるのは、第40期頃となる公算です。一応、この9~10月で30億円程(0.63%)の自社株買いを実施&即消却したことから、足許のホテル回復のモメンタムを考慮すれば、蓋然性はやや高まっているような印象も受けます。

 

*参考記事① 2022-04-13 139,600円 OP

【8960】ユナイテッド・アーバン投資法人/KDDI府中を減損、EPU3,100円の回復待ち。

 

*参考記事② 2021-10-19 142,100円 OP

【8960】ユナイテッド・アーバン投資法人/物件入替進むが、当面は厚い内部留保が頼り。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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