【8953】日本都市ファンド投資法人/物件入替は半分進捗、巡行EPU2,250円の回復をみたい。 | なちゅの市川綜合研究所

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【8953】日本都市ファンド投資法人(東証REIT) NT


現在値 95,000円/1株  P/E 21.8  P/NAV 0.88  2月分配 8月分配

三菱商事とUBSとスポンサーとする商業施設特化型で、セクターでは最大規模。MMIと合併へ。

予想分配金は2月末・8月末の年2回合計4,500円配で、分配金利回りは約4.74%となります。

業績を確認します。

■2021年8月期_第39期 営業収益 403億円、経常利益 135億円 DPU 2,286円 

■2022年2月期_第40期 営業収益 405億円、経常利益 169億円 DPU 2,284円 

■2022年8月期_第41期 営業収益 411億円、経常利益 157億円 DPU 2,263円 

■2023年2月期_第42期 営業収益 413億円、経常利益 159億円 DPU 2,312円 

□2023年8月期_第43期 営業収益 415億円、経常利益 155億円 DPU 2,250円 ce修正

□2024年2月期_第44期 営業収益 403億円、経常利益 149億円 DPU 2,250円 ce

 

2023年2月期_第42期の落着は、営業収益は第41期比+0.5%の413億円、経常利益は同+1.5%の159億円で上振れ着地となり、分配金は同50円増配の2,313円となりました。解約違約金剥落や原価の水道光熱費負担増といった減収要因があったものの、銀座01の残り40%持分の売却益14億円の計上にくわえ、12月に期中取得した大阪野田レジが部分寄与したほか、商業施設の歩合賃料が想定超で回復しました。尚、上振れにともない内部留保(RTA、圧縮積立金)の取り崩し額を当初計画より少ない▲2.0億円に変更しています。

 

進行中の2023年8月期_第43期の見通しも微修正しており、営業収益が第42期比変わらずの413億円(従予:404億円)、経常利益は同変わらずの155億円(従予:153億円)、分配金は同63円減配の2,250円(従予:UNCH)を予想しています。ラウンドワン高槻店、ライフ岸部店の譲渡により、第42期比で売却益が6億円強増加するほか、期初取得のレジ3棟(北品川・大阪福島・池袋)、中野01ビルほかが増収寄与し、心斎橋03のユニクロ退去にともなう原状回復収入を中心としたその他収入剥落(▲10億円)の影響を打ち返し、増収増益に転換します。尚、上記分配金は内部留保をネット▲2.0億円取り崩す前提です。

 

今回初公表の2024年2月期_第44期の予想は、営業収益が第43期比▲2.3%の404億円、経常利益は▲4.0%の148億円、分配金は同変わらずの2,250円を見込んでいます。第43期取得の8物件が巡行化するほか、赤坂02や肥後橋01といった課題のオフィスの埋め戻しが進捗しているほか、10月取得の町田レジが一部寄与します。他方、売却物件はイオンモール鶴見緑地(25%)とラウンドワン三宮店の2物件に留まるため、売却益が減少(▲6億円)し、減収減益を予想しています。

 

当法人は2021年3月にMCUBS Midcity(MMI)を吸収し、日本都市ファンド(JMF)に衣替えしており、当初は多額の負のれんを内部留保として計上する予定でしたが、当時の株価急変により一転して正ののれん(160億円)の計上を強いられた経緯があります。そのため、税会不一致となる営業権償却が期あたり▲4億円発生しており、圧縮積立金や(過去の買収による)RTAといった内部留保を吐き出して、分配金水準を維持している状況です。

 

当面は売却による含み益の顕在化により、事実上のDPUフロアである2,250円を守りつつ、物件入替を進めます。3~5年程度で2,000億円程度売却する計画であり、進捗率はおよそ50%となっています。残り半分についても、イオンモール札幌苗穂の分割売却(第45期~第48期)が決定しており、向こう6期ほどは譲渡益で7億円/期をカサ増しすることが確定しています。法人側では現行のEPU2,000円から、賃料回復で+70円・段階賃料で+100円・FR解消とリースアップで+80円で250円分を埋める見通しを持っており、まずは“巡行EPU”2,500円の早期達成を確認したいと思います。

 

*参考記事① 2023-01-23 98,800円 NT

【8953】日本都市ファンド投資法人/KKR傘下入り後は外部成長力が伸長、先ずは歩合回復に期待。

 

*参考記事②  2022-07-30  108,400円  NT

【8953】日本都市ファンド投資法人/スポンサーが三菱商事系からKKRに変更、物件入替続く。

 

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