【8923】トーセイ(東証プライム) BY
現在値 1,460円/100株 P/E 7.34 P/B 0.93 11月配当優待
マンション開発から出発し、不動産流動化へ。都心に事業基盤。
配当金は11月の年1回、合計60円のため、配当利回りは約4.11%となります。
トーセイは株主優待制度を実施しており、11月時点の単元保有株主に対して、当社運営ホテルの共通宿泊券3,000円相当を1枚進呈しておりますので、単元保有時想定配当優待利回りは約6.16%となります。また、継続保有期間1年超・2年超・5年超でクオカードを1千円・2千円・3千円別途進呈していますので、長期保有により同利回りは約8%超となります。
業績を確認していきます。IFRSとなります。
■2020年11月期 売上高 639億円、税前利益 64.2億円、EPS 76.1円
■2021年11月期 売上高 617億円、税前利益 103億円、EPS 142.6円
■2022年11月期 売上高 709億円、税前利益 127億円、EPS 181.6円
■2023年11月期 売上高 850億円、税前利益 140億円、EPS 198.6円ce
□2022年2月1Q 売上高 310億円、税前利益 64.8億円、EPS 93.5円(4/5)
□2022年5月2Q 売上高 450億円、税前利益 96.0億円、EPS 135.7円 四e
2022年11月期の売上高はYoY+14.9%の709億円、税前利益はYoY+23.8%の127億円となり、柱の再生事業は、昨年12月に傘下REITに本厚木と千葉中央オフィス、東久留米レジなど合計7物件を58.8億円で売却し、子会社の中古区分販売も堅調に推移したものの、一部物件の売却先送りで減益となりました。他方、開発事業は戸田分譲や青梅物流、尾山台や緑が丘商業の売却で大幅増益、賃貸事業も物件増で増益となり、ファンド事業についてもAUMを3千億円増の1.7兆円超まで積み増し、AMFeeが伸長しました。
進行期である2023年11月期の予算については、売上高がYoY+19.8%の850億円、税前利益はYoY+9.8%の140億円を見込んでいます。再生事業は大塚トーセイビルⅡなど20億円級の大型物件を多く販売する計画であり、12月の期初時点で既に160億円を引き渡しています。また、リーシングが進捗する賃貸事業、AUMの漸増傾向続くファンド事業ともに好伸が見込まれる一方、端境期で案件減少する開発事業は減益の想定です。なお、4月5日開示済の1Q決算については、売上高310億円&税前利益64.8億円と高進捗が確認されます。
進行期は中計の最終年度であり、この3ヵ年で売上高を617億円→1,000億円、税前利益を103億円→140億円まで其々引き上げる計画でしたが、売上高こそ届かないものの、利益計画は達成可能圏とみられます。今次中計の取組事項は、新規投資高1,930億円の実行と、その投資原資のために自己資本比率を36.5%→34.8%、ネットD/Eを0.9倍→1.27倍まで許容し、レバを積極活用する方針です。他方、安定収益源となる棚卸以外の固定資産も300億円ほど積み増し、800億円強に増やす計画です。
2021年には傘下REITの28億円分の増資を引き受け、持分を14.4%をまで増やしたほか、ファンド事業についても、外資マネーを背景に私募ファンドの受託物件が積み上がっており、昨秋には住友商事が入居する大手町プレイスの政府保有床4,364億円を落札しています(注:主要出資者はヒューリック)。本件がこの1QよりAM受託開始となったため、足許ベースのAUMは2.25兆円にまで達しており、最終目標の2.3兆円を射程に捉えています。
他方、株主還元については、今次中計で配当性向を30%水準まで切り上げる方針としていたことから、進行期では9円増配となる年60円配(同30.2%)を予想しています。なお会社側は現状のP/NAV06倍台のバリュエーションには納得しておらず、管理事業やファンド事業、含み益をSOTPで計算した潜在的企業価値を3,464円と試算していることから、引き続き自社株買い等のアクションが期待出来るものとみます。
*参考記事① 2022-10-27 1,333円 BY
【8923】トーセイ/大手町プレイス政府保有床を4,000億円で落札、AUMは急拡大へ。
*参考記事② 2022-04-15 1,114円 BY
【8923】トーセイ/AUMの積み上がり急で足許1.5兆円水準へ、野心的中計も走破圏。
*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。
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