民鉄10社株価レビュー(東関東編,2023年7月)。 | なちゅの市川綜合研究所

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およそ半年ぶりに東関東を地盤にする民鉄10社の株価をレビューします。前回予想時(2022年の12月25日)時点の評価及び株価と、今回予想時(2023年7月7日)の時点の評価及び株価を記載しています。評価の符号(◎〇▲△×)は投資魅力度ですが、競馬と同じ感覚で適当に付しております。なお、完全子会社化された新京成電鉄は除外しています。

 

西武HD(9024) 前回予想(評価△/@1,425)→今回予想(評価△/@1,472)

芝パークタワーをはじめとするプリンスホテル十数棟を売却も、サンシャインプリンス他5棟は売却中止。オフバランス化により上がり目が抑えられてしまったものの、ホテル単価はなお上振れ余地がある。年20円復配済。

 

東武鉄道(9001)前回予想(評価▲/@3,105円)→今回予想(評価△/@3,657円)

鉄道収入、スカイツリー入場料収入が回復。リッツ日光をはじめとするホテルも増勢。新型スペーシア投入と特急料金値上げの寄与が期待されるが、株価はある程度織り込んでいる印象が強く、1ノッチ格下げ。

 

東急(9005) 前回予想(評価△/@1,665円)→今回予想(評価△/@1,703円)

ミラノ座跡の歌舞伎町のタワーが開業。東急百貨店本店閉業、新綱島駅開業など強弱まちまちも、エクスポージャーの大きいホテルの回復と渋谷界隈のオフィス稼働率高止まりは追い風。

 

小田急電鉄(9007)前回予想(評価◎/@1,706円)→今回予想(評価〇/@1,872円)

インバウンド回復時期に百貨店の建替閉鎖が痛いが、箱根観光やホテルは戻り歩調。ビル売却でファイナンスリスクは以前よりは後退だが、株価は大底圏脱出による妙味低下から1ノッチ格下げ。

 

京王電鉄(9008)前回予想(評価△/@4,905円)→今回予想(評価▲/@4,241円)

財務盤石。今秋に全線で10%の値上げ予定。京王プラザホテル稼働率回復、京王百貨店の小田急建替仮需、高尾山観光需要回復、リノベーション物件販売増などの材料は全て小粒だが、株価下落による投資妙味増から1ノッチ引き上げ。

 

京急電鉄(9006)前回予想(評価▲/@1,364円)→今回予想(評価▲/@1,291円)

今週に全線で10%の値上げ予定、定期外顧客はほぼ平時並みに復元。空港線も回復歩調だが、JR東に対抗値下げしており収入の戻りは鈍い。泉岳寺駅再開発まだ先。

 

京成電鉄(9009)前回予想(評価△/@3,720円)→今回予想(評価×/@5,822円)

新京成電鉄完全子会社化が下期からフル貢献するものの、あくまで持分法適用会社であるOLCのトラッキングストックの位置付け。OLCの時価総額10兆円到達に従って株価評価が進んでおり1ノッチ引き下げ。

 

相鉄HD(9003)前回予想(評価◎/@2,189円)→今回予想(評価▲/@2,481円)

JRや東急への直通運転開始による新規流入効果と、運賃改定で上振れ。相鉄フレッサインやサンルートホテル等のホテル事業の回復が大きく、ポジティブ材料も多いが、株価大底圏脱出で評価は2ノッチ引き下げ。

 

富士急行(9010)前回予想(評価▲/@4,745円)→今回予想(評価△/@5,360円)

インバウンド受入再開で富士山観光が戻る。河口湖界隈の人流が回復すると、運輸・レジャー・ホテルなどフルハウス的に儲かる構造、ハイランドの新アトラクション投入も寄与。株価は再評価が進んだため1ノッチ引き下げ。

 

秩父鉄道(9012)前回予想(評価無印/@2,412円)→今回予想(評価無印/@2,250円)

殆ど不動産賃貸業なのでカバーなし。長瀞観光や、秩父のアニメ聖地巡礼等の回復が見込まれるものの、期待の花園プレミアム・アウトレットが不発。


*参考記事① 2022-12-25 

民鉄11社株価レビュー(東関東編,2022年12月)。

 

*参考記事② 2022-06-19 

民鉄11社株価レビュー(東関東編,2022年6月)。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。

 

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