【4923】コタ/25期連続増収達成も、人件費や償却費等の増加で減益基調が継続。 | なちゅの市川綜合研究所

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【4923】コタ(東証プライム) OP


現在値  1,592円/100株   P/E 29.3  P/B 4.19  3月配当優待 

美容室向けヘア化粧品の製造・販売。一括販売とバーター無料コンサルの「旬報店」に特徴。
配当は3末一括の20円のため、配当利回りは1.26%となります。


コタは株主優待制度を実施しており、3月末の単元株主に対して5,000円相当の自社製品を進呈しておりますので、配当優待利回りは約4.39%となります。なお、3年以上の長期保有で進呈額が8,000円となるため、その際の利回りは約6.28%となります。

業績は以下のとおりです。企業会計基準29号・30号を適用しています。
■2021年3月期 売上高 77.6億円、経常利益 16.5億円 EPS 53.9円 

■2022年3月期 売上高 86.9億円、経常利益 21.7億円 EPS 59.6円

■2023年3月期 売上高 88.0億円、経常利益 21.1億円 EPS 60.1円 

■2024年3月期 売上高 94.0億円、経常利益 20.1億円 EPS 54.2円 ce
□2023年6月1Q 売上高 16.9億円、経常利益 1.0億円 EPS 2.4円(7/31)

□2023年9月2Q 売上高 36.0億円、経常利益 4.0億円 EPS 10.5円 四e


2023年3月期の売上高はYoY+1.3%の88.0億円、経常利益はYoY▲2.8%の21.1億円となり、期初予想を下回りました。主力品のシャンプー/コンディショナーは、高単価品「コタクチュール」の新規投入効果の反動減がみられたものの、従来品の「コタアイケア」が底堅く推移したほか、5月投入の新育毛剤「グロウセラム」の上乗せが寄与しました。他方、カラー剤は反落、パーマ剤は横ばい、整髪料は2桁増と各商材でまちまちとなり、利益面についても研究開発費や物流費の増加が響き減益となりました。

進行期である2024年3月期の予算については、売上高はYoY+6.8%の94.0億円、経常利益はYoY▲5.0%の20.1億円を予想しています。主力の「コタクチュール」「コタアイケア」の拡販を図るとともに、5月には整髪系トイレタリー新商材の「バウンスアップ」を投入します。利益面については、待遇改善とオフィスや倉庫の設備投資を進めるため、増収ながら連続減益を見込みます。なお、7月31日開示済の1Q決算は、売上高16.9億円&経常利益1.0億円で推移しており、低進捗ながら下期偏重傾向があるため、概ね計画線と解されます。


当社は中計等を公表しておらず、年限無しの目標として「経常利益率15%以上、ROE10%以上」を定めているものの、大幅超過しているため“形骸化”しています。当社は顧客である美容院に対して、製品一括仕入れを条件に、「旬報店」と称する顧客管理システムの無料使用を許諾し、店舗経営コンサルを提供する一方、当社商材の専売を強いる特殊なモデルを採っています。この「旬報店」は1,600店程ながら全社売上高の65%を占める優良な代理店であるものの、会社側はこの「旬報店」の積み増しよりも、単純取扱店の新規開拓を進めています。

 

設備投資については、生産能力増強のため2012年に京都工場を竣工させたほか、3期連続でラインやタンクを増設しています。これら一連の取組により生産能力は従来比50%増となっているため、本年は福岡オフィスを新設し、本格的に販売エリアの拡大を進めるです。また、昨年6月には京都に「COTA KYOTO Lab.」という基礎研究のためのR&Dセンターを開設し、その手当のためにMS‐MUFGを割当先とした自社株によるMSワラントで約7.6億円(当初は約11億調達想定も後から縮小)を調達しています。

 

財務面は上記の自社株のMSワラント行使の影響もあり、自己資本比率は79.1%に更に改善しています。なお、配当は年20円配(配当性向36.8%)と据え置いているものの、当社は例年3月に1:1.1の株式分割を実施していることから、表面額据置の場合でも実質的には連続増配の継続を予定しています。

 

*参考記事① 2022-08-20   1,585円 OP

【4923】コタ/足許は新製品投入の反動減大きく、2Q以降の回復を確認したい。  

 

*参考記事② 2022-03-23 1,616円  OP

【4923】コタ/高単価品への移行が想定超で大幅増額、異例の期中増配公表で年20円配へ。

 

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