【3557】ユナイテッド&コレクティブ/てけてけ競合激しく、3rdバーガーに軸足か。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3557】ユナイテッド&コレクティブ(東証マザーズ) OP

現在値 1,036円/100株 PER--.- PBR1.90 2月無配 株主優待あり

主力は鶏料理居酒屋「てけてけ」。ハンバーガーチェーンも展開。店内調理に特徴。

配当は支払い実績がなく、今期も無配を予想しています。

 

ユナイテッド&コレクティブは株主優待制度を実施しており、2月末時点の単元株主に対して3,000円分の飲食券を進呈しておりますので、優待利回りは約2.89%となります。また、1年以上保有を継続する単元株主に対しては同10,000円分を進呈していますので、同利回りは約9.65%となります。

なお、3単元保有の場合に限って、単元保有時と同じ水準の利回りが確保出来ます。


業績を確認していきます。 
■2017年2月期 売上高 54.7億円、営業利益 2.5億円 EPS 84.8円 

■2018年2月期 売上高 63.4億円、営業利益 2.0億円 EPS 34.8円

■2019年2月期 売上高 72.9億円、営業利益 2.0億円 EPS 22.4円

■2020年2月期 売上高 80.0億円、営業利益 1.4億円 EPS 12.0円 

■2021年2月期 売上高(未定)億円、営業利益(未定)億円 EPS(未定)円 ce
□2020年8月中 売上高 15.0億円、営業利益▲6.0億円 EPS▲232.0円 四e

2020年2月期の売上高は前期比9.7%増の80.0億円、営業利益は同28.9%減の1.4億円となり、トップラインは2桁弱の伸びを確保したものの、期初予算を下回って着地しました。出店は計画8店に対し7店となり、期末店舗数は97店止まりとなりました。また、既存店売上高についても昨年9月・10月の台風による全店休業等が響き、前期実績91.2%と前年ハードルが低かったにも拘らず97.1%となり、前年割れとなりました。また利益についても、時給増加や輸入鶏肉高騰といった原価増の影響を受け、採算性がやや悪化しました。


進行期である2020年2月期の予算については、新型肺炎影響により合理的な算出が出来ないため未定としています。休業期間は個店差があるものの、4月8日から5月末までの大よそ2ヵ月間であり、6月12日には一部店舗を除いて通常時間営業に復帰しています。かような状況のため1Q(3~5月)は殆ど売上が立たない見通しであり、既に2Qに入っているものの、上半期までは壊滅的な売上となる見通しです。なお、新店については通期で8店を出店する計画であり、三井物産・三井不動産の大手町OH-1計画、森ビルの虎ノ門ヒルズ、JRの竹芝再開発への出店が名有りとなっており、いずれも「the 3rd Burger」となっています。


当社は2017年2月の上場銘柄であり、当初2021年2月期を目処に200店舗をKPIとして定めていましたが、現状97店に留まっており、今期予定通り出店が進んだとしても100店舗強止まりとなります。そのため、本KPIの達成年限を2026年2月期まで延ばし、FC比率を半々まで引き上げ、現状2%弱の営業利益率を5%まで引き上げる計画に修正しています。主力の「てけてけ」については、「鳥貴族」「鳥メロ」「やきとりセンター」といった大手チェーンとの競合が激しく、「鳥貴族」ひとつとっても自社内競合が激しく、閉店して間引いているような状況ですので、当社が地盤とする東京のやきとり業態は既に飽和してしまっている可能性があります。

 

一方、無添加ハンバーガー業態の「the 3rd Burger」については、健康志向の高まりも追い風に底堅く推移しており、出店ロケーションも骨董通り、六本木一丁目、吉祥寺、広尾、三軒茶屋といった高感度エリアを中心に、足許では大手町、虎ノ門、竹芝といったオフィスビル(竹芝は商業)への導入も決まっています。本業態は当社がウリとする「PISP戦略(可能な限り店内仕込で手作り感を出す)」にも馴染むことから他社との差別化が効きやすく、当面はビルインを中心に順調な店舗数拡大が期待出来ます。

 

当社は2017年の上場時に@810円(分割調整後)で4.3億円を調達していますが、2018年7月にアサヒビールと宝酒造に第三者割当増資を引き受けさせ、それぞれ102千株、34千株を@2,920円で割当て、約4億円を追加で調達しています。これは当社の資金需要よりも、ビール会社の“陣取り合戦”の三者割とみられますが、IPO公募価格の3倍の株価での調達に成功しています。なお、期末時点の自己資本比率は約3割弱であり、この4月に10億円をデットで調達していることを考慮しても、なお同比率は25%程度キープしているものとみられるため、資金繰りについては十分に手当てされている印象を受けます。

 

*参考記事① 2019-06-19 1,290円 OP

「てけてけ」苦戦も、アサヒビールと宝酒造への三者割は評価・U&C(3557)。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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