【4923】コタ/足許は新製品投入の反動減大きく、2Q以降の回復を確認したい。 | なちゅの市川綜合研究所

なちゅの市川綜合研究所

「別に勝たなくてもいいので、負けないこと」を志向しております。
本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報等に基づき、作成されています。
当ブログの情報に全面的に依拠することはお控えいただき、最終的なご判断はご自身でお願いいたします。

image

【4923】コタ(東証プライム) OP


現在値  1,585円/100株   P/E 23.9  P/B 4.10  3月配当優待 

美容室向けヘア化粧品の製造・販売。一括販売とバーター無料コンサルの「旬報店」に特徴。
配当は3末一括の20円のため、配当利回りは1.26%となります。


コタは株主優待制度を実施しており、3月末の単元株主に対して5,000円相当の自社製品を進呈しておりますので、配当優待利回りは約4.41%となります。なお、3年以上の長期保有で進呈額が8,000円となるため、その際の利回りは約6.30%となります。

業績は以下のとおりです。企業会計基準29号・30号を適用しています。
■2020年3月期 売上高 74.6億円、経常利益 14.9億円 EPS 52.6円
■2021年3月期 売上高 77.6億円、経常利益 16.5億円 EPS 53.9円 

■2022年3月期 売上高 86.9億円、経常利益 21.7億円 EPS 59.6円

■2023年3月期 売上高 91.1億円、経常利益 22.7億円 EPS 66.1円 ce
□2022年6月1Q 売上高 15.8億円、経常利益 1.0億円 EPS 2.7円(7/29)

□2022年9月2Q 売上高 38.0億円、経常利益 8.5億円 EPS 27.4円 四e


2022年3月期の売上高はYoY+18.7%の86.9億円、経常利益はYoY+31.4%の21.7億円となり、3Q時点の修正見通しを若干下回ったものの、大幅な増収増益となりました。主力品のシャンプー/コンディショナーは、昨年5月に投入した最上級の高単価品「コタクチュール」が大幅な計画超過となったほか、リプレイスされる従来品の「コタアイケア」も想定以上に底堅く推移しました。他方、その他の整髪料・育毛剤・パーマ剤といった商材は概ね横ばいで推移しました。

進行期である2023年3月期の予算については、売上高はYoY+4.9%の91.1億円、経常利益はYoY+4.3%の22.7億円と25期連続の増収を見込んでいます。高単価品「コタクチュール」の通期で寄与するほか、5月に投入した新育毛剤「グロウセラム」の上乗せが見込まれます。利益面については、人件費増と設備投資による償却増を織り込み、やや伸びが鈍くなる想定です。なお、7月29日開示済の1Q決算は売上高15.8億円&経常利益1.0億円と、新製品投入反動や一過性のR&D施設費用の計上を主要因に、低調に推移しています。


当社は中計等を公表しておらず、年限無しの目標として「経常利益率15%以上、ROE10%以上」を定めているものの、大幅超過しているため“形骸化”しています。当社は顧客である美容院に対して、製品一括仕入れを条件に、「旬報店」と称する顧客管理システムの無料使用を許諾し、店舗経営コンサルを提供するという特殊なモデルを採っています。この「旬報店」は取引先のうち1,600店程ながら全社売上高の65%を占める優良取引先であるものの、会社側はこの「旬報店」の積み増しよりも、単純取扱店の新規開拓を進めています。

 

設備投資については、2012年の京都工場の竣工で基礎的な生産能力を増強しているほか、償却費負担も既に減少しています。また足許でも2期連続でラインやタンクを増設し、生産能力は従来比で更に50%増となったため、拡販による一段の収益性向上が期待出来る状況にあります。他方、昨年研究開発施設建設を目的とし「COTA KYOTO Lab.」という基礎研究のためのR&Dセンターを開設し、その手当のためにMS‐MUFGを割当先とした自社株によるMSワラントで約7.6億円(当初は約11億調達想定も後から縮小)を調達するなどしています。

 

財務面は上記の自社株のMSワラント行使の影響もあり、自己資本比率は78.9%に更に改善しています。なお、配当は年20円配(配当性向30.2%)を据え置いているものの、当社は例年3月に1:1.1の株式分割を実施していることから、たとえ据置であっても実質的には連続増配の継続を予定しています。

 

*参考記事①  2022-03-23 1,616円  OP

【4923】コタ/高単価品への移行が想定超で大幅増額、異例の期中増配公表で年20円配へ。

 

*参考記事② 2021-08-21 1,545円 OP

【4923】コタ/自社株活用のMSワラントによる調達はやや不可解も、業績自体は絶好。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。

 

にほんブログ村 株ブログ 株主優待へ にほんブログ村 株ブログ IPO・新規公開株へ にほんブログ村 株ブログ サラリーマン投資家へ