【9287】ジャパン・インフラファンド投資法人/九電管内の出力制御痛い、次回POは不透明な状況。 | なちゅの市川綜合研究所

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【9287】ジャパン・インフラファンド投資法人(東証インフラ) Not Rated

現在値 91,000円/1株  P/E  30.7  P/B 1.06 5月分配 11月分配

丸紅をメインスポンサーとするインフラファンド。サブスポンサーはみずほ銀行、みずほ信託。
予想分配金は5月・11月の年2回の合計5,990円配のため、分配金利回りは約6.58%となります。

業績を確認していきます。

■2021年11月期_第4期 営業収益 11.0億円、経常利益 3.05億円 DPU 2,953円 

■2022年05月期_第5期 営業収益 15.2億円、経常利益 3.04億円 DPU 2,980円 

■2022年11月期_第6期 営業収益 20.0億円、経常利益 4.88億円 DPU 3,005円

■2023年05月期_第7期 営業収益 25.5億円、経常利益 4.42億円 DPU 2,980円

□2023年11月期_第8期 営業収益 26.8億円、経常利益 6.31億円 DPU 3,010円ce修正  

□2024年05月期_第9期 営業収益 26.7億円、経常利益 4.79億円 DPU 2,980円ce  
 

2023年5月期_第7期の着地については、営業収益が第6期比+27.5%の25.1億円、経常利益は同▲9.5%の4.42億円、DPUは同▲25円の2,980円(うち利益超過分配;OPD1,812円)となり、予算を下回りました。12月に4th_PO(※後述)により大幅増収となったものの、本来は季節要因で減収期となるほか、再エネ発電設備が増加している九州電力管内で出力制御を余儀なくされたため、想定発電量の95%強の実績となりました。なお、夏場を挟む第6期比でOPDを748円積み増し、減価償却費P/Oレシオは56.2%まで増加しました。


進行期である2023年11月期_第8期の見通しも微修正しており、営業収益は第7期比+12.3%の28.6億円(従予:28.6億円)、経常利益は同+42.8%の6.31億円(従予:6.27億円)、DPUは同+30円となる3,010円(従予:3,010円、うちOPD1,329円)を見込んでいます。既に9月まで開示されている月次によれば、引き続き九電管内で出力制御影響を受けているものの、夏場の発電量の“貯金”があるため、概ね計画線とみられます。尚、第7期比でOPDを483円削減し、減価償却費P/Oレシオを42.4%に削減させます。

 

今回開示の2024年5月期_第9期の予想は、営業収益が第8期比▲6.8%の26.7億円、経常利益は同▲24.1%の4.79億円、DPUは同▲30円の2,980円(うちOPD1,705円)を予想しています。季節要因で構造的減収となるものの、第6期実績との比較では増収予想のため、出力制御影響を見込んでいないとみられます。なお、夏場を挟む第8期比でOPDを376円積み増し、対減価償却費のP/Oレシオは52.5%に増加させる計画です。

 

当法人は昨年末に4th_POを実施しており、約106億円(@88,529円)を調達し、5物件・196.4億円分を取得しています。上場来年1回以上となる連続POで、資産規模は上場時の約5.6倍に到達し、当初は北陸電力管内で8割超という“一本被れ”の状態から物件分散が進んだものの、皮肉にも上場後から取得した九電物件で出力制御を受ける格好になっています。なおLTVの46.6%は他社比なお低位であり、R&Iは最高格のA格を維持しています。

 

当法人は中期目標として現在の資産規模500億円超(152.8MW)を1,000億円まで拡大される方針であり、丸紅・プロスペックAZ・みずほ丸紅リースといったスポンサー各社のパイプラインは、150MWを確保しています。ただし当初目論見に反して、利益配当金割合が減少&OPDが増加基調にあるほか、アクリーティブに成長できてないことから、次回のPO実施可否は不透明な状況です。

 

*参考記事① 2023-04-08 91,300円 Not Rated

【9287】ジャパン・インフラファンド投資法人/LTV活用で連続PO実施も、分配金成長は低位。

 

*参考記事② 2022-11-05 95,900円 NR

【9287】ジャパン・インフラファンド投資法人/僅か半年で連続PO、当面はレバ余力活用で成長か。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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