【9287】ジャパン・インフラファンド投資法人(東証インフラ) Not Rated
現在値 95,900円/1株 P/E 31.3 P/B 1.09 5月分配 11月分配
丸紅をメインスポンサーとするインフラファンド。サブスポンサーはみずほ銀行、みずほ信託。
予想分配金は5月・11月の年2回の合計5,882円配のため、分配金利回りは約6.20%となります。
業績を確認していきます。なお、11月4日付で3rd_POがローンチされていますが、本エントリーではレビュー対象外です。
■2020年11月期_第2期 営業収益 6.01億円、経常利益 1.83億円 DPU 2,977円
■2021年05月期_第3期 営業収益 8.90億円、経常利益 1.90億円 DPU 2,950円
■2021年11月期_第4期 営業収益 11.04億円、経常利益 3.05億円 DPU 2,953円
■2022年05月期_第5期 営業収益 15.25億円、経常利益 3.04億円 DPU 2,980円
□2022年11月期_第6期 営業収益 19.90億円、経常利益 4.59億円 DPU 3,001円 ce修正
□2023年05月期_第7期 営業収益 18.12億円、経常利益 3.10億円 DPU 2,952円 ce
2022年5月期_第5期の着地は、営業収益が第4期比+38.1%の15.25億円、経常利益は同▲0.2%の3.04億円、DPUは同+27円の2,980円(うち利益超過分配;OPD1,590円)となりました。トップラインについては1st_PO取得物件の巡行化で季節要因を打ち消したほか、発電量自体は計画超となったものの、売電単価の高い北海道・東北等の発電所で降雪影響を受けたことで予算割れとなりました。利益面については、修繕費が増加したものの、保険金収入でカバーし、予想比のDPUは30円増となりました。
進行期の2022年11月期_第6期の予算については、営業収益が第5期比+30.5%の19.90億円(従予:17.01億円)、経常利益は同+50.8%の4.59億円(従予:3.85億円)、DPUは同+21円の3,001円(従予:2,932円、うちOPD1,174円)に修正しています。季節要因の増収と、6月2日の3rd_PO(※後述)で4物件・出力合計13.2MWを55億円で取得したことによる上乗せが寄与します。他方、増資等による利益分配金割合の増加により、閑散期の第5期比でOPDを▲416円削減し、対減価償却費のP/Oレシオは36.9%に減少(良化)します。
今回開示の2023年5月期_第7期の予想については、営業収益が第6期比▲8.9%の18.1億円、経常利益は同▲32.6%の3.1億円、DPUは同▲49円となる2,932円(うち利益超過分配;OPD1,721円)を見込んでいます。3nd_PO取得物件が巡行化するものの、季節要因により減収します。なお、夏場を挟む第6期比でOPDを547円積み増し、対減価償却費のP/Oレシオは54.1%に増加(悪化)します。
当法人は昨年末に3rd_POを実施しており、約27億円(@86,726円)を調達し、4物件・55.0億円分を新規取得しています。前回POから僅か6ヵ月という連続POで、資産規模は上場時の約3.7倍に到達し、北陸電力管内の“一本被れ”状態だった偏在リスクが更に分散し、ポートフォリオの全国分散が進みました。他方、今次POでも再度レバレッジを活用したため、45.1%→46.2%へ上昇していますが、平均52%程度の他インフラファンドよりはなお低位に留まっており、R&Iは他社比最高格のA格を維持しています。
当法人は中期的に現在の資産規模300億円超(90.0MW)を1,000億円まで膨らませる目標を掲げていますが、丸紅・プロスペックAZ・みずほ丸紅リースといったスポンサー各社のパイプラインは、200MWを確保しています。然しながら、目下の太陽光発電市場の物件価格高騰で利回り目線が下がっていることから、太陽光以外のその他再エネ物件や、その他インフラ資産でも取得しない限り外部成長は難しいとみられ、当面はレバ頼りの成長になろうかと思われます。
*参考記事① 2022-04-16 91,500円 OP
【9287】ジャパン・インフラファンド投資法人/2nd_POで資産規模安定化も、超過分配も多い。
*参考記事② 2021-10-12 100,000円 OP
【9287】ジャパン・インフラファンド投資法人/固定資産税費用化が重く、利益超過分配が更に上昇。
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