【3178】チムニー(東証プライム) OP
現在値 1,391円/100株 P/E 67.1 P/B 6.33 3月配当優待 9月株主優待
居酒屋『はなの舞』『さかなや道場』を直営・FC展開。
配当基準日は3月末・9月末ですが、現状未定となっています。
チムニーは株主優待を導入しており、3月末・9月末に単元株を保有する株主に対し、各3,000円の食事券を進呈しておりますので、(配当)優待利回りは約4.31%となります。
業績を確認していきます。
■2021年3月期 売上高 132億円、経常利益 ▲45.3億円 EPS▲467.8円
■2022年3月期 売上高 101億円、経常利益 35.5億円 EPS 63.6円
■2023年3月期 売上高 201億円、経常利益▲16.3億円 EPS▲104.5円
■2024年3月期 売上高 250億円、経常利益 8.0億円 EPS 20.7円 ce修正
□2023年6月1Q 売上高 60.6億円、経常利益 2.3億円 EPS 7.5円(8/9)
□2023年9月2Q 売上高 122億円、経常利益 4.0億円 EPS 10.3円(8/9)
2023年3月期の売上高はYoY*2.0倍の201億円、経常利益はYoY▲48億円の▲16.3億円となり、2Qの減額見通し並みの水準で着地しました。春先は回復したものの、夏場の感染再拡大で期央は低調に推移し、期末にかけて再度回復した結果、通期SSSはYoY153.1%と想定以下となりました。利益面については、人件費・水道光熱費高騰のほか、受取助成金の剥落(▲78億円分)影響が大きく、経常利益は大幅減となりました。出退店は「はなの舞」「さかなや道場」を中心に退店超となり、上期末の展開店舗数は純減36店の507店となりました。
進行中の2024年3月期の通期見通しは1Qで増額しており、売上高はYoY+24.0%の250億円(期予:230億円)、経常利益はYoY+24億円の8.0億円(期予:5.0億円)に増額しています。正常化にともなう外食需要の回復が顕著であり、9月までの6ヵ月累計分まで既開示のSSSは155.2%と想定超で推移しています。出退店については、不採算店のクローズが一巡していることから、店舗数は概ね横ばいを見込み、既存店の改装に注力します。8月9日に開示済の1Qは売上高60.6億円&経常益2.3億円と修正予算比でもなお強含みの状況です。
当社は中長期的な経営計画を公表していないものの、当面の取組事項として①既存店を中心とした店舗収益向上、②コントラクト・専門業態拡大、③外販・アライアンスの拡大、の3点を挙げています。①は個店毎のFLRP管理による採算管理の厳格化や、インフレ対応を企図したメニュー刷新だけでなく、からあげ商材の強化やYou Tuberコラボ商品の開発で商品性向上を図ります。このほか、ランチ需要の取込やネコ型配膳ロボットの導入のほか、宴会需要の“残存者利益”の獲得を目指します。
②は既存の大箱系の総合居酒屋を、特化型の専門業態に転換を進めます。新型魚業態の「魚星」では、豊洲市場の買参権と店内生け簀により高単価・高付加価値化しているほか、買収した傘下の事業会社が展開する「新橋 やきとん」や「豊丸」の出店を推進します。コントラクトは、相手方施設・設備利用のため低投資で展開出来ることから、極楽湯等の食事処の運営受託をしており、店舗数を94店まで積み上げています。
財務状況については、新型肺炎禍の助成金収入で自己資本比率は23%超に回復しています。3期連続の営業赤字のため、継続企業前提には重要事象の記載があるものの、親会社であるやまやの信用力もあることから、MAや新規出店にも十分耐えられる調達能力があるものと解されます。なお、進行期の配当予想は未定としているものの、このまま黒字で着地した場合、年5円~10円程度の復配が想定されます。
*参考記事① 2023-03-01 1,163円 NT
【3178】チムニー/減額後見通しも達成可視性は低め、助成金剥落で赤転も有配継続か。
*参考記事② 2022-09-03 1,220円 NT
【3178】チムニー/助成金剥落も財務体質の改善が進む、他社比では買収・出店余力も。
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