【3557】ユナイテッド&コレクティブ/3rd Burgerを安売り路線に転換、体力勝負どこまで | なちゅの市川綜合研究所

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【3557】ユナイテッド&コレクティブ(東証マザーズ) NT

現在値 1,269円/100株  P/E --.-  P/B 6.54  2月無配優待 8月優待

主力は鶏料理居酒屋「てけてけ」。ハンバーガーチェーンも展開。店内調理に特徴。

配当は支払い実績がなく、今期も無配を予想しています。

 

ユナイテッド&コレクティブは株主優待制度を実施しており、2月末・8月末の時点の単元株主に対して5,000円分の飲食券を年2回進呈しておりますので、優待利回りは約7.88%となります。


業績を確認していきます。 

■2018年2月期 売上高 63.4億円、営業利益 2.0億円 EPS 34.8円

■2019年2月期 売上高 72.9億円、営業利益 2.0億円 EPS 22.4円

■2020年2月期 売上高 80.0億円、営業利益 1.4億円 EPS 12.0円 

■2021年2月期 売上高 33.5億円、営業利益▲14.2億円 EPS▲539.3円 

■2022年2月期 売上高 (未定)億円、(未定)億円 EPS (未定)円 ce修正
□2021年8月中 売上高 9.9億円、営業利益▲9.6億円 EPS▲54.8円(10/15)

2021年8月中間期の売上高は前年同期比39.1%減の9.9億円、営業利益は同赤字拡大の▲9.6億円となり、非公表の期初予算との比較は無いものの、引き続き減収減益となりました。新型肺炎禍の長期化により酒類提供制限の影響を受けて営業上の制約の大きかった「てけてけ」SSSは60%弱にまで低迷した一方、戦略的値下げを実施した「the 3rd Burger(3rd)」SSSは107%程度と堅調に推移しました。他方、営業外では各種助成金の計上が9億円程度あったため、最終利益は均衡圏が見えるところまで浮上しています。


2022年2月期の通期見通しについては、期初段階では売上高が前期比72.5%増の57.8億円、営業利益は▲4.9億円と元より赤字で計画していたものの、中間前に全て未定に変更しています。期初より“7割経済”を前提として予算組みをしつつも、「てけてけ」の上期ビハインドがあまりに大きいため、その水準にも届かない見通しです。原価削減の取組として、自社加工拠点(PPM)の新設により人件費5%削減を見込むものの、余りにトップラインが弱いため効果は今ひとつとみられます。なお出退店は「3rd」を中心に純増6店を計画しており、既出店の品川GPや元住吉、宮益坂のほか、曙橋、松戸、品川(区)、千代田(区)が出店名有りとなっています。


当社は2021年2月期を目処に200店展開を目標KPIとして定めていましたが、結局半分以下の93店止まりとなりました。そのため、達成期限を2026年2月期までに延長するとともに、FC比率の引き上げ(50%)により、巡行2%弱の営業利益率を5%まで改善させる目標に変更しています。業態構成についても、都心繁華立地店舗の多い従来型居酒屋の「てけてけ」の閉店を進め、無添加ハンバーガー業態の「3rd」を増店するとともに、「PISP戦略(店内仕込みによる手作り感)」を「PPM戦略(所謂セントラルキッチン方式)」に切り替えることで、原価削減により価格戦略を採るとともに、FC展開しやすいフォーマットへと変更しています。

 

他方、新業態としてモツ串うちの「やるじゃない!」、鉄板焼肉大衆食堂「なんしようと?」、全粒粉生うどん 「手練れ」 を開発しています。「なんしようと?」は、比較的新しい業態である「大衆食堂あづま」を更に業態転換したものですが、「3rd」に全振りするでもなく多業態化に未練を残している印象であり、特に「手練れ」は既存のリソースとの親和性が低いうどん業態となっています。また、「3rd」もFC獲得による一時金やロイヤリティ(利益だけ欲しい)狙いの大量出店が透けて見え、手作り感という強みを放棄して、体力のあるマクドナルドやモスバーガーらと同じ土俵に立ちに行くので、事業リスクはかなり高くなったものとみています。

 

財務の状況については、2018年にアサヒビールと宝酒造を相手先とする三者割当増資で約4億円(@2,920円)を調達していたもののそれでは足りず、昨年2月にはSBI証券を割当先にMSワラントを(@635円)を発行して約3億円を追加調達したほか、7月には政投銀にA種優先株式を約5億円発行し、足許の自己資本比率はやっと2桁の10.5%に回復しています。このA種優先株は年4%の利払いがあり、年2千万円の費用増は当社規模では痛いものの、仕方ない範囲と考えています。

 

*参考記事① 2021-06-22 1,133円 OP

【3557】ユナイテッド&コレクティブ/SBI証券を割当先とするワラントで“命脈”を保つ。

 

*参考記事① 2020-07-04 1,036円 OP

【3557】ユナイテッド&コレクティブ/てけてけ競合激しく、3rdバーガーに軸足か。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。

 

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