【3544】サツドラHD/食品取扱強化等の“ラインロビング”には規模不足感、被買収期待。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3544】サツドラホールディングス (東証スタンダード)  OP

現在値 768円/100株  P/E 35.4  P/B 1.22 5月配当株主優待 

北海道地盤のドラッグストア。道内2位、食品・日用品強い。

配当は5月一括の10円配のため、配当利回りは1.30%となります。

サツドラホールディングスは株主優待制度を導入しており、5月15日時点で1単元株を保有する株主対して、1,000円分のギフトを進呈していますので、その場合の優待利回りは約2.60%となります(このほか3単元・9単元・45単元で優待進呈額の拡充あり)

業績を確認をしていきます。

■2021年5月期 売上高 832億円 営業利益 6.4億円 EPS 41.7円 

■2022年5月期 売上高 829億円 営業利益 7.4億円 EPS 23.0円 

■2023年5月期 売上高 874億円 営業利益 2.9億円 EPS 6.3円 

■2024年5月期 売上高 950億円 営業利益 10.0億円 EPS 21.7円 ce

□2023年8月1Q 売上高 239億円 営業利益 2.2億円 EPS 6.7円 (9/20)
□2023年11月2Q 売上高 450億円 営業利益 4.5億円 EPS 20.3円 四e

2023年5月期の売上高はYoY+5.5%の874億円、営業利益は同▲59.9%の2.9億円となり、期初予想を大きく下回りました。新型肺炎の5種移行にともなう衛生関連用品が後退したほか、生活防衛意識の高まりによる買い控えや、インバウンドの回復も想定以下だったことから、DS業態のSSSは99.9%と前年割れとなりました。原価面についても、仕入原価高騰や光熱費の上昇のあおりを受けたほか、消毒剤等で多額の在庫評価損計上を強いられました。

 

進行期である2024年5月期の予算については、売上高がYoY+8.6%の950億円、営業利益は同*3.3倍の10.0億円を予想しています。主力のDS業態については、出店9店ながらも純増ベースではゼロ圏に留める方針であり、基本的には既存店の生鮮売場導入といった改装を進めます。5ヶ月分開示済のDS業態のSSSは110%弱と高位となっており、足許のインバウンドの回復が底上げしているとみられます。尚、9月20日に開示済の1Qは売上高が239億円&営業利益が2.2億円と概ね計画線で進捗しています。

 

当社は2026年5月期を最終年度とする中計において、5年間で売上高を832億円→1,200億円、営業利益を6.5億円→36億円まで引きあげる計画としており、計数的にはかなり意欲的な内容となっています。基本戦略として①本格的なESLP(≒EDLP)の推進、②「EZOCA」を核とした地域戦略、③コラボ戦略の3点を内部成長施策として掲げる一方、出店による外部成長施策については特段触れておらず、当面は既存店の梃入れに注力する方針とみられます。

 

①は日々同価格戦略のほか、食料品取扱いといった今日日のDgSでよく見られる“ラインロビング”戦略を採っています。目下では光熱費高騰により逆風となっているものの、当社は更にプロセスセンターの導入を進めるほか、100円均一商品も取扱開始しており、総合化を推進しています。②ではアプリの会員数拡大と機能拡充のほか、背後のビッグデータ活用によるマーケティングを実施するほか、③は包括提携先のコープさっぽろとの共同仕入れや物流統合を推進します。

 

財務面については、自己資本比率は20.3%と見栄えはしないものの一定の水準を維持しており、配当金は横ばいの年10円配当(配当性向46%)を予想しています。DgSではツルハに次いで道内2位ながらも圧倒的に小規模な当社は、“ラインロビング”戦略による総合化を志向しつつ単独での生き残るのは困難と考えており、被買収や同業他社との資本業務提携が否応なく意識されます。

 

*参考記事① 2021-10-02 735円*分割遡及修正済 OP

【3544】サツドラHD/インバウンド全振りの中計は不発、新中計は立て直しの5年間に。

 

*参考記事② 2019-10-17 583円*分割遡及修正済 OP

本業外での拡大意向が強く、中計目標に過大感・サツドラHD(3544)。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。

 

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