【8341】七十七銀行(東証プライム) OP
現在値 3,245円/100株 P/E 9.42 P/B 0.44 3月配当株主優待 9月配当
仙台拠点で東北最大の地銀。預貸率向上が課題。仙台再開発に照準。
配当は年2回・合計105円のため、配当利回りは約3.24%となります。
七十七銀行は株主優待制度を実施しており、1年以上保有を継続する3月末の3単元株主に対して、3,000円相当の地元特産品やクオカードを進呈していますので、配当優待利回りは約3.54%となります。
業績を確認していきます。
■2021年3月期 経常収益 1,199億円、最終利益 164億円 EPS 222.9円
■2022年3月期 経常収益 1,181億円、最終利益 222億円 EPS 300.8円
■2023年3月期 経常収益 1,220億円、最終利益 250億円 EPS 338.7円
■2024年3月期 経常収益 (未定)億円、最終利益 255億円 EPS 344.6円 ce
□2023年6月1Q 経常収益 380億円、最終利益 84.8億円 EPS 114.5円(7/28)
□2023年9月2Q 経常収益 (未定)億円、最終利益 140億円 EPS 189.2円 ce
2023年3月期の経常収益はYoY+3.2%の1,220億円、最終利益はYoY+12.6%の250億円となり期初予想を上回りました。積極的な資金供給により法人向け、個人向け住宅ローンともに順調に増加し、末残はYoY+5.5%の5兆4,225億円となったほか、貸出金利回りもYoY+4.0bp.の0.86%に改善しました。利益面については、新型肺炎禍の引当金一巡もあり、与信費用はYoY▲34億円の12億円まで減少したほか、拠点数及び行員数減少基調の継続による経費率改善により2桁増益となりました。
進行期である2024年3月期の予算については、トップライン未公表も最終利益はYoY+1.7%の255億円を見込んでいます。事業性融資拡大による貸出増を見込む一方、貸出金利は底這い前提(YoY+1.0bp.)、与信費用はYoY+3億円の15億円を見込みます。手数料等の役務取引利益の減少や外貨調達コスト増を見込むものの、受取利息配当金増加・運用益改善・経費率の改善により、最終利益は微増予想となります。尚、7月28日開示済の1Qは最終益85億円で推移しており、計画線の推移と解されます。
当社は2031年3月期を最終年度とする10年長計で、コアOHRを62.27%→50%台への改善、最終利益を165億円→280億円に引き上げる計画です。利益改善+115億円の内訳は、貸出と役務取引等のオーガニックで+130億円、各種業務効率化で+80億円、その他で為替影響・債権利息減少のバッファ及び税金増で▲95億円を見込みます。前半5ヵ年の中間目標として、2026年3月期までに最終利益210億円&コアOHR50%後半を目標としていましたが、大幅な過達状態となっています。
今次中計での取組事項は①シェア拡大、②生産性向上、③地域支援、④風土改革の4点が挙げられています。①は県内主要行シェアの引き上げ(52%→62%)を目指し、ビジネスマッチングやM&A、事業承継の紹介拡大にくわえ、ストファイやシ・ローンの提供拡大など高付加価値型コンサル営業に取り組んでいます。②は“店舗内店舗”の導入により、直近3年で130店→123店→116店に削減している一方、本年8月には域外の宇都宮に営業所を新設しています。また、域内企業や行員のデジタル人材化推進のため、地銀他行では見られない“七十七デジタルソリューションズ”を新設しています。
他方で株主還元については、これまで配当性向20%前後での還元を継続してきたものの、本年1月に「配当性向30%」という還元ポリシーを新たに設定し、この2024年3月期までに段階的に引き上げます。そのため、年50円水準だった配当金は、進行期で倍以上となる年105円まで増配されることとなり、これ以上の追加還元は次期中計を待つことになります。
*参考記事① 2022-10-07 1,780円 OP
【8341】七十七銀行/配当ポリシーの変更で大幅増配、翌期年90円配までは既定路線か。
*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。