【3178】チムニー/減額後見通しも達成可視性は低め、助成金剥落で赤転も有配継続か。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3178】チムニー(東証プライム) NT

現在値   1,163円/100株  P/E --.-  P/B 4.98  3月配当優待 9月株主優待

居酒屋『はなの舞』『さかなや道場』を直営・FC展開。
配当基準日は3月末・9月末ですが、現状未定(直近実績は年10円)となっています。

チムニーは株主優待を導入しており、3月末・9月末に単元株を保有する株主に対し、各3,000円の食事券を進呈しておりますので、(配当)優待利回りは約5.15%となります。

業績を確認していきます。

■2020年3月期 売上高 411億円、経常利益 0.3億円 EPS▲146.4円 

■2021年3月期 売上高 132億円、経常利益 ▲45.3億円 EPS▲467.8円

■2022年3月期 売上高 101億円、経常利益 35.5億円 EPS 63.6円

■2023年3月期 売上高 200億円、経常利益▲15.0億円 EPS▲88.1円ce修正

□2022年9月2Q 売上高 88.0億円、経常利益▲14.2億円 EPS▲82.0円

□2022年12月3Q 売上高 144.9億円、経常利益▲15.4億円 EPS▲89.9円(2/9)

2022年9月中間期の売上高はYoY*3.0倍の88.0億円、経常利益はYoY▲47億円の▲14.2億円となり、大増収も予算比未達となりました。春先は経済活動の正常化が進んだ一方、6月以降の感染再拡大でキャンセルが増加し、8月の夏休みまで低調に推移した結果、上期SSSはYoY152.6%と想定以下となりました。利益面についても、受取助成金の剥落(▲58億円分)影響が大きく、経常利益は大幅減となりました。出退店は「はなの舞」「さかなや道場」を中心に退店超となり、上期末の展開店舗数は純減17店の526店となりました。

 

なお2023年3月期の通期見通しを2Q前に修正しており、売上高はYoY*2.0倍の200億円(期予:240億円)、経常利益はYoY▲50億円の▲15.0億円(期予:3.0億円)に減額しています。前期から店舗数が減少していたため、既存店が相当程度戻る想定で増収計画を組んでいたものの、低調だった上期業績を織り込みます。他方、当初計画では出退店は純増ゼロ圏ながら実際は退店超となっているほか、下期の売上想定は据え置いているとみられるため、修正見通しの達成もやや不透明な状況です。

 

当社は中長期的な経営計画を公表していないものの、当面の取組事項として①既存店を中心とした店舗収益向上、②コントラクト・専門業態拡大、③外販・アライアンスの拡大、の3点を挙げています。①はインフレ対応も兼ねたメニュー刷新のほか、陸上養殖サーモンや近畿大学が開発した鰤と平政の配合養殖魚“ぶりひら”といった高付加価値メニューの提供による客単価向上を図っています(さかなや道場ではメニュー改定後の客単価が約10%増)。このほか、内外装改装、持ち帰り推進、2業態ハイブリッド出店等の取組を進めます。

 

②は、宴会対応可能な大人数席も設けた従来型の「はなの舞」「さかなや道場」を、少人数・低価格帯居酒屋の「安べえ」や、ファミリー向け和食業態「はなの屋」に業態転換する一方、新型魚業態の「魚星」や焼肉業態の「牛星」など特化型の専門業態の出店を推進します。特に「魚星」では、豊洲市場の買参権と店内生け簀を活かした高付加価値化を図っています。コントラクトは、相手方施設・設備利用のため低投資で展開出来ることから、極楽湯等の食事処の運営受託をしており、この“裏方”店舗数も92店規模まで積み上げています。

 

財務状況については、前期に約63億円の助成金収入があったことから、自己資本比率は20%超に回復しており、手許現金も100億円(長短借入金は120億円)あることから、資金繰りは特段問題が無いものとみられます。継続企業前提には重要事象の記載があるものの、(スポンサーであるやまやの“後ろ盾“)も含め、同業他社比で安定的な状況にあることから、引き続きMAや新規出店にも十分耐えられる状況にあると考えており、目下の配当予想は未定ながらも年5円~10円程度であれば配当維持が可能とみます。

 

*参考記事①  2022-09-03 1,220円 NT

【3178】チムニー/助成金剥落も財務体質の改善が進む、他社比では買収・出店余力も。

 

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