【7545】西松屋チェーン(東証プライム) NT
現在値 1,629円/100株 P/E 10.5 P/B 1.23 2月配当優待 8月配当優待
ベビー・子供衣料と生活雑貨のロードサイド大型店を全国展開。配当金は2月末・8月末の年2回計26円で、配当利回りは約1.60%となります。
西松屋チェーンは株主優待を実施しており、100株を保有する2月末・8月末現在の株主に対して、年2回・1,000円分の株主優待カードを発行しておりますので、配当優待利回りは約2.82%となります。別途、3年以上保有を継続する株主への長期優遇制度があります。
業績を確認していきます。
■2021年2月20日期 売上高 1,594億円、経常利益 123億円 EPS 133.2円
■2022年2月20日期 売上高 1,630億円、経常利益 128億円 EPS 138.9円
■2023年2月20日期 売上高 1,695億円、経常利益 115億円 EPS 126.5円
■2024年2月20日期 売上高 1,800億円、経常利益 140億円 EPS 154.4円 ce
□2023年8月20日1Q 売上高 468億円、経常利益 47.7億円 EPS 53.5円(6/16)
□2023年11月20日2Q 売上高 896億円、経常利益 72.3億円 EPS 79.8円 ce
2023年2月期の売上高はYoY+4.0%の1,695億円、経常利益はYoY▲9.8%の115.0億円となり、2Qの減額見通しを若干下回る水準で着地しました。消費者の生活防衛意識の高まりから、PB商品の“ELFINDOLL”、“SmartAngel”が伸長したほか、期を通じて小学校高学年向けの衣料品が好調に推移し、SSSは101.2%となりました。他方、利益面については急速な円安や仕入原価の高騰影響の影響で減益となっています。出退店に関しては、通年で純増40店の計画に対し、出店40店・退店9店の純増31店となり、総店舗数は1,067店となりました。
進行期である2024年2月期の通期予算については、売上高がYoY+6.2%の1,800億円、経常利益はYoY+20.8%の140.0億円を予想しています。引き続き既存店を増床移転する形で大型化とS&Bを推進するほか、TVCM投下により認知度向上を図ります。なお、6月21日開示済の4ヵ月累計月次SSSは104.1%、1Qの売上高は468億円&経常利益47.7億円で推移しており、若干のビハインドとみられます。通期の出退店については、純増50店と出店ピッチを引き上げる計画です。
当社は中期的な業績計画を3年先にロールしており、最終年度を2025年2月期→2028年2月期に改め、売上高2,500億円(従計:2,000億円)、経常利益250億円(従計:200億円)に変更しています。途中ローリングのため予実実態が見えずらいものの、足許実勢を鑑みれば、従前計画は売上目標のみ達成可能性が残るものの、為替の不利影響や原価高騰影響により、利益目標は大幅未達となる公算が高いため、“目くらまし”的に計画を先延ばししたものと解されます。
中期的な基本戦略については、①新規出店と店舗大型化、②PB商品自社開発強化、、③EC拡大、④海外拡大、⑤店舗運営効率化の5方針が掲げられています。①の出店については、立地改善と増床移転を志向した“拡張型S&B方式”で出店しているものの、出店数を毎期30店程から50店に引き上げる方針としており、店舗開発人員の採用も増強しています。出店エリアも大都市の人口集中部に寄せてきており、従来の郊外立地からシフトしてきています。
➁のPB商品は、店舗大型化で広範なMDが可能になったので、従来より顧客層を広げた小学校高学年向け商品の拡充や、衣料品に限らない靴やバッグ等の開発も進めており、PB構成比を目下の20%から中長期的に50%まで引き上げる計画です。また、➁の受け皿として③のEC拡大も進めており、ポイントサービスや店頭受取連携等のメニュー拡充により、翌2025年2月期までにEC化率を2%→10%(200億円)に引き上げる目標ですが、此方は依然として低調な状況です。
財務面については、無借金かつ560億円超の現金を抱えるチタン級の好財務を維持しているほか、上記以外にも70億円程度の投資有価証券を保有しています。それでも配当については、年26円配(配当性向16.8%)と大変低位な水準に留まっているほか、別の切り口で言えば買収防衛策も導入しており、良くも悪くも大村一族の“匙加減ひとつ”の会社といえます。
*参考記事① 2022-12-23 1,504円 NT
【7545】西松屋チェーン/既存店売上高は前年クリア基調も、円安と原価増がじわり圧迫。
*参考記事② 2021-12-15 1,491円 NT
【7545】西松屋チェーン/足許SSSは再度アクセルかかり、改めて通期予算の達成に期待。
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