【3557】ユナイテッド&コレクティブ(東証グロース) UP
現在値 1,249円/100株 P/E --.- P/B ‐‐.‐ 2月無配優待 8月優待
主力は鶏料理居酒屋「てけてけ」。ハンバーガーチェーンも展開。店内調理に特徴。
配当は支払い実績がなく、今期も無配を予想しています。
ユナイテッド&コレクティブは株主優待制度を実施しており、2月末・8月末の時点の単元株主に対して5,000円分の飲食券を年2回進呈しておりますので、優待利回りは約8.00%となります。
業績を確認していきます。
■2020年2月期 売上高 80.0億円、営業利益 1.4億円 EPS 12.0円
■2021年2月期 売上高 33.5億円、営業利益▲14.2億円 EPS▲539.3円
■2022年2月期 売上高 27.2億円、営業利益▲18.5億円 EPS▲142.8円
■2023年2月期 売上高 53.4億円、営業利益▲10.9億円 EPS▲387.0円
■2024年2月期 売上高 59.8億円、営業利益 0.4億円 EPS▲17.2円 ce
□2023年8月中 売上高 30.0億円、営業利益▲1.0億円 EPS▲37.1円 四e
2023年2月期の売上高はYoY+96.4%の53.4億円、営業利益はYoY+7.4億円の▲10.9億円となり、非公表の期初予算との比較は無いものの、赤字が継続しました。新型肺炎禍の酒類提供制限で「てけてけ」は期初~期央にかけて影響が大きかったものの、期末にかけて緩やかに回復したほか、酒類依存度の低い「the 3rd Burger(3rd)」は“サード飯”と称する新食事系メニューの投入により、平時比8割強の売上に回復しました。他方、食材原価や光熱費、人件費の高騰で利益が圧迫されており、営業外では助成金(2億円)の計上があったものの、営業益・経常益ともに大赤字となっています。
進行期である2024年2月期の予算については、売上高がYoY+11.7%の59.8億円、営業利益はYoY+11.3億円の0.4億円と黒字転換を見込みます。出退店については、引き続き不採算店の閉鎖を進めるため、新店8・退店17店と大幅純減となる見通しです。「てけてけ」はリモデル型店舗への改装など既存店売上の回復に注力する一方、「3rd」に関しては引き続き退店を進めます。なお、全社で原価高騰影響が大きいことから、本社をWeWork半蔵門に移転して経費削減しているような状況です。
当社はこれまで、2026年2月期を目途にFC比率を引き上げ(50%)ることで、巡行状態で2%弱だった営業利益率を5%まで改善させる目標を掲げていましたが、既に形骸化しているものと解されます。当初目論見では「3rd」を手作り感のある店内調理から工場型のセントラルキッチン方式に切り替え、これにより好採算のFC展開を拡大させる計画でしたが、「3rd」の商品力低下による客離れにより閉店が相次いでおり、スケールメリット構想が“逆回転”しているため、完全撤退も視野に入る状況です。
新業態開発も難航しており、モツ串うちの「やるじゃない!」、鉄板焼肉大衆食堂「なんしようと?」、全粒粉生うどん 「手練れ」 などは既存業態との親和性の低さもあり、いずれも早々に閉店に追い込まれています。尤も、会社側もやっと事態の深刻性を認識したのか、主力の「てけてけ」の梃入れを優先し始めており、渋谷に和モダンな大衆酒場業態の「てけてけ」を開業し、こちらについては想定超で推移している模様です。
財務状況については、2018年にアサヒビールと宝酒造への三割増資で約4億円(@2,920円)を調達したほか、2021年にはSBI証券へのMSワラント(@635円)発行で約3億円を調達するともに、政投銀にはA種優先株式を約5億円発行しています。然しながら、これら取組でも止血し切ることが出来ず、本年2月にEVO FUNDを相手先とするMSワラント(下限@623円)を発行し、約17.4億円程を段階調達することとしていますが、現在は行使・調達途中というステータスのため、▲7億円程の債務超過状態に陥っています。
*参考記事① 2022-01-07 1,269円 NT
【3557】ユナイテッド&コレクティブ/3rd Burgerを安売り路線に転換、体力勝負どこまで
*参考記事② 2021-06-22 1,133円 OP
【3557】ユナイテッド&コレクティブ/SBI証券を割当先とするワラントで“命脈”を保つ。
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