【8923】トーセイ(東証プライム) BY
現在値 1,907円/100株 P/E 9.01 P/B 1.14 11月配当優待
マンション開発から出発し、不動産流動化へ。都心に事業基盤。
配当金は11月の年1回、合計64円のため、配当利回りは約3.36%となります。
トーセイは株主優待制度を実施しており、11月時点の単元保有株主に対して、当社運営ホテルの共通宿泊券3,000円相当を1枚進呈しておりますので、単元保有時想定配当優待利回りは約4.92%となります。また、継続保有期間1年超・2年超・5年超でクオカードを1千円・2千円・3千円別途進呈していますので、長期保有により同利回りは約6.50％超となります。
業績を確認していきます。IFRSとなります。
■2020年11月期 売上高 639億円、税前利益 64.2億円、EPS 76.1円
■2021年11月期 売上高 617億円、税前利益 103億円、EPS 142.6円
■2022年11月期 売上高 709億円、税前利益 127億円、EPS 181.6円
■2023年11月期 売上高 793億円、税前利益 148億円、EPS 210.9円ce(10/31)
□2023年5月2Q 売上高 528億円、税前利益 120億円、EPS 172.3円
□2023年8月3Q 売上高 667億円、税前利益 136億円、EPS 196.5円(10/5)
2023年5月中間期の売上高はYoY+21.4%の528億円、税前利益はYoY+34.1%の120.7億円となり、予算比はないものの増収増益となりました。再生事業はJREから60億円超で取得した大塚トーセイビルⅡの再販が寄与したほか、リーシングが進捗した賃貸事業、AUM拡大の続くファンド事業も大増勢となりました。また、端境期で案件が減少する開発事業も町田レジ一棟売りが寄与して増収増益で折り返したほか、ホテル事業の稼働率も9割水準となり、全セグで強含みとなりました。
なお2023年11月期の通期落着見通しを10月末に公表しており、売上高はYoY+11.7%の793億円(期予:850億円)、税前利益はYoY+16.0%の148億円(期予:140億円)を見込んでいます。当初売却を予定していたとみられる青梅物流施設の売却を翌期送りにしたため、トップラインは想定以下となるものの、好調な個人向け区分販売やAUM積み上げの進むファンド事業の貢献、9月に最大規模となる築地銀座プレミアを開業させたホテル事業の牽引により、期初計画を超える利益を確保する目途が立ったものと解されます。
進行期は中計の最終年度であり、この3ヵ年で売上高を617億円→1,000億円、税前利益を103億円→140億円まで其々引き上げる計画でしたが、売上こそ届かないものの、利益計画は一年前倒しで達成となる見通しです。今次中計での取組事項は、新規投資高1,930億円の実行と、その投資原資のために自己資本比率を36.5％→34.8％、ネットD/Eを0.9倍→1.27倍まで許容し、レバを積極活用します。他方、棚卸以外のストック資産を300億円ほど積み増し、固定資産を800億円強まで増やす計画です。
業績の原資となる仕入れは進行期計画820億円/年のところ、902億円/年と超過状態となっており、一棟賃貸レジや戸建用地などを中心に仕入れが順調に進んでいます。他方、仕入れの“出口”となる傘下REITに対しては、2021年に28億円分の増資を引き受けたほか、本年6月にも追加で4億円を投じ、持分を15.1％に引き上げてコミットメントを強化しています。
ファンド事業についても、外資マネーを背景に私募ファンドの受託物件が積み上がっており、昨秋には住友商事が入居する大手町プレイスの政府保有床4,364億円を落札しています(注：主要出資者はヒューリック)。本件がこの1QよりAM受託開始となったため、足許ベースのAUMは2.34兆円に達しており、こちらも中計最終目標の2.3兆円を超過しています。
株主還元については、今次中計で配当性向を30%水準まで切り上げることとし、上方修正後で13円増配の年64円配(同30.2％)を予想しています。なお会社側では、現在の含み益を考慮した0.7倍台のNAV倍率と、管理事業やファンド事業をSOTPで計算した潜在的企業価値を3,780円と試算していることから、引き続き増配や自社株買い等のアクションが期待出来るものとみています。
*参考記事① 2023-04-10 1,460円 BY
【8923】トーセイ/AUM2.3兆円が射程、会社側試算の実質BPSは3,464円に達する。
*参考記事② 2022-10-27 1,333円 BY
【8923】トーセイ/大手町プレイス政府保有床を4,000億円で落札、AUMは急拡大へ。
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