【2730】エディオン(東証プライム) OP
現在値 1,486円/100株 P/E 12.7 P/B 0.73 3月配当優待 9月配当
家電量販上位。中部、西日本が地盤。12年に店舗名を「エディオン」に統一。
配当金(実績)は2月末・8月末の年2回計44円で、配当利回りは約2.96%となります。
エディオンは株主優待を実施しており、3月末に単元株を保有する株主に対して3,000円相当の自社ギフトカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約4.97%となります。なお、1年以上保有の場合の配当優待利回りは約5.65%となります。
業績を確認します。2022年3月期より企業会計基準第29号(新収益)の適用があります。
■2021年3月期 売上高 7,681億円、経常利益 278億円 EPS 155円
■2022年3月期 売上高 7,137億円、経常利益 215億円 EPS 125円 新収益
■2023年3月期 売上高 7,205億円、経常利益 192億円 EPS 112円
■2024年3月期 売上高 7,450億円、経常利益 195億円 EPS 116円 ce
□2023年6月1Q 売上高 1,609億円、経常利益 18.9億円 EPS 11.1円(8/2)
□2023年9月2Q 売上高 3,670億円、経常利益 130億円 EPS 86.3円 ce
2023年3月期の売上高はYoY+1.0%の7,205億円、経常利益はYoY▲10.8%の192億円となり、計画に届かず2桁減益となりました。SSS前提101.5%を置いていたものの、夏場に季節性商材が低調だったほか、行楽需要への回帰傾向で家電の消費性向が想定以下となりました。商材別ではエアコン・冷蔵庫・洗濯機といった白物が堅調だったった一方、TVや携帯電話が低調となり、一過性の受取助成金剥落(▲24億円)も減益要因となりました。出退店は出店5、移転/建替3、閉店4となり、期末直営店舗数は純増1店の450店(FC込1,208店、非家電店込)となりました。
進行期である2024年3月期の予算は、売上高がYoY+3.4%の7,450億円、経常利益はYoY+1.6%の195億円を予想しています。SSS前提は101.0%とし、低調だったエアコンの復調を見込むものの、インフレによる生活防衛意識の高まりから消費抑制が懸念されるほか、原価面では社員一律ベア1万円/月や、水道光熱費高騰による採算性悪化が想定されます。なお出退店計画については、出店9・移転/建替6・閉店1の計画であり、期末直営店舗数は純増8店の458店(FC込1,216店)まで積み上げる計画です。
当社は中期業績目標として2026年3月期までの向こう4年間で、売上高を7,137億円→8,100億円に、経常利益を215億円→410億円まで其々引き上げる計画であり、注力する整備事項として①インフラ基盤、②事業基盤、③顧客基盤の3点を挙げています。①については、DX推進によるシステム内製化率8割と新店舗システムへの刷新、全国配送・工事網の整備を掲げるほか、②についてはPB化率の拡大(25%→35%)と、リフォーム事業に分類されるELS事業の強化(例:オンライン商談、新規商材、太陽光発電・電池など)を図る方針です。
当社は関西では高シェアも旧デオデオが地盤の中国地方を筆頭に人口減少エリアの店舗が多く、先細りの構造です。そのため、大阪等近畿圏でのドミナント強化(ex.2019年出店のなんば本店)のほか、都心型大手量販店と競合するもののの、旧エイデン地盤の愛知県都市部への出店を強化します。最終的には名古屋→東海圏へと順次出店し、物流拠点を拡充しつつ、神奈川辺りまでの関東圏に“東進”する青写真と解されます。
なお本年4月にはニトリHDがLIXILの持分を買い取る方法で、当社と資本業務提携を締結しています。ニトリはヤマダHDを仮想敵としており、リフォームとオール電化&太陽光を手掛けるELS事業で“ニトリシナジー”を創出し、縮小する家電事業の次の柱に育てる方針です。当社はこれまで単価100万円程の部分的なリフォームを得意としてきたものの、これら高付加価値・フルライン化で単価500万円超の大規模リフォーム案件獲得を推進します。
他方、株主還元に関しては据置の年44円配(配当性向39%)を予想しています。当社は自己資本比率も53%と一定の財務基盤を有しているほか、経営指標としてROICも重視していることから、(他家電量販店同業に)相当程度の自社株買いも期待出来そうです。
*参考記事① 2022-08-03 1,254円 OP
【2730】エディオン/ニトリHDと資本業務提携、リフォーム事業の拡大に改めて期待。
*参考記事② 2021-07-28 1,115円 OP
【2730】エディオン/ 巣ごもり需要一巡も、大規模自社株買いで総還元性向は約7割。
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