【4819】デジタルガレージ/ 事業環境激変で新中計にロール、向こう5年は税前2割成長をガイド。 | なちゅの市川綜合研究所

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【4819】デジタルガレージ(東証プライム) OP

現在値  4,045円/100株  P/E --.- P/B 2.33   3月配当 株主優待なし

決済事業、広告、ベンチャー投資など多角展開。持分にカカクコム。


配当金(実績)は3月一括配当の37円配当で、配当利回りは約0.91%となります。

デジタルガレージは株主優待制度を実施しておりません。

業績を確認していきます。

■2021年3月期 収益 404億円、税前利益 143億円 EPS 212.4円

■2022年3月期 収益 729億円、税前利益 453億円 EPS 654.7円 

■2023年3月期 収益 300億円、税前利益▲138億円 EPS ▲193円 

■2024年3月期 収益 (未定)億円、税前利益(未定)億円 EPS(未定)円 ce

◆2024年3月期 収益 332億円、税前利益 74.7億円 EPS 119.9円 cos.

□2023年9月2Q 収益 160億円、税前利益 35.0億円 EPS 54.3円 四e

 

2023年3月期の収益はYoY▲58.8%の300億円、税前利益はYoY▲591億円の▲138億円となり、予算比は無いものの大幅な減収減益となりました。FT事業については、行動制限の解除に伴い得意とする旅行や娯楽関連決済を中心に、対面・非対面ともに好伸し、決済取扱高はYoY+19%の4.4兆円、取扱件数も同+22%の9.8億件と2割増となりました。また、MT事業についても、不動産関連の大型案件が剥落したものの、カード回りの金融関連が堅調に推移しました。他方でIT事業については、米国Blockstreamの公正価値の洗替効果が大きく影響し、(評価損が主要因であるものの)セグメント利益は実に▲432億円もの減益となりました。

 

進行期である2024年3月期の通期予算は非開示となっているものの、コンセンサス上の収益はYoY+11%の332億円、税前利益はYoY+212億円の74.7億円程が観測されています。主力の実業系の2事業(FT・MT)を統合し、PF(プラットフォーム)事業として括り直しており、旧FT事業はキャッシュレス加速と経済活動の正常化で対面・非対面ともに続伸を見込むほか、旧MT事業も構造変化でネット広告業界が低調に推移する中、アフィリエイト分野は堅調な推移が見込まれることから、PF事業単独では15%増益を予想します。カカクコムの20%損益を取り込むLTI事業も、“食べログ”の回復が継続するほか、グローバル投資事業もBlockstreamの公正価値洗替の一巡により、大きな変動を見込まない形となります。

 

このたび当社は、Web3.0や生成AIの台頭による事業環境の激変やセグメント変更等を理由に翌2025年3月期を最終年度とする現行中計を2年手前でロールし、2028年3月期までの新5年中計に洗替しています。業績目標として税前利益CAGR20%/5yを目指すとともに、目標KPIとして、決済取扱高の拡大(4.4兆円→15兆円)、投資事業収入累計300億円、株主還元累計100億円を掲げています。

 

今次中計ではグループの持つ日本最大級のコアアセット①“食べログ”、⓶決済PF、③ベンチャー投資の3軸の最大活用を取組事項としています。①は生成AIとの融合により、ChatGPTへの“食べログ”のプラグイン(予約簡便化)を5月に実装させたほか、⓶の決済PFリソースを活用した“食べログオーダー(店頭決済)”、飲食店向け請求書カード払いの開始を開始しています。

 

⓶の決済PF領域は年率2桁を超える高成長が継続しており、経済活動正常化にともない、インバウンド回復も相俟って、特に対面決済の高成長持続が見込まれます。トランザクションの急増に耐えるべく、オラクル最先端システムによる決済稼働安定化(保守強化)と印オフショア拠点のエンジニアリソース強化を図るとともに、営業面はアライアンス先の拡大でモメンタム維持を目指します。③は、汎世界的な投資サークルの開拓・維持を志向しており、主軸の北米域(サンフランシスコ、シリコンバレー)を中心に、英国も強化します。


なお株主還元については、予想配当額自体は未定であるものの、上述のとおり5年で累計100億円(総還元)以上としていることから、全て配当による還元を前提とすれば6円増配の年43円配が試算されます。


*参考記事① 2023-03-18 4,125円 OP

【4819】デジタルガレージ/Blockstream公正価値洗替で大幅減も、実態はFT中心に堅調

 

*参考記事② 2022-09-30  3,360円 OP

【4819】デジタルガレージ/見た目の好調は、為替による海外投資先の評価額洗替効果が大きい。

 

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