【3280】エストラスト(東証一部) ---
現在値 712円/100株 PER4.9 PBR0.73 2月配当株主優待 8月配当
山口県内首位のマンション開発業者。福岡など九州へ攻勢。西部瓦斯の傘下入り。
配当は年2回の合計14円配で、配当利回りは約1.97%です。
エストラストは株主優待制度を実施しており、2月末に1年以上保有を継続する単元株主
に対して、2,000円分のクオカードを進呈しておりますので、配当利回りは約4.77%です。
業績を確認していきます。
■2016年2月期 売上高 128億円、経常利益 9.5億円 EPS 97.3円
■2017年2月期 売上高 137億円、経常利益 9.5億円 EPS 99.7円
■2018年2月期 売上高 139億円、経常利益 10.4億円 EPS 116円
■2019年2月期 売上高 156億円、経常利益 13.1億円 EPS 144円
■2020年2月期 売上高 166億円、経常利益 13.1億円 EPS 144円 ce
□2019年8月中 売上高 53.0億円、経常利益 1.0億円 EPS 11.3円 ce
2019年2月期の売上高は前期比12.5%増の156億円、経常利益は同25.7%増の13.1億円
となり、14期連続の増収・経常増益となり、期初計画線を上回って着地しました。主力の分
譲マンションにおいては、博多古門戸(52戸)や筑紫野(52戸、65戸)などほぼ期初計画通り
となる463戸を引渡したほか、戸建住宅についてもほぼ計画通りとなる61戸の引き渡しを
完了しました。収益がやや上振れたのは、専有一棟卸し物件として、長崎市三芳町物件
を4億円で売却したことがスポット的に業績寄与したものとみられます。
進行期である2020年2月期の予算については、売上高が6.0%増の166億円、経常利益は
0.2%減の13.1億円を見込んでおります。今期の分譲マンションの引渡住戸は451戸、戸建
住宅については72戸の引渡しを見込んでおり、分譲戸数はほぼ実績期並みとなります。
このうち分譲マンションは既に181戸(契約率40%、4/10現在)が契約済となっています。
当社はローリング形式の3年中計を公表しており、最終年度である2022年2月期の売上高
207億円(CAGR10%)、経常利益16億円(CAGR7%)を予想しています。前回ローリング時点
はオーバーペースで進捗していましたが、今回の洗替では業績モメンタムが低下しており、
会社側は中期的な業績見通しをやや保守化させているとみられます。案件自体は、来期
に第一交通産業(65%)、長谷工不動産(20%)とのJVでアイランドシティ320戸(持分15%
48戸相当)の供給を予定しているほか、来期以降の案件として、野間大池公園に4,000坪
の素地を仕込んいるため、販売規模40億円級(105戸)が控えているため、数字の目処は
立っているものの、足許の契約率の鈍化傾向を織り込んできているものと推察されます。
当社は2017年2月に福岡地盤の都市ガス大手・西部瓦斯によるTOBにより同社の連結子
会社(51%)となっています。当社は原弘産の流れを組む山口地盤のマンデベですが、西部
瓦斯の地盤である福岡エリアへの進出を進めています。福岡エリアにおける西部瓦斯の
圧倒的な信用力やネットワークを活かした用地仕入れや販売の促進が期待されますが、
現時点では日本エスコンと中部電力ようなシナジーが発現している様子はなく、将来的な
アップサイドとして期待されるものの、その辺の顕在化については要時間とみられます。
なお、株主還元については、実績期は全て普通配当に切り替えた上で2円増配となる年12
を配当しましたが、今期は更に2円の増配となる年14配当を予想しています。配当性向は
僅か9.7%水準ですが、足許では借金を膨らませて在庫を積み上げていることもあり、自己
資本比率を1年で610bps.(32.6%→26.5%)落としているため、エクイティファイナンスを
しない(株価的にできない)以上、渋い株主還元も理解出来る範囲かと考えています。
*参考記事① 2018-06-02 920円 ---
原弘産出身の創業社長が退任、西部瓦斯色が強まる・エストラスト(3280)。
*参考記事② 2017-06-05 693円 ---
西部瓦斯TOBは当社側にメリット大きい・エストラスト(3280)。
新品価格 |
*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。
特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に
基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。