【7545】西松屋チェーン/足許SSSは再度アクセルかかり、改めて通期予算の達成に期待。 | なちゅの市川綜合研究所

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【7545】西松屋チェーン(東証1部)  NT

現在値 1,491円/100株  P/E 10.1  P/B 1.31 2月配当優待 8月配当優待

ベビー・子供衣料と生活雑貨のロードサイド大型店を全国展開。配当金は2月末・8月末の年2回計24円で、配当利回りは1.61%となります。

西松屋チェーンは株主優待を実施しており、100株を保有する2月末・8月末現在の株主に対して、年2回・1,000円分の株主優待カードを発行しておりますので、配当優待利回りは約2.95%となります。別途、3年以上保有を継続する株主への長期優遇制度があります。

業績を確認していきます。
■2018年2月20日期 売上高 1,373億円、経常利益 71億円 EPS 74.0円

■2019年2月20日期 売上高 1,381億円、経常利益 39億円 EPS 34.1円  

■2020年2月20日期 売上高 1,429億円、経常利益 23億円 EPS 17.3円

■2021年2月20日期 売上高 1,594億円、経常利益 123億円 EPS 133.2円  

■2022年2月20日期 売上高 1,700億円、経常利益 140億円 EPS 147.3円 ce 
□2021年8月20日2Q 売上高 806億円、経常利益 68億円 EPS 73.5円(9/29)

2021年8月中間期の売上高は前年同期比0.3%増の806億円、経常利益は同3.4%増の68.0億円となり、計画のやや下で進捗しました。前年同期が緊急事態宣言真っ只中であり、“ガラガラ店内”が受け入れられ、紙おむつ等必需品購入の際のクロスセル効果が大きくみられたことから、前年ハードルが高く、シューズやフードが堅調に推移したものの、上期6ヵ月SSS(Same Store Sales/既存店売上高)は98.7%と前年割れとなりました。出退店に関しては、通年で純増30~40店の計画に対し、出店16店・退店9店となり、純増7店で折り返しています。


なお2022年2月期の通期見通しは据え置いており、売上高が前期比6.6%増の1,700億円、経常利益は前期比13.1%増の140億円と2桁増益の継続を見込んでいます。11月22日開示の3Q9ヵ月累計月次SSSは99.6%に回復しているほか、特に直近11月単月ではトレーナーや肌着、寝具等の衣料が大変好調で110.8%まで急伸してることから、通期の会社計画線を奪回しているものと解されます。出退店については、3Qまでの累計で出店30店・退店11店で進捗しており未達公算が高いものの、採算面については前期にかなりの滞留在庫がハケて回転したとみられるため、“投げ売り”の必要もないため、上期のビハインドを埋めて通期予算達成に期待がかかります。

 

当社は中期的な業績目標値として、4年後の2025年2月期に売上高2,000億円(CAGR7%)、経常利益200億円(CAGR55%)をセットしています。前期実績の経常利益が120億円超と噴いていますが、これは新型肺炎禍による一過性の“まとめ買い特需”によるものであり、依然として実力ベースの経常利益は精々100億円程度とみられ、現時点での中計目標値の達成見込みはかなり低いものと考えています。

 

基本戦略としては、新規出店による外部成長と、PB商品自社開発による採算向上の二本柱となります。出店については、毎期30店程を出店しているものの、同じ程度退店するスクラップ&ビルド状態となっていることから、拡張移転分と若干の採算良化しか上乗せがなく、成長ドライバーとしては物足りなさがあります。

 

他方、PB商品については従来より顧客層を広げた小学校高学年向け商品の開発を進めており、例えばTシャツではユニクロの半額程度で提供し、この高い価格競争力を武器にPB構成比を目下の20%から中長期的に50%に引き上げる計画です。また、上述のとおり店舗がほとんど増えないので、PBの拡販のためのECに注力しており、この11月に自社ECストアを新設したほか、通販用の物流2拠点を統合するなどしています。なお、EC比率については、目下2~3%とみられますが、2025年2月期には10%(200億円)を計画しており、此方の伸び代は大きく残されています。


財務に関しては相変わらずの無借金経営をキープしており、560億円の現金を抱えるチタン級の好財務を維持しているほか、上記以外にも80億円の投資有価証券を保有しています。それでも配当は配当性向16%程にすぎない年24円配と物足りない状況です。これでも年1円増配するようになった点や、スポットの自社株買いは継続しているので多少の改善感はありますが、アクティビストも居なくなり、ガバナンス面での緊張感は緩んでいるような印象を受けます。

 

*参考記事① 2021-06-11 1,505円 NT

【7545】西松屋チェーン/新型肺炎禍の“かりそめの好業績”を維持するハードルは高い。

 

*参考記事② 2020-12-25 1,506円 NT

【7545】西松屋チェーン/12月月次も好調持続で、3度目の増額修正も視野に。

 

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