【8923】トーセイ/AUMの積み上がり急で足許1.5兆円水準へ、野心的中計も走破圏。 | なちゅの市川綜合研究所

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【8923】トーセイ(東証プライム市場)  BY

現在値 1,114円/100株  P/E 6.67  P/B 0.79  11月配当優待 

マンション開発から出発し、不動産流動化へ。都心に事業基盤。
配当金は11月の年1回、合計47円のため、配当利回りは4.22%となります。

トーセイは株主優待制度を実施しており、11月時点の単元保有株主に対して、当社運営ホテルの共通宿泊券3,000円相当を1枚進呈しておりますので、単元保有時想定配当優待利回りは約6.91%となります。また、継続保有期間1年超・2年超・5年超でクオカードを1千円・2千円・3千円別途進呈していますので、長期保有により同利回りは約8~9%超となります。

業績を確認していきます。IFRSとなります。

■2019年11月期 売上高 607億円、税前利益 120億円、EPS 176.4円 

■2020年11月期 売上高 639億円、税前利益 64.2億円、EPS 76.1円

■2021年11月期 売上高 617億円、税前利益 103億円、EPS 142.6円 

■2022年11月期 売上高 800億円、税前利益 120億円、EPS 166.4円 ce

□2022年2月1Q 売上高 263億円、税前利益 54.2億円、EPS 76.1円(4/5) 

□2022年5月2Q 売上高 450億円、税前利益88.0億円、EPS 126.4円 四e

 

2021年11月期の売上高はYoY▲3.5%の617億円、税前利益はYoY+74.6%の103億円となり、計画比減収も利益は大幅に上振れました。柱の再生事業は、傘下REIT向けが減少したものの、関内オフィス・市川商業・清瀬一棟レジ・伊皿子リノベ区分などが寄与して増収増益となった一方、開発事業については蓮田物流や相模原区分店舗の売却があったものの、マンション分譲が一棟も無く反落となりました。また、賃貸事業も固定資産売却による賃収減、ファンド事業もAUMが3千億円増の1.4兆円超まで成長したものの、前期の一過性AMFeeが剥落したため減収となりました。


進行期である2022年11月期の見通しについては、売上高がYoY+29.6%の800億円、税前利益はYoY+16.5%の120億円を予想しています。再生事業については、昨年12月に傘下REITに対して本厚木と千葉中央のオフィス、東久留米レジなど合計7物件を58.8億円で売却済であるほか、子会社化したプリンセスグループ(※後述)もあり増収を見込みます。また開発事業についても、戸田の分譲マンションや青梅物流、尾山台と緑が丘商業、戸建分譲の増加により大幅な増収増益見込みです。賃貸事業も固定資産増加による賃収増、ファンド事業も一過性の仲介スポットFeeがほぼ無くなるものの、AUM増により増収を確保します。

 

進行期は3年中計の中間年度となっており、最終年度の2023年11月期に売上高617億円→1,000億円、税前利益103億円→140億円まで其々引き上げる計画です。具体的には向こう3年間で2,530億円もの新規投資を目標に仕入れを積極化する方針であり、その代わりに想定自己資本比率は36.5%→34.8%、ネットD/Eは0.9倍→1.27倍とそれぞれ悪化を見込むなど、レバレッジも活用していく方針です。他方、収益安定化のために固定資産の取得も推進していく方針であり、340億円程積み増して900億円弱にまで増やす計画です。

 

また、昨年12月には傘下REITの28億円(@137,084円)の第三者割当増資を引き受け、持分を9.1%→14.4%まで増やすなどコミットメントを強化したほか、昨年9月には区分中古マンションのリノベ再販を行うプリンセスグループを買収し、区分再販事業にも本格進出しています。他方、ファンド事業についても、旺盛な外資マネーの受け皿として私募ファンド受託が足許でも急速に積み上がっていることから、引き続き安定的なAMFee収入の増加が期待されます。そのため、これらの上乗せにくわえて、棚卸資産も既に1,330億円確保していることから、中計の数字目標は野心的ではあるものの十分に達成可能とみています。


他方、株主還元については、今次中計で最終的に配当性向を30%水準まで切り上げる方針としており、とりあえず進行期も9円増配となる年47円配を予想しています。然しながら会社側は現状のP/NAV0.6倍台のバリュエーションには納得していないことから、これとは別に自社株買いをする意向が確認されるほか、業績上振れによる増配公算も高いため、期末にかけて更に充実されるものとみています。

 

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