【9658】ビジネスブレイン太田昭和 (東証プライム) OP
現在値 2,122円/100株 P/E 1.71 P/B 0.89 3月配当優待 9月配当
コンサルやシステム開発受託。会計システムに強み。情報セキュリティも。
配当は3月末・9月末の年2回・計72円配当のため、配当利回りは3.39%となります。
ビジネスブレイン太田昭和は株主優待制度を導入しており、3月末時点で単元株を1年超保有する株主に対して、1,000円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約3.86%となります。
業績を確認していきます。2022年3月期よりIFRSに移行しています。
■2021年3月期 売上高 290億円、営業利益 24.0億円、EPS 140.2円
■2022年3月期 売上高 323億円、営業利益 27.4億円、EPS 148.6円
■2023年3月期 売上高 370億円、営業利益 32.0億円、EPS 159.0円
■2024年3月期 売上高 340億円、営業利益 205.9億円、EPS 1,206円ce修正(7/31)
□2023年6月1Q 売上高 85.3億円、営業利益 185.8億円、EPS 1,101円(7/31)
□2023年9月2Q 売上高 160億円、営業利益 191.9億円、EPS 1,111円ce修正(7/31)
2023年3月期の売上高はYoY+14.6%の370億円、営業利益はYoY+16.9%の32.0億円で着地し、対前・対計画で増収増益となりました。期初受注残高は過去最高の112億円を有していたこともあり、主力のコンサル/SIer事業については、DX構築・セキュリティ分野で好調を維持したほか、不調だったPLM分野も顧客の裾野拡大で復調しました。また、BPO事業は決済関連の大型案件が剥落したものの、不採算案件終了や外資企業向けが堅調に推移しました。なお、買収したジョイワークスとBSCが通期貢献となり、売上高で25億円程がオンされています。
進行期である2024年3月期の通期予算は1Q時点で修正しており、売上高がYoY▲8.3%の340億円、営業利益はYoY*6.4倍の205.9億円を予想しています。期初の受注残高はYoY+23.9%の139億円と過去最高を更新しており、コンサル/SIer分野の会計・システム開発といった単体領域の順調な拡大が見込まれるほか、BPO事業も昨年開設した鹿児島拠点によるキャパシティ増により、ニーズ増加中の人事給与領域の取込みが進みます。なお、5月に子会社のグローバルセキュリティエキスパート(GSX、4417)の株式を追加売却しているだけでなく、持分法落ちにともなう時価評価影響で、営業利益が“仮膨れ”しています。
当社は長期計画として、2031年3月期迄に売上高1,000億円&営業利益100億円、その手前の2024年3月期に売上高400億円&営業利益34億円を目指す計画としていました。然しながら、旗艦子会社で会計システムの脆弱性診断やサイバーセキュリティ教育を手掛けるGSX(4417)を株式を、当初保有の85%から40%程(連結子会社→持分法適用)に落としたことにより、見た目の業績剥落が大きくなっているものの、会社側では“なかりせば”ベースでは売上高・利益ともに実質達成可能圏にあるという見解を示しています。
主力のコンサル/SIer事業と、BPO事業の割合を現行ままの7対3とし、全社戦略としてシナジー強化やMAとアライアンス強化、ブランディング強化を挙げており、ロゴやタグラインを一新したほか、本社も日比谷にある三井物産の新築ビルに移転しています。2021年4月には機関システムやローコード開発を行い、社員120余名を擁する大阪のBSC(年商15億円)を買収しており、手薄な西日本エリアの開拓を進めます。
BPOはセゾン情報システム(9640)から事業買収したほか、コンサル/SIer事業の顧客基盤を土台に、2021年には4億円を投じてWebアプリやスマホアプリ、ネットワーク構築等のIT関連事業を手掛けるジョイワークス(年商10億円)を買収しています。会社側としては、旗艦子会社のGSXが、伸び盛りのセキュリティ分野ということもあって相俟って自走出来ることから“手離れ”させる一方、足りないパーツをM&Aで補完して中長期的な業容拡大を図る方針と考えられます。
財務状況については、GSX時価評価影響もあり、自己資本比率は65.1%と高水準となっています。なお配当については、配当性向方針を30%→40%(一過性除く)に引き上げており、13期連続の増配となるYoY+24円の年72円配当を見込んでいますが、終わった期は10億円(6.32%)の大規模な自社株買いを買い切った実績があるため、進行期についても追加買付が期待されます。
*参考記事① 2022-08-13 1,427円 OP
【9658】ビジネスブレイン太田昭和 /中計・長計達成に向け買収続く、業績は順調に拡大。
*参考記事② 2022-03-02 1,590円 OP
【9658】ビジネスブレイン太田昭和 /傘下のGSXが上場、新たに配当性向30%基準を公表。
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