【9658】ビジネスブレイン太田昭和 (東証プライム) OP
現在値 1,427円/100株 P/E 11.7 P/B 9.45 3月配当優待 9月配当
コンサルやシステム開発受託。会計システムに強み。情報セキュリティも。
配当は3月末・9月末の年2回・計45円配当のため、配当利回りは3.15%となります。
ビジネスブレイン太田昭和は株主優待制度を導入しており、3月末時点で単元株を1年超保有する株主に対して、1,000円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約3.85%となります。
業績を確認していきます。
■2020年3月期 売上高 283億円、営業利益 21.3億円、EPS 122.0円
■2021年3月期 売上高 290億円、営業利益 24.0億円、EPS 140.2円
■2022年3月期 売上高 323億円、営業利益 27.4億円、EPS 148.6円 IFRS
■2023年3月期 売上高 360億円、営業利益 30.0億円、EPS 151.7円 IFRSce
□2022年6月1Q 売上高 84.0億円、営業利益 4.8億円、EPS 21.1円(7/29)
□2022年9月2Q 売上高 170億円、営業利益 13.0億円、EPS 59.8円 ce
2022年3月期の売上高はYoY+10.9%の323億円、営業利益はYoY+24.8%の27.4億円で着地し、中間の増額見通しを更に上振れました。期初受注残高は横ばい109億円からのスタートであったものの、主力のコンサル/SIer事業については、PLM分野が一部苦戦でしたものの、DX構築・セキュリティ分野で好調を維持したほか、金融業界向け開発も復調しました。また、BPO事業も若干の不採算案件があったものの、グローバルBPOも好調に推移しました。利益面についても、日比谷フォートタワーへの本社移転で▲4.0億円、IFRS移行により役職員への株式報酬費用▲0.6億円といった一過性費用を飲み込んで2割超の増益を確保しています。
2023年3月期の通期予算ついては、売上高がYoY+11.3%の360億円、営業利益はYoY+9.3%の30.0億円を見込んでいます。終わった期の受注高が高水準だったため、全社受注残は112億円と過去最高の残高を確保しており、特にコンサル/SIer分野のセキュリティ分野の受注が積み上がっています。BPO事業も浜松・熊本がフル稼働状態だったものの、本年6月の鹿児島拠点新設による上乗せが見込まれます。また、昨年買収したジョイワークスと4月買収のBSCが通期貢献となり、売上高で25億円程がオンされます。
当社は長期計画として、2031年3月期迄に売上高1,000億円&営業利益100億円の達成、その手前の2024年3月期に売上高400億円&営業利益34億円を目指すこととしています。主力のコンサル/SIer事業と、BPO事業の割合を現行ままの7対3とし、全社戦略としてシナジー強化やMAとアライアンス強化、ブランディング強化を挙げており、昨年からコーポレートロゴやタグラインを一新したほか、本社も日比谷にある三井物産の新築ビルに移転しています。かような一過性費用の発生があったものの、現状は(会社側のコメントにもあるとおり)概ね計画線で推移していると解されます。
12月にIPOした傘下のグローバルセキュリティエキスパート(GSX、4417)は会計システムの脆弱性診断や、サイバーセキュリティ教育を手掛けています。同社は上場により当社持分が85%→60%に落ち、最終利益での控除が大きくなるものの、足許も高成長持続を予想しており、進行期でも売上高54億円/営業利益7億円の連結寄与が見込まれています。他方、本年4月には機関システムやローコード開発を行い、社員120余名を擁する大阪のBSC(年商15億円)を買収しており、手薄な西日本エリアの開拓を進めます。
BPOはセゾン情報システム(9640)から事業買収したほか、コンサル/SIer事業の顧客基盤を土台に、周辺領域で事業ドメインを拡張させており、本年6月の鹿児島拠点開設により、やっと新規受注を積み上げる体制が整いつつあります。また昨年は4億円を投じてWebアプリやスマホアプリ、ネットワーク構築等のIT関連事業を手掛けるジョイワークス(年商10億円)を買収しており、現状の外注事業を同社へと回して内製化を図る計画です。
他方、当社は抜群の財務体質を誇っており、有利子負債をネットして80億円程の現金を丸抱えしています。配当については、期初時点では横ばいの年45円配を予想しています。今年に入ってから配当性向方針30%を新たに掲げたほか、12期連続増配を継続しているため、期末にかけて結局増配する公算が高いものと考えています。
*参考記事① 2022-03-02 1,590円 OP
【9658】ビジネスブレイン太田昭和 /傘下のGSXが上場、新たに配当性向30%基準を公表。
*参考記事② 2021-08-06 1,772円 OP
【9658】ビジネスブレイン太田昭和 /DX潮流は追い風だが、中計目標にはやや過大感も。
*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。