「てけてけ」苦戦も、アサヒビールと宝酒造への三者割は評価・U&C(3557)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3557】ユナイテッド&コレクティブ(東証マザーズ) ---

現在値 1,290円/100株 PER44.6 PBR2.42 2月無配 株主優待あり

主力は鶏料理居酒屋「てけてけ」。ハンバーガーチェーンも展開。店内調理に特徴。

配当は支払い実績なく、今期も無配を予想しています。

 

ユナイテッド&コレクティブは株主優待制度を実施しており、2月末時点に1年以上保有を

継続する単元株主に対して、10,000円分の飲食券を進呈しておりますので、優待利回りは

約7.75%となります。なお、3単元保有の場合も単元保有時と同じ利回りが確保出来ます。

業績を確認していきます。 
■2016年2月期 売上高 42.2億円、営業利益 1.0億円 EPS 20.0円 
■2017年2月期 売上高 54.7億円、営業利益 2.5億円 EPS 84.8円 

■2018年2月期 売上高 63.4億円、営業利益 2.0億円 EPS 34.8円

■2019年2月期 売上高 72.9億円、営業利益 2.0億円 EPS 22.4

■2020年2月期 売上高 82.3億円、営業利益 1.9億円 EPS 29.1円 ce
□2019年8月中 売上高 40.0億円、営業利益 1.2億円 EPS 18.3円 四e

2019年2月期の売上高は前期比14.9%増の72.9億円、営業利益は同3.8%増の2億円
なり、

増収増益を確保したものの、期初予算を下回りました。通期で25店の出店を計画していた

ものの、24店止まりとなったほか、期中における出店時期自体も遅れたことが響きました。

また既存店売上高についても、他社店舗との競争激化により、予算前提の98.8%に対して

91.2%と低調な仕上がりとなりました。一方、利益面については、予算こそ下回ったものの、

社内的に「PISP」と呼ぶ商品ソーシング施策により原価率の軽減に成功したため、トップ

ラインこそ伸び悩んだものの、概ね前期並の営業利益を確保することが出来ました。


進行期である2020年2月期の予算については売上高が12.8%増の82.3億円、営業利益は

6.8%減の1.9億円と増収ながら減益を計画しています。新店は、主力の「てけてけ」を中心

通期で8店を出店する計画であり、出店を大幅に抑制して既存店のテコ入れを図ります。

また、出店については(立地を落として)採算性を重視するとともに、これまで通り居抜きの

物件を出店戦略の柱とします。利益面については、人件費をはじめとする原価の上昇や、

消費税上昇などを一定程度織り込んでいる模様であり、期初から減益を想定しています。

当社は2017年2月に上場したばかりの銘柄であり、中期的な業績の定量目標は明らかに

していないものの、2020年(2021年2月期)を目処に200店舗をKPIとして定めています。

既述のとおり、実績期で24店の大量出店を果たし、期末時点の店舗数を91店まで膨らま

せたものの、今期は早くも出店を抑制している状況のため、その時間軸では120店舗程の

展開が限界かとみられます。主力の「てけてけ」の競合は激しく、「鳥貴族」「鳥メロ」等

数多の焼鳥チェーンが乱立している状況で、当社より体力のある大手チェーンに対して

低価格戦略でケンカを売っているため、スケールするまではジリ貧状態が見込まれます。

 

その一方、無添加ハンバーガー業態の「the 3rd Burger」については、健康志向の高まり

も追い風に堅調に推移しており、出店ロケーションも骨董通り、六本木一丁目、吉祥寺、

広尾、三軒茶屋といった高感度エリアを中心とした出店を果たしています。こちらの業態

は“安かろう”イメージの「てけてけ」とは異なり、ブランドイメージを維持したまま、単価の

取れる業態に育っている印象であるため、家賃と立地の兼ね合いから急速な店舗展開は

難しいとみられるものの、業態としては成長余地があると考えています。なお、超低価格

業態の「やるじゃない!」については、歌舞伎町で出店したセルフ焼鳥業態「やきとり魁」

失敗冷めやらぬ中での出店となるため、現時点では何も判断が出来ません。

 

なお、当社は2017年の上場時に@810円(※分割調整後)で4.3億円を調達していますが、

2018年7月にはアサヒビールと宝酒造に第三者割当増資を引き受けさせ、それぞれ102

千株、34千株を@2,920円で割当て、約4億円を追加で調達しています。これは当社の資

金需要どうこうというよりも、ビール会社の陣取り合戦的な側面の強い三社割かと思いま

すが、1年前半のIPO時の公募価格の3倍以上となる、比較的高い時期の株価での増資

となるため、約4.5%の希薄化を伴ったものの、かなり良い増資であったと解しています。

これで当社の大株主には、サントリー酒類(6.6%)、アサヒビール(3.4%)、宝酒造(1.1%)

出そろったため、ビール会社ルートでの新規出店も期待出来そうです。

 

会社四季報 2019年3集夏号

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