【3048】ビックカメラ/コジマの反動減長引く、宅配水事業先行投資も重く微減額。 | なちゅの市川綜合研究所

なちゅの市川綜合研究所

「別に勝たなくてもいいので、負けないこと」を志向しております。
本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報等に基づき、作成されています。
当ブログの情報に全面的に依拠することはお控えいただき、最終的なご判断はご自身でお願いいたします。

image

【3048】ビックカメラ(東証プライム) OP

現在値 1,073円/100株  P/E 23.5  P/B 1.34 8月配当優待 2月配当優待

家電量販大手。ターミナル駅周辺で大型店。傘下にソフマップ・コジマ。
配当実績は2月末・8月末の合計15円のため、配当利回りは約1.40%となります。

ビックカメラは株主優待を実施しており、2月末・8月末に100株以上を保有する株主に対し、年3,000円分の優待券を進呈しておりますので、配当優待利回りは約4.19%となります。なお1年以上の長期保有で+1,000円、2年以上の長期保有で+2,000円が追加されるため、配当優待利回りは最大で約6.98%まで上昇します。

業績を確認していきます。 2022年8月期より新収益基準に移行しています。

■2021年8月期 売上高 8,340億円、経常利益 216億円、EPS 49.8円 

■2022年8月期 売上高 7,923億円、経常利益 208億円、EPS 33.2円 

■2023年8月期 売上高 8,300億円、経常利益 175億円、EPS 45.5円 ce修正(7/11)
□2023年2月2Q 売上高 4,076億円、経常利益 84.2億円、EPS 24.5円 

□2023年5月3Q 売上高 6,124億円、経常利益 123.9億円、EPS 26.9円(7/11)

2023年2月中間期の売上高はYoY+3.9%の4,076億円、経常利益はYoY▲21.0%の84.2億円となり、減益ながら計画超となりました。都心中心の単体店舗はSSSは103.8%、郊外中心のコジマは同98.1%となり、コジマの“巣ごもり”反動減が継続しました。商品別ではTVが軟調だったものの、ゲーム・スマホ・洗濯機・理美容家電が堅調に推移しました。なお、11月に単体店舗として千葉駅前に出店しています。


なお2023年8月期の通期見通しは3Q時点で修正しており、売上高がYoY+4.7%の8,300億円(期予:8,235億円)、経常利益はYoY▲15.9%の175億円(期予:193億円)に減額しています。インバウンドの流入が顕著な単体店舗の売上増を反映してトップラインを増額する一方、利益面は水道光熱費・物流費だけでなく、継続的なベースアップにより人件費が増加するほか、売上ミックス悪化傾向を織り込んで減益となります。なお水宅配事業で先行投資するほか、出退店は横ばい圏となります。

 

当社は昨年9月より秋保徹氏が新社長に就任しており、当面の注力事項として①実店舗強化、②EC強化、の2店を挙げています。昨今のEC傾注傾向により、実店舗と本部の関係が希薄化してしまったことから、“プロパー叩き上げ社員”である秋保氏が連携の再強化を進めるとともに、現場への大幅な権限移譲で実店舗の底上げを図ります。売り場責任者制導入による専門性特化や、EC化で減員してきた旗艦店人員の再増員により、回復中のインバウンドの取り込みを図ります。

 

②のEC化率は、新型肺炎禍で従来の7%から18%まで上昇したものの、経済活動再開に伴い頭打ちしています。この打開策として、顧客粘着性の高い水宅配事業“puhha”を本格展開しており、進行期は▲14億円の先行投資を行うほか、年末までに品揃自体も拡充(241SKU→350SKU)する方針です。これにより、自社便によるスピード配送網で30%超の高EC化率を誇るヨドバシカメラの“エクストリーム通販”を追撃します。

 

財務面については、目下の自己資本比率は29.1%と一定水準をキープしています。配当予想は横ばいの年15円を計画しています。


*参考記事①  2022-12-28 1,248円 OP

【3048】ビックカメラ/元日興証券副社長の木村氏が退任、水宅配事業“puhha”の強化へ。

 

*参考記事② 2022-07-05 1,155円 OP

【3048】ビックカメラ/コジマは巣ごもり反動減は想定以下、中国系インバウンドの回復に期待。 

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。

 

にほんブログ村 株ブログ 株主優待へ にほんブログ村 株ブログ IPO・新規公開株へ にほんブログ村 株ブログ サラリーマン投資家へ